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2017年3月分

№491~521

491.『指名ミス』


#twnovel 前代未聞の指名ミスが起こった。発覚したのは、聖剣を引き抜く選考会で選ばれた勇者。聖剣が「前々からしっくりこなかったけどやっぱ違う」と発言して明らかとなった。このお粗末なミスをきっかけに、選考を聖剣に一任するシステムに物議が醸し出されている。#ファンタジー社会問題


 *


492.『勇者失格』


「お前は勇者ではない」と言ったきり、聖剣は俺の声に応えなくなった。俺もうすうす勘付いてたんだ、王族に急かされて間違えただけなんじゃないかって。でも、たとえ間違いでもお前とはうまくやってきたじゃないか。なあ。#twnovel だから間違いで死なせたくはないのだ、と聖剣は独りごちた。


 *


493.『手づくりのお雛様』


#twnovel「五人囃子をレンジャーで再現した発想は良い。三人官女がキングギドラなのは正直天才かと思った。一番上はパパ・ママと書かれた折り紙で『いつもありがとう』なんて添えられたらパパ泣いちゃうよ。こんな場合じゃなけりゃ。押入れの前からどいて正直に言いなさい。雛人形に何をした」


 *


494.『雨に騒げば』


#twnovel 何で傘持ってないの、待ってた意味ないじゃん。降っても雪だと思ってたんだよ。雪でも降るなら傘必要でしょ。傘ささないで歩くのがオツなんだよ。風邪ひいたらどうするの、バカなんだから。

#春雨のスキップ

しとしと降る暖かい雨の中、ふたつの弾む声が、跳ねるように駆け抜ける。


 *


495.『bleach』


#twnovel 虹を待っている。傘はない、持つ資格がない。打たれるたびに強くなれるというのなら、それを望んでいるから。他に自分の許し方を知らないから。そして再び陽の光を浴びるのだ。すべて洗い流されて、取り繕うものがない私で。

#雨という文字を使わずに雨が降るを文学的に表現してみろ


 *


496.『向こう側』


#twnovel「あっ電話だ」「えっ」「コール鳴ってる」「マジ? 切っとけよ」耳を澄ますと、微かにどこかから聞こえる。しかし、誰の電話にも着信はない。やがて「あ、なんだ『あっち』の方か」と気づいて安堵する。電話を取りに行った視聴者が戻る前に、テレビの中の人々は番組の続きを始める。


 *


497.『ところでRTといいねが怖い』


#このタグを見た人は何恐怖症か答える…と言っても、怖いものなんてありませんよ。いちいち怖がってたら、こうして毎日 #twnovel なんか書けませんからね。ああでも、こんな戯言がRTやいいねされて、人様の目に触れるのは怖いなあ。え、オチてない? すみません、どうにもオチ恐怖症で。


 *


498.『戦国転売屋』


#twnovel 今川氏真は武田信玄を攻める際に塩の輸出止めを行ったが、反対に塩の在庫処理に困ってしまった。そこに上杉謙信が安値で買い取ろうと手を差し伸べた。そして謙信は「塩を送る」と嘯き、信玄に高値で売りつけた。そういや毘沙門天って財の神だったなあ、と氏真はしょっぱい顔をした。


 *


【しんだことに気づいていない子どもと謙虚なストーカーが壊れていく悲劇】


499.『お節介』


#twnovel 俺は彼女の生活を見守るのを日課としている。近所に出る子どもの幽霊の頼みだ。自分はここで待ってなくちゃいけないけど、いつ迎えに来るのか気になるから、と。来るはずがない。だが毎日続けていると、何とかして会わせてあげたくなるのが人情だ。今日はナイフでも持っていこうか。


 *


《今日の献立報告シリーズ⑳》


500.『非常食』


#twnovel「今日は「非常食だろ。テレビで賞味期限大丈夫かって言ってたし」「はい。でもカンパンだけなのも味気ないので、お肉も焼いてみましたよ。ミートの日だけに」「ほー」「これも非常食だったのでちょうどよかったです」「…」「タマとポチも、ご飯ですよー」「今すごいホッとしたわ!」


 *


501.『記憶に足をとられて』


#twnovel「できることがあるって教えて貰えるのは、幸せなことだよ」とあなたは言う。「何をしたらいいのか、何をしたらいけないのかわからなくて、何もできなくなった人をたくさん知ってるから」その中のひとりであるあなたに、私は何ができるだろう。「もういいよ」と、嘘をつくこと以外で。


