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Struggle Locus On-line  作者: 武陵桃源
第3章  魔法の性質と魔素溜まりの迷宮
79/123

Locus 71

「……っと、戻って来た……のか?」


 そう言いながら辺りを見回すと、何処と無く見た記憶のある森に俺とカインさん達がおり、そして…………数多くのモンスターに囲まれていた。


「「「「つっ!?」」」」


『!?』


「ホッ!?」


 俺達は一瞬、『びくり!』と体を震わせたが、すぐ様持っていた武器を構え迎撃の体勢を取る。

 しかし、俺達を囲んでいるモンスター達は全く動く様子を見せない。

 

 どうなっているんだ、いったい?

 そう思いつつ、周囲にいるモンスター達の様子を見ていく。

 俺達を囲んでいるモンスター達の数は、およそ30体前後。

 そして、モンスター達全てのHPバーの隣には、ハートマークのアイコンが付いているのが確認できた。


「襲ってこない?」


「みたい……だね」


「でも、どうして?」


「ふーむ……もしかしたらこれは、魔素溜まりの5段階目の影響なんじゃないか?」


「えっと、確か5段階目っていうと……魔素溜まり周辺の強化・凶暴化したモンスターが、何かに(いざな)われるように、魔素溜まりの中のダンジョンに入っていき、ダンジョンに()われる。でしたっけ」


「だね。つまりここにいるモンスターは、ダンジョンに誘われ、食べられる寸前だったけれど、私達がダンジョンコアを破壊したから、食べられること無く、ダンジョンの入り口を囲む形で、突っ立っていることになった。そういうことですか?」


「たぶん、そういうことだろうな」


「なるほど~。それなら、(すじ)は通ってますね」


「それじゃ、あのモンスター達に付いてる、ハートマークのアイコンって……」


「ありゃぁ、魅了のアイコンだな。ってことは何か? ダンジョンは周辺のモンスターを魅了して、ダンジョン内に誘っていたってことになるのか。えげつねぇーなぁ」


「それで、この状況はどうしましょうか? ここから移動するにしても、周囲のモンスターが邪魔で、移動できそうにないんですけど」


「まぁ、それはアレよ! せっかく経験値が列を成して、無防備に突っ立っているんだから、頂いちゃえばいいんじゃないかな」


「だな、せっかくの()(ぜん)なんだし、ここは有り(がた)(たい)らげて、俺等の(かて)になってもらおうや。それにこの魅了状態は、ダンジョンコアが破壊された今、何時回復するかも分からないからな。このまま囲まれた状態で正気に戻られても困るし、さっさと片付けて移動するとしようぜ」


 そうして、俺はざっと調べたモンスターの情報をカインさん達と共有し、魅了状態のまま棒立ちになっているモンスター達を一方的に殲滅(せんめつ)蹂躙(じゅうりん)していった。

 モンスターの大半は、ノココやポイズンビーだったが、ちらほらと尻尾が異様に(ふく)れた(たぬき)のようなモンスターも確認できた。


スマッシュラクーン:Lv10・属性:-・耐性:打・魔法・弱点:斬・火


 俺達はやや作業のように武器を振るい、魔法を撃ち込み、俺達を囲むように突っ立っていたモンスター達を全て光の粒子へと変えて、ホクホク顔でセーフティエリアに向かって移動して行った。




◇◇◇



 セーフティエリアに着き、無事誰も欠けることなくインスタンスダンジョンを攻略できたことを互いに喜びつつ、攻略の手伝い自体は終わったので、お(いとま)しようと思いその事を伝えた。

 すると、こういう特殊なクエストは途中から参加しても、何かしらのクエスト報酬が出されることが多いからと引き止められ、もうしばらく一緒に行動することになった。


 結果的に連戦を()いられる形となったためまずは、休憩を入れることとなり、俺達は適当にバラけて、現在は各自でステータスの確認やアイテムの整理、HP・MPの回復等をしていっている。


