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2017年2月分

№463~490

463.『背番号πのすごい奴』


#twnovel 野球界には「π」という、冗談のような背番号がある。いわゆるひとつの「ほぼ3」ということで、某終身名誉監督に最も近い選手に与えられるお遊びの番号だ。ただ、誰が「π」になるか賭けるという企画は野球賭博なのではとの指摘で欠番中。今後復活するかは…うーん、どうでしょう。


 *


《今日の献立報告シリーズ⑲》


464.『ツインテールの天ぷら』


#twnovel「今日はツインテールの日らしいので、ツインテールっぽいものを揚げてみましたよ」「なにこれ」「ゲソの天ぷらです」「ツインテールは海老の味だよ」「では海老天にこうゲソ天を添えて」「あ、すごくツインテールっぽい」「ところで何で海老の味なんです」(オタバレの時が来たか…)


※怪獣図鑑に「エビの味がする」と書かれたせいでネタにされ続けている怪獣がいてな…


 *


465.『恵方巻き』


#twnovel 恵方巻きは“作られた伝統”である。「縁起の良い方に向かって巻き寿司を食べる古くからの風習」と、その由来に一切触れることなく広まったものだ。これは鬼が意図的に流布・隠蔽したからだと識者は分析する。おかげで、もともとは鬼を囲んで叩くための武器だったと知る者は少ない。


 *


466.『体温』


#氷の吐息 暦の上ではもう春なんだと。他人事のように言い捨てた。実際寒くて、言葉に熱が入らない。白い吐息が寒空に同化するのを見て、より気分が冷え込んだ。#twnovel じゃあ、春にしちゃいましょうか。いきなり左腕に感じた温もりの意味に気づいたとき、さっきよりもっと白い息が出た。


 *


467.『にらめっこしましょ』


#twnovel にらめっこで負けたことがない。何もしなくても相手が笑う。俺の真顔はよほど笑えるらしい。就職面接も、プロポーズも、相手が笑ったおかげで結果的にうまくいった。なのに、今は誰も笑わない。笑って欲しくて我慢していたが、諦めて頬と目尻を緩ませた。いい人生だったから、なあ。


 *


468.『人類の夜明け前』


#twnovel プロメテウスは地上に文明をもたらそうと、火と、火を移すための松明を用意した。これを集落に持ち帰るのが文明の始まりとなるだろう。やってきた原人はさっそく松明を手に取り、台を用意し、高い所にあるバナナを叩き始めた。夜明けにはまだ早かった。

#世界史をいきなり終了させる


 *


【現実主義の少女とその人物に飼われている《ペット》の「はじめまして」から「さようなら」まで】


469.『目に見えるもの』


#twnovel 目に見えるものしか信じない。だから私はそいつがどんなに嫌がっても、深い傷の手当が必要だと信じて家に連れ帰った。それから一緒に暮らしたが、ある日、そんな生き物は存在しないことを知った。それ以来、そいつは家からいなくなった。私の目には見えなくなっただけかもしれない。


 *


【とあるエンターテイナーととことん職選択をミスってる契約社員が、期間限定の恋人として振る舞う話】


470.『コンゲーム』


#twnovel「所帯持ちの方が仕事がしやすい」との理由で、妻として雇われた。家事をするでもなく、ただパーティに同伴する日々。エンターテインメントの仕込みだとか。後日、パーティの主催者が詐欺に遭い、夫は姿を消した。永久就職には失敗したが、私は観客として、依頼主として拍手を送った。


 *


471.『筋肉で解決する裸の王様』


#twnovel 俯いて歩く王様から、民は目を逸らしました。王様が裸であることよりも、王様のだらしない体に失望していました。2か月後、別人のように肉体改造した王様は再びパレードを行いました。すべてはライザップのCMだったのです。バカには見えない服って何だっけ…