 *


502.『約束を破ったおいらが悪いのか』


#twnovel「覗かないでと言ったのに…」「すまない。どうしても気になって…まさか君があのときの鶴だったなんて」「もうここにはいられません」「正体を知られたから?」「いやそれは別に」「別に」「さすがに全裸で仕事をしているのを見られたのはちょっと」「ひとン家で何やってんだお前は」


 *


《今日の献立報告シリーズ㉑》


503.『サンドイッチ』


#twnovel「今日のお弁当はサンドイッチですよ。仕事が忙しくなってきたと言っていたので」「ありがたい」「でも片手で食べるとパンくず等を零しますよね」「面目ない」「どうせ零すならと最初から粉末状にしてあります」「!?」「袋につめて吸引してくださいね」「ビジュアルがヤバすぎる!」


 *


【twnvday2017/3/14 お題「スイッチ」】


504.『歯車の供述』


風が吹く。体が冷える。暖まりたくなる。銭湯へ行く。女湯が賑わう。女湯を覗く。桶をぶつけられる。桶が壊れる。銭湯が桶を発注する。桶屋が儲かる。#twnvday 私はその大いなる力が働いた流れに組み込まれただけなんです。きっとどこかにスイッチを入れた黒幕がいるはずなんです、刑事さん。


 *


505.『筋肉で解決する赤い靴』


憧れていた舞踏用の赤い靴を買い与えられた少女は、靴を見せつけることに夢中になり他の大事なことを疎かにしてしまう。そのせいで少女は踊り続ける呪いにかかってしまった。#twnovel 数年後。そこには呪いを逆立ちで歩くことで克服し、逞しい腕と脚で生きる少女の姿が。

#筋肉で解決する昔話


 *


506.『全米ライフル協会力高いカチカチ山』


#twnovel「カチカチってのは、何の音だい」「カチカチ鳥の鳴き声だよ」たぬきは駆け出した。音の正体が火打ち石だということなどお見通しだった。次の瞬間、たぬきは背中に焼けるような鋭い痛みを覚える。カチカチという音は、うさぎが銃の撃鉄を起こす音だった。

#全米ライフル協会力高い童話


 *


507.『母ちゃんか』


#twnovel 週間漫画誌の自販機を見つけた。昔、母ちゃんに隠れてこれでエロ本買ったなあ、と懐かしさに惹かれて買ってみたが「赤マル」の方が出て来た。母ちゃんか。問い合わせると「そんなんわからんわ。自分で買うて来ぃや」との返答。母ちゃんか。「あとエロ本は自分で捨てや」母ちゃんや。


 *


【ついのべ三題ったー「サイコロ」「書簡」「Web」】


508.『でたとこまかせの異世界転移』


ある日突然、書簡が届いた。中にはサイコロとメモだけ。出目に対応して行き先が書いてあるけど、どれも知らない場所だった。試しに振ってみたら『続きはWebで!』とメッセージが出て、俺はこのネトゲ世界に転移していたんだ。#twnovel だからあの、Lv1で魔王城に来たのは事故でして…。


 *


【「美しさ」と「苦悩」、登場人物が「思いを馳せる」というお題】


509.『頼むぜ神様』


#twnovel「あっ、こうなると美しい」と気づくことがたまにある。そういうときはたいてい、二度と元の人間関係には戻れない事態になるので、いつ実行されるのかと思い悩む。それで何も起こらなかったときは、なぜ物語としての美しさを捨てたのだろうと、僕たちを描く作者様に思いを馳せている。


 *


510.『彼岸(ごくらく)はどこだ』


墓参りする夢を見た。いつから行ってなかったっけ。仕事で忙しかったのもあるが、死後の世界の存在を信じなくなっていたのかもしれない。今じゃ考えられないな。まあ一瞬の彼岸だったけど。お盆までには、戻る方法でも探しておくかな…

#twnovel

遠い異世界の此岸から、転生前の此岸を思う。


 *


511.『髪枕』


#twnovel 束ねた髪を枕にしたいと言った貴方。ヘンタイ、と笑って望む通りにしてあげた。願わくば、この髪が貴方を絡め取って、留めておいてくれるように。夜更けにこっそり出かけていることなんてわかっているんだから。打った寝返りで、髪が引っ張られる。この涙は、痛みからか安堵からか。