 やはり、数の上ではこちらが勝っていても、格上相手では経験値の入手量が豊富なのか、シエルとネロのレベルが守護者(ボス)部屋に入る前から更に、2つずつ上がっていた。

 俺の方も魔法を使って戦うことが多かったのもあり、無属性魔法のレベルが上がり、新たな魔法を習得していた。

 

□  ショットガンボルト:魔力を純粋なエネルギーに変換し、散弾として拡散・放出する範囲魔法。

散弾の数と拡散範囲は、使用者のINT・MID・LUK の値に依存する。

消費MP:13  リキャストタイム:30秒

 

 また、先程あったインフォメーションの内容を確認するため、新たなスキルに派生進化できる派生先を順次読み込んでいった。


〔AS〕アクティブスキル:〔長剣Lv0〕

40+(SLv)分、長剣のATKにプラス補正。

斬属性の与DP倍率に、0.1プラス補正。

装備中の長剣の耐久値消耗率を軽減。  MAXSLv50


〔AS〕アクティブスキル:〔刺尖剣Lv0〕

40+(SLv)分、刺尖剣のATKにプラス補正。

突属性の与DP倍率に、0.2プラス補正。

装備中の刺尖剣の耐久値消耗率を軽減。  MAXSLv50


〔AS〕アクティブスキル:〔曲剣Lv0〕

40+(SLv)分、曲剣のATKにプラス補正。

斬属性の与DP倍率に、0.1プラス補正。

装備中の曲剣の耐久値消耗率を軽減。  MAXSLv50


〔AS〕アクティブスキル:〔両手剣Lv0〕

42+(SLv)分、両手剣のATKにプラス補正。

打属性の与DP倍率に、0.1プラス補正。

装備中の両手剣の耐久値消耗率を軽減。  MAXSLv50


NEW

〔AS〕アクティブスキル:〔剣術Lv0〕

38+(SLv)分、剣系武器のATKにプラス補正。

装備中の剣系武器の耐久値消耗率を軽減。  MAXSLv100


 う~ん、この剣術が特定条件で進化できる派生先かぁ。

 他の派生進化先と違い、与DP倍率に補正が掛からず、さらに武器に掛かるATKの補正も低いけれど、俺みたいに2個別種の剣系武器を使う者にとっては魅力的だな。

 更に言うと、他と違いMAXスキルレベルが100と2倍も違うし、特定条件で派生進化ってことはそれだけレアってことだろうから、コレに派生進化してみるのも面白いかもしれないな。

 ……よし、派生進化先は、剣術に決定だ!

 

 それにしても、称号にも二刀の心得があるんだし、双剣とかがあるかと思ったけど……無いな。

 もしかしたら、2個別種の剣系武器でも同じ位の大きさの剣系武器でないと、双剣には派生しないのかもしれないな。

 ……まぁ、過ぎたことを言っていても始まらないし、その辺りは(いさぎよ)(あきら)めるとしよう。


〔AS〕アクティブスキル:〔剣Master〕=進化⇒〔AS〕アクティブスキル:〔剣術Lv0〕

 

 それじゃ次は、入手した称号だ。


〔称号:踏破せし者達〕:最初に段階迷宮・迷宮をパーティで踏破した者達の証。


効果:段階迷宮や迷宮内で、方向感覚を失うことが無くなり、同じエリアに居る時、段階迷宮がある方向が分かる。


〔称号:完全なる攻略者〕:段階迷宮・迷宮を完全に踏破・攻略した者の証。


効果:段階迷宮や迷宮内にいる時、全ステータス上昇(微)


 コンプリートボーナスで入手した〔完全なる攻略者〕の完全というのは、恐らくダンジョン内のモンスターを全て倒し、全てのギミックを解き、全ての宝を入手したことによるものだろう。