#筋肉で解決する昔話


 *


472.『混同』


#twnovel 気楽なニート生活を送っていたが、このままじゃダメだと新渡戸稲造著(邦訳だが)『武士道』を手に取った。「どうだった」と親父に訊かれ「死ぬこととは見つけられなかった」と答えた。「そりゃ『葉隠』だこの愚息が!」と憤る親父は、一応俺を自分の一部と思ってくれているらしい。


 *


【平等主義の軍事マニアとまったく役に立たない探偵との7日間の話】


473.『見逃す』


#twnovel 私は依頼人の軍事マニアに銃を突きつけられていた。彼が「目には目を」で復讐すべき相手を7日間で探せという依頼だったが、私はその仕事を果たせなかった。いや、依頼人を犯罪者にはできないと見逃したのだ。「役立たずの探偵め」銃が下ろされる。「見逃してやる。目には目を、だ」


 *


474.『こい、あい』


#twnovel「来い!」こんなにも気持ちが昂る。ひとり舞い上がって、心のままに両腕を広げる僕。それを見た君は落ち着けと一発かまし、ふたりきりになったところで、腕の中に納まって、ぶっきらぼうに返事をした。「あいよ」

#恋と愛の違いを格言にしたら 恋は呼びかけるもの、愛は応えるもの。


 *


【「反響」と「現在」、登場人物が「滲ませる」というお題】


475.『失敗談』


#twnovel 処女作はあれだけ反響があったのに、今となっては…と、彼は後悔の念を滲ませた。編集者に従い、処女作が売れているうちに粗悪な新作を量産した。そのときの荒稼ぎが、私の作家生命を絶ち、現在の快適な印税生活に追いやったんです、と。いやあ残念だなあ、と語る彼にイラッときた。


 *


【twnvday2017/2/14 お題「欠片」】


476.『ビターズエンド』


#twnvday 私の目の前でチョコは砕かれた。皆で分けて食べるからと。そりゃ、割りやすいし。板チョコだし。それを見ながら、高いのに小さいチョコを買ったり、手作りしたりするのは、こういうことにならないためなんだなと悟った。破片は私の口にも収まった。義理人情の欠片もない、ほろ苦さ。


 *


477.『取引き』


#twnovel マラソン大会で優勝した。私以外の全員がコースを間違えて失格になった。優勝してみたいとは言ったけど、まさかこんな。「ビリっけつを不自然じゃない感じに優勝させるなんて、これぐらいしかないだろ」私に伴走していた先生が嘯く。「さて、願いは叶えたぞ」悪魔のような顔で迫る。


 *


478.『HOW TO MAKE TWNOVEL』


#twnovel と、まずはタグを打つ。次に今日のお題を探して…ちくしょう、またツイート漁りで無駄な時間を過ごした。お前はいつもそうだ。この無駄な時間はお前の人生そのものだ。ついのべひとつ書き上げられないお前はなにひとつやり遂げられない。誰もお前を愛さな…何だ、埋まってるじゃん!


 *


479.『神の悪戯(いたずら)


#twnovel「最初は、周りみたく四足でやってたんスけど。あれ高さ合わねえなって。膝擦れるなって。神が設計ミスって認めないから仕方なく…ッスかね。んで手が空いたからいろいろするようになって。それで神が狙い通りみたいな顔すんのマジ意味わかんないッスね」

#ヒトが二足歩行になった理由


 *


480.『ビフォーアフター』


#twnovel 早起きせずに寝ていられる。朝食が美味くなくなった。テレビを好きに観ていられる。独り言が独り言でしかなくなった。相談せずに外出できる。ただいまと言っても返事がなくなった。この全部に慣れないといけないのか。

#別れ終わり最後最期バイバイさよならを使わずに別れを表現する


 *


481.『BGMは「サンライズ」で』


#何度も見るタイプの悪夢

いつも通りの日常に、突然BGMが鳴って、レスラーが乱入してくるんです。追いかけられて、技をキメられるまで終わらないんです。それが痛くないから、夢だと気付いて覚めるんです。#twnovel

電車の中でプロレスしてる今も、夢ですよね…えっ『山形にようこそ』?