※イラストに添えさせていただいた140字です。


 *


512.『それはパズルゲームのように』


#twnovel 寝ても覚めてもというわけじゃない。ただ、ふとした瞬間に言われたことを思い出し、まだ言われてないことを考える。どうすればそれを言わせられるのかとかも。そうして、少しずつ隙間を埋められていくのを毎日感じてる。

#愛恋好心という文字を使わずに恋をしている事を表現してみる


 *


【ついのべ三題ったー「自己暗示」「残業」「猫なで声」】


513.『月曜日だけじゃ足りないたわわ』


#twnovel 依然として残業中に「おっぱい揉む?」と猫なで声で訊いてくる女の幻覚は続いている。しかし俺はその誘惑を乗り越えることに成功した。「あ、自前のがあるんで結構です」すなわち彼女ができた。違う。自分がたわわな美少女だと自己暗示をかけたのだ。今日も一日がんばるぞい。ぞい…


 *


514.『メシマズの幸福』


#twnovel あなたほど優しい人はいないと思っていた。料理が下手なの、と告白しても笑って受け入れてくれた。どんなに味が濃すぎても、どんなに焦がしても「平気、平気」と言って食べてくれた。申し訳なくて謝ると「気にするなよ」と気遣ってくれた。「俺、昔っから好きなんだ。体に悪いもの」


 *


515.『死にきれない』


#twnovel 僕がゾンビになったのは、彼女にまた会うためだ。僕がいなくなって寂しがってると思ってさ。案の定、体が朽ちかけてることなんて気にせず抱きしめてくれたよ。本当にしょうがない奴でね。いつも、ついやっちゃってから後悔するんだ。僕を殺したことも後悔してそうだから蘇ったのさ。


 *


【ついのべ三題ったー「マナーモード」「風」「猫」】


516.『ニャン公の恩返し』


#twnovel 今日は風で冷える。足早に帰宅すると、マナーモードの携帯のようにぶるぶる震える猫がいた。気の迷いでうちに入れちまったが、後悔した。受けた恩なんか忘れて煩く鳴きやがる。すると聞きつけたご主人が、俺まで暖かいお座敷に上げてくれた。猫は言った。「借りは返したぜ、ワン公」


 *


517.『貰ったカップ』


#twnovel 彼が可愛らしいカップでお茶を飲んでいたので、そういう趣味だったの、とからかうつもりで話しかけた。そしたら「貰い物なんですよ」との返事に衝撃走る。そんな相手がいたなんて…私以外に。慌てて相手は誰と訊くと、微笑んで「春のパン祭り」と。からかわれていたのは私の方かよ。


 *


518.『ぬらりひょん』


#twnovel その居酒屋には、妖怪ぬらりひょんが出る。気が付くと隣に爺さんが座っていて、一緒に楽しく酒を呑み、そしていつの間にかいなくなっている。こりゃツケを押し付けられたかな、と思うが意外にも爺さんの飲食代は請求されない。「あれ引退した先代なんですよ」二代目店主は苦笑する。


 *


【明るく後ろ向きな文学少年と世話焼きなサディスト(いじめっこ)が一緒に暮らす話】


519.『ベストパートナー』


#twnovel 朝の光を感じて伸びをひとつ。今日も死ぬには良い日だ。「さっさと起きてご飯食べてから死になさい」昼は執筆作業。これが人目に触れるかと思うと死にたくなる。「せめて人目に晒してから死になさい」夜、自分の才能の無さに死ぬ寸前。「ちゃんと私以外に認められてから死になさい」


 *


520.『置き去り勇者』


#twnovel 魔王を倒したので元の世界に帰して貰おうと神様を呼ぶと「すまないが自力で対処を」ってどういうことなの。永住しようにも最後は去ることになるって言うから、この世界に未練残しそうな勇者らしいイベント回避してきたせいで落ち着く先もないぞ。あるのは、空席になった魔王の椅子…


 *


521.『ビールになります』


#twnovel「こちら、ビールになります」なりますって何だよ、日本語としておかしいだろ…って甘い!なにこれ!?「あーそのままじゃダメですよ。その甘ちゃんからビールになるんですから」これから!?どうすればなるの。「お客さんの人生のように苦渋を味わえば」お前が俺の何を知ってんだよ。

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