 更に言うと、踏破という文字もあることから、全てのエリアもしくは全ての部屋・通路をも踏破することも条件の1つかもしれないな。


 因みに、インスタンスとは、ランダムに実体を生成するという言葉だ。


 さて、それじゃ次はシエルとネロのステータスポイントを割り振っていくとしよう。


 まずは、シエルのステータスからだ。


name:シエル

sex:女

race:サニー・スピリットLv6

HP:180  MP:252

STR:0

VIT:37⇒38≫57

AGI:33⇒35≫54

INT:38⇒40≫59

MID:37⇒38≫57

DEX:33⇒35≫54

LUK:27≫46

STP:8⇒0

≫調教の効果を加算した値


種族スキル:〔陽光活性(昼)〕、〔物理半減〕


スキル:〔光魔法Lv26〕、〔光耐性Lv9〕、〔影耐性Lv7〕、〔浮遊飛空Lv9〕、〔装飾化Lv6〕、〔念力Lv9〕、〔再生Lv7〕、〔再精Lv9〕


固有スキル:〔STR返上〕


 ステータスポイントは引き続き、そのうち調教を外すことを視野に入れ、LUKを除く全てのステータスに満遍(まんべん)なく割り振った。

 前回の割り振りの時、VITとMIDに1ポイントずつ割り振ったので、今回は他のステータスより1ポイント少なくして割り振った。


 VITにプラス1で、37⇒38へ

 AGIにプラス2で、33⇒35へ

 INTにプラス2で、38⇒40へ

 MIDにプラス1で、37⇒38へ

 DEXにプラス2で、33⇒35へ


 それと、光魔法のLvが上がり、新たな魔法を習得していた。


□  ライトバースト:光を収束させ小さな球体を作り出し、使用者を中心に半径20m以内の任意の場所で爆発させ、強烈な熱光線で中範囲を焼き焦がす魔法。

爆発の範囲と熱光線の威力は、INT・MID・LUK の値に依存し、低確率で盲目か火傷を付与する。

消費MP:15  リキャストタイム:45秒


 次はネロのステータスだ。


name:ネロ

sex:?

race:シャドービーストLv16

HP:260  MP:360

STR:39⇒40

VIT:39⇒40

AGI:43

INT:47

MID:39⇒40

DEX:48⇒50

LUK:39⇒40

STP:6⇒0


種族スキル:〔影装変化〕、〔影記憶〕


スキル:〔影魔法Lv21〕、〔影抵抗Lv1〕、〔影耐性Lv5〕、〔潜影移行Lv8〕、〔宿紋化Lv1〕、〔潜伏Lv16〕、〔再生Lv9〕、〔再精Master〕、〔索敵Lv12〕


固有スキル:〔専化影装〕


 ステータスポイントは、端数に割り振ると丁度切りの良い数字になるように割り振った。


 STRにプラス1で、39⇒40へ

 VITにプラス1で、39⇒40へ

 MIDにプラス1で、39⇒40へ

 DEXにプラス2で、48⇒50へ

 LUKにプラス1で、39⇒40へ


 それと、ネロも影魔法のレベルが上がり、新しい魔法を習得していた。


□  シャドースワンプ:使用者から半径20m以内の指定した影を(ぬま)に変える、設置系妨害魔法。沼の粘度(ねんど)と深度は、INT・DEX・LUK の値に依存し、効果時間は、INT・MID・LUK の値に依存する。

消費MP:10  リキャストタイム:15秒


 よし、最後はドロップアイテムの鑑定だ。

 結構な数があるが……まぁ、大丈夫だろう。


素材アイテム  活動的木人形の木片:アクティブパペットの木片。素材に使われている変わった樹木の能力を色濃く受け継いでおり、衝撃を与えることで表皮が硬質化する特性を持っている。主に、防具の材料として扱われる。


素材アイテム  活動的木人形の核片:アクティブパペットの核片。ガラス光沢のある黄色い結晶状をしており、道具の材料になる。


素材アイテム  自立歩行光茸の胞子:ライティングノココの胞子。魔力に反応して光を発する特性を持ち、魔力を急激に注ぐことで、一瞬だが閃光をも発することができる。主に、道具の材料になる。


