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Struggle Locus On-line  作者: 武陵桃源
第1章  初心者がやらかした? 長い1日
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Locus 6

「おおー! 称号キターーーーー!」


「ほんとにやってくれるとは、私の予感も捨てたものじゃないねw」


「いやーほんとにやってくれるなんて、すごいこともあるものですね」


「がっはっはっはっは! こりゃすげぇー。マジで出しちまった」


「はぁ~~~。リオンさん種族スキルといい今といい、引きがよすぎますよ。ふふっ」


「いや……ほんと偶然だから、カインさんも言ったように、(もう)けものってことでどうかな?それと、この称号については掲示板に書き込みをしたほうがいいのか?」


 俺はそう皆に聞くと、皆は儲けものでいいという意見で一致(いっち)した。

 そして称号の効力は、持っているだけで発揮するので、何かのクエストに係わることが分かった時にでも、改めて掲示板に書き込めばいいとのこと。

 それにこの効力なら見た目じゃ分からないしな。


 俺達は、神父にお礼言い教会を出ようとした時に、神父から戦女神ユーフォリアの聖印をもらった。

 ユーフォリアの聖印は水という字に似た形をしていた。

 俺は素早く鑑定し、装備した。


装飾アイテム:首飾(くびかざ)り  名称:ユーフォリアの聖印  ランク:2  強化条件:???


MID5  要求STR-  耐久値∞  バインド属性


説明:戦女神ユーフォリアの聖印。微かだが神気(しんき)を宿しており、所有者の精神力を高める働きがある。


 このアイテムを喜んだのは、回復系クラスになりたいフィリアだった。

 回復系の魔法の威力は、MIDの値に依存するからだ。


 そして改めて、俺達は当初の予定通り、皆でパーティを組み狩りに出かけた。


 狩りに行く道中で様々なことが聞けた。

 まず、種族Lvを5まで上げると街役場にある職業斡旋所(しょくぎょうあっせんじょ)でジョブチェンジができるようになるらしい。

 戦闘系ジョブは、冒険者(エクスプローラー)兵士(ソルジャー)傭兵(マーセナリー)の3つがあり、1度ジョブを決めるとジョブチェンジは難しく、変える時にペナルティを負ってしまうそうだ。

 ジョブチェンジ後は、そのジョブに合うギルドに所属することで、クエストを受けることができるようになるとのこと。


 次に、クラスLvを5まで上げると街役場にある修練場(しゅうれんじょう)でクラスチェンジができるようになるそうだ。

 クラスチェンジできるクラスは今までの行動によって就くことのできるクラスが異なるようになるらしい。

 もしも、クラスチェンジしたいクラスが今のクラスLvが5になった時に、クラスチェンジ可能リストにない場合は、改めてクラスチェンジしたいクラスに必要な行動を取れば、クラスチェンジ可能リストに出現することがあるようだ。


 又、ギルドには場合により、複数に所属する必要があるのだとか。


 例えば、普段は戦闘系ギルドで働いて?いるが、生産系スキルで、作った物を自分の店を出して売りたい時は、商業ギルドにも登録が必要になるらしい。

 この時、無登録で売買していると、バレた時点で店を差し押さえられ、商品も全て没収(ぼっしゅう)

 プレイヤーは、一定時間監獄エリアに転送されるのだとか。

怖いな。まぁやってることは、違法販売なのでそういうことはしないに、()したことはないな。


 それに自分の店を出さずに売りたいときは、共同販売所(きょうどうはんばいじょ)のNPCに出品したい物の価格の5%を手数料として支払うことで、共同販売所で売りに出せるそうだ。