※「ローカル線プロレス」は山形県内に実在するイベントです。


 *


482.『二重人格』


#twnovel 二重人格だという知人がいる。どんな感じなのと尋ねると、彼は唐揚げにレモンを絞った。「おい俺のくせに俺に断りもなく唐揚げにレモンか」「俺が唐揚げにレモンかけようが俺の知ったことじゃないだろう」こんな感じだよ、と唐揚げを頬張る。教えるのに必要だと奢らされた唐揚げを。


 *


483.『政府の決定』


#twnovel スギ花粉に悩まされる人々の杉の木根絶の要望を受け、政府はようやく重い腰を上げた。花粉症患者を集めた説明会に登壇したのは、環境省の官僚。「杉の根絶はしません。代わりに…」散布される花粉にのたうつ人々。貴重な緑と秤にかければ、どちらを切り捨てるべきかは明らかだった。



484.『花粉戦争』


#twnovel かつてこの国で、花粉症の者とそうでない者、人間同士の争いがあった。やがて花粉に拒まれなかった者は植物と一体化して地上を支配し、地下に追いやられた者は体を花粉に侵食されない機械に替えて反撃に出た。加速する地上の覇権を巡る争い。そこにはもう、「人間」の姿はなかった。


 *


485.『猫を飼う』


#twnovel 猫を飼うなんて簡単だと思っていた。日中は自由に散歩させ、すり寄って来たら餌をやり、暇なときはねこじゃらしで遊び、邪魔なときはマタタビで大人しくさせる。そのうち、猫は帰って来なくなった。「何で興味ないのに付き合ったの」と、同じく出て行ったあいつのことを思い出した。


 *


486.『付き合い残業』


#twnovel プレミアムフライデーだか何だか知らないが、俺には関係ない。1人残って仕事を片付けるつもりでいたが、デートに行くと言っていたはずの後輩ちゃんが帰らない。付き合い残業なんかしなくていいんだぞ。「いいえ。待ってる間もデートですから」相手は果報者だな。誰だか知らないが。


 *


【ついのべ三題ったー「薔薇色」「支え」「手足」】


487.『薔薇色の人生』


#twnovel 薔薇色の人生を送るコツを尋ねられた老婦人は「支えてくれる人より、支えてあげたいと思う人を選ぶことかしら」と答えた。「『おい』なんて、まるで手足のように使われたっていいわと思う人」亡き夫を偲んでか、老婦人は微笑む。「それから解放されたとき、もう人生薔薇色だったわ」


 *


488.『マラソンコース問題』


#twnovel 今年も王都マラソンの開催時期が迫ってきた。王族は今年のゴール地点を魔王城と発表したが、王立騎士団によるコース上の魔物駆除が進んでおらず、開催を不安視する声も出ている。冒険者ギルドへの民間委託を報酬の問題で跳ね付けたツケは、高くつきそうだ。

#ファンタジー社会問題


 *


【ついのべ三題ったー「シャボン玉」「屋台」「舞台」】


489.『うたかたの』


#twnovel 屋台のおじさんが作るシャボン玉は、別の世界につながっているのだと思った。シャボン玉からは、様々な舞台の、様々な物語が覗き見れた。でも、どれも途中で弾けてしまう。どうなったのと訊くと、泡沫の夢になってしまったよ、とおじさん。前の仕事で、書き上げられなかったやつさ。


 *


490.『ふえるビスケット』


#twnovel「フフフ…君は勘違いをしているな。私が作ったのは『ビスケットを無限に増やすポケット』ではない。『ポケットの中で無限に増えるビスケット』だ。ビスケットは既に世界中の人々のポケットに仕込んである。叩けば叩くほど、世界はビスケットに埋もれていくから皆で仲良く食べようね」

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