食材アイテム  自立歩行光茸の傘:ライティングノココの傘。常に周囲の魔力に反応して、仄かな光を発している怪しい傘。しかし、その見た目とは裏腹に、滋養が豊富で大変美味であるため、結構な高値で取引されている。


素材アイテム  穴堀り虫の甲殻:ディガーインセクトの甲殻。軽く、硬いため防具の材料として使われる。黒曜石のような色合いなため、斥候や暗殺者等が好んで使うという。


素材アイテム  穴掘り虫の黒羽:ディガーインセクトの羽。薄黒い色をしており、粉砕して粉状にすることにより、薬や染料等の材料になる。


素材アイテム  穴掘り虫の毒針:ディガーインセクトの針。針自体に麻痺毒を含んでおり、取り扱いには注意が必要。武器の材料になる。


素材アイテム  粉砕狸の毛皮:スマッシュラクーンの毛皮。見た目は灰褐色で、触り心地はふわふわと良いが、若干獣臭い。多様な革製品や防寒具の材料として使われる。稀に、全身真っ白な白変種も存在する。


食材アイテム  粉砕狸の肉:スマッシュラクーンの肉。やや獣臭さが強い肉。料理するには、臭み消しが必須。


素材アイテム  粉砕狸の尻尾:スマッシュラクーンの尻尾。異様に膨れたふわもこの尻尾。女性に人気が高く、装飾品や帽子の材料に使われる。


素材アイテム  自立歩行輝茸の輝水:シャイニングノポポの輝水。シャイニングノポポの魔力によって、空気中の水分が変質したもの。微かに浄化作用があり、(よこしま)なるものを退(しりぞ)ける力がある……かもしれない。


食材アイテム  自立歩行輝茸の麻呂眉(まろまゆ):シャイニングノポポの麻呂眉。フサフサとした菌糸が密に生えており、生命力が凝縮(ぎょうしゅく)した結果、このような形になったと言われている。(しょく)すことにより、一時的に体力が高まる働きがある……らしい。


素材アイテム  自立歩行輝茸の皇帝髭(カイゼルひげ):シャイニングノポポの皇帝髭。古来より育毛剤の材料として珍重(ちんちょう)され、高値で取引される物の1つ。又、(じか)に食すことで一時的に、髪を長くすることができ、ファッションアイテムの1つとしても、女性に人気がある。


素材アイテム  自立歩行輝茸の輝胞子:シャイニングノポポの輝胞子。魔力と反応することで、長時間に渡り光を発する性質を持つ胞子。魔力を急激に()つ、大量に注ぐことで、(まばゆ)い閃光を比較的長く発することができる。消耗品や薬の材料になる。


素材アイテム  巨大双頭百足の黒甲殻:ジャイアント・デュアルセンチピードの甲殻。(うるし)のような艶やかな黒色をしており、軽く硬く、更にある程度以上の大きさなため、全身鎧や盾等の防具の材料として重宝されている。


素材アイテム  巨大双頭百足の朱鋭爪:ジャイアント・デュアルセンチピードの爪。突起の先端が最も赤く、先端から徐々に色彩が薄くなり、見事なグラデーションを作り上げている。見た目も美しいことから、そのまま置物にされたり、武器や装飾の材料にも使われる。


素材アイテム  巨大双頭百足の毒大顎(どくおおあご):ジャイアント・デュアルセンチピードの毒大顎。2本1対の大牙で、触れた相手に毒を注入する構造をしている。主に、武器の材料になる。


素材アイテム  巨大双頭百足の麻痺大顎:ジャイアント・デュアルセンチピードの麻痺大顎。2本1対の大牙で、触れた相手に麻痺毒を注入する構造をしている。主に、武器の材料になる。


【部位破壊ボーナス】

食材アイテム  巨大双頭百足の充毒肉:ジャイアント・デュアルセンチピードの肉