 この時出品した物が3日経っても売れ残っている場合、手数料だけ取られる形になるので、よく考えて出品したほうがよさそうだ。

 もちろん出品した物が売れれば、手数料分の出品した物の5%分は戻ってくる。

 つまり、共同販売所で出品されているときは出品した物の価格が1.05倍になっているということだ。


 そうやって話を聞いてるうちに、目的の草原にまで到着した。

 他のプレイヤーを()ける様に、奥の方へと移動し、モンスターを狩っていった。


「タウントボイス! ―――さぁ! 僕が相手だ!」


 アレスさんは、敵を挑発するように槍の切っ先を向け、注意を集めた。


 敵は、モノコーンラビットが2体と茶色い犬みたいなモンスターだ。

 モノコーンラビットと茶色の犬の体全体に橙色のエフェクトが掛かり、アレスさんへと殺到(さっとう)していく。

 アレスさんは盾を構え、2体のモノコーンラビットより早く到着する茶色の犬に槍による牽制(けんせい)を行い、3体のモンスターからの攻撃を受け止める。


「スラッシュ!」


「バッシュ!」


 アレスさんが3体のモンスターの攻撃を受け止めている間に、俺とカインさんとで無防備(むぼうび)になっている、モンスターの横合いから攻撃を加える。


「アローシュート!」


「エアカッター!」


 俺とカインさんとが攻撃したモンスターにルイリの矢とアリルの魔法が追撃を加え仕留める。


「ファーストエイド!」


 フィリアが3体のモンスターの攻撃を受け止めたアレスさんに回復魔法を掛けた。


「ありがとう、フィリアさん。―――スラスト!」


 盾で茶色の犬を押し返し、その(すき)にアレスさんは、槍を突き出し茶色の犬を倒した。


 基本はアレスさんが引き付け、俺とカインさんが引き付けられたモンスターの横から攻撃を仕掛け、倒し()らしたモンスターにルイリとアリルが遠距離攻撃で仕留める。

 HPが減少したら、フィリアがその都度回復しつつ、時折(ときおり)前衛である俺、アレスさん、カインさんが倒し漏らしたモンスターを殴ったりするという具合だ。


 1時間程狩りをして、種族LvとクラスLvが3に上がった。

 アリル達が言うには、異常な早さでのLvアップらしい。称号様々だな。


 チュートリアルクエストで戦ったモンスターの他に、茶色の犬のようなモンスターと(からす)位の大きさの茶色い鳥のモンスターがいた。

 それらのドロップアイテムはこちら。


素材アイテム  野良犬の牙:ワイルドドッグの牙。鋭く(とが)っており、武器や装飾品の材料になる。


素材アイテム  野良犬の毛皮:ワイルドドッグの毛皮。ゴワゴワした毛並みだが一般的な革製品の材料になる。


食材アイテム  野良犬の肉:ワイルドドッグの肉。やや(くせ)があるが、一般的に食べられている食材。


強化アイテム  火錬石:武装具のステータスのATKの値を上昇させることができる石。


強化アイテム  光錬石:武装具のステータスのM・DEFの値を上昇させることができる石。


素材アイテム  草原鳥の(くちばし):ステップバードの嘴。(あざ)やかな黄色で、流線型が美しい一品。装飾品の材料になる。


素材アイテム  草原鳥の羽:ステップバードの羽。10枚1組で入手できる。矢の材料になる。


強化アイテム  風錬石:武装具のステータスのAGIの値を上昇させることができる石。


強化アイテム  影錬石:武装具のステータスのM・ATKの値を上昇させることができる石。


強化アイテム  運錬石:武装具のステータスのLUKの値を上昇させることができる石。


強化アイテム  穿錬石:武装具のステータスの与DP倍率の突属性の値を上昇させることができる石。


強化アイテム  水錬石:武装具のステータスのDEXの値を上昇させることができる石。


強化アイテム  鈍錬石:武装具のステータスの与DP倍率の打属性の値を上昇させることができる石。


強化アイテム  地錬石:武装具のステータスのDEFの値を上昇させることができる石。


強化アイテム  鋭錬石:武装具のステータスの与DP倍率の斬属性の値を上昇させることができる石。


 因みに、運錬石と穿錬石は、モノコーンラビットから、水錬石と鈍錬石は、ゼライスから、地錬石と鋭錬石は、ベーシックインセクトから、出たドロップアイテムだ。


 そして、それら5種類のモンスターのドロップアイテムを鑑定し終えると、聞きなれた音とインフォメーションが流れた。


『ピロン♪ これまでの行動により〔スキル:識別〕を習得しました』


 俺はすぐにメニューを開き、有効化して装備し、説明を確認した。


〔AS〕アクティブスキル:〔識別Lv0〕

SLv上昇と共に、視認した相手の名前、種族、Lv、属性、耐性、弱点が分かるようになる。

(ただ)し、SLvが低いと分かる情報は減少する。  MAXSLv100


 そうこうしている内に、正午を回り皆一度ログアウトすることになり、街に戻った。


 街に着くと、ログアウトする前に皆とフレンド登録をし合い、その場で解散となった。

 皆がログアウトし、俺とアリルの2人が残される。


「お兄ちゃん、初日はどうだった?」


「ああ、かなり楽しいよ。ありがとな、このゲームに誘ってくれて」


「ふふっ、よかったぁ。私も久しぶりにお兄ちゃんに会えたし、遊べて楽しかったよ」


「そっか、そりゃよかった。でも初日と言ってもまだ、午前が終わっただけだぞ?」


「あー言ってなかったっけ。私、午後から友達の家で勉強会なんだ。だから今日はもうログインできないんだよ」


「へーそうなのか。勉強会ガンバレよ」


「うんっ! それじゃ、そろそろ落ちるね。またね、お兄ちゃん」


「ああ。またな」


 アリルもログアウトし、俺1人になった。


 俺は先程までの狩りで入手したアイテムを整理するため、いらないアイテムを売却した。

 残ったアイテムはこちら。


モノコーンラビットの角×5

モノコーンラビットの肉×16

運錬石×2

穿錬石×1

ゼライスの粘液×13

ゼライスの核片×3

水錬石×2

鈍錬石×1

ベーシックインセクトの足×7

地錬石×3

鋭錬石×1

ワイルドドッグの肉×12

火錬石×3

光錬石×1

風錬石×2

影錬石×1

?茸?×1

鍛錬石×1



所持金:950R⇒4380R



 とりあえず、強化素材だけで11マスも場所を取るので、虚空庫に移しておいた。


 初期の所持金の4倍以上になったので、この機会に料理をしたいと思い、料理道具や調味料を買いに街へ行くことにした。


 街の雑貨屋で、塩・胡椒(こしょう)・香草・砂糖を購入した。


・塩(100g)×1:300R

・胡椒(100g)×1:500R

・香草(1(びん))×1:500R

・砂糖(100g)×1:600R


 思いの他、砂糖が高くてびっくりした。塩の2倍もするんだから、仕方ないよな。


所持金:4380R⇒2480R


 その後街の道具屋に行き、初級者料理キットを購入した。


・初級者料理キット:1000R


所持金:2480R⇒1480R


 さらにその後、食材屋でりんごを見つけたので、購入した。


りんご(1個)×10:300R


所持金:1480R⇒1180R


 今回の狩りで得たお金のほとんどを消費してしまった。

 でも料理したかったし、お金は天下の回りものっていうし、また(かせ)げばいいよな。


 時間を確認したら、午後12時半を回っていたので、俺も一度ログアウトすることにした。


 ステータスポイントの割り振りや料理は午後からだな。

 そう考えつつ、俺はログアウトした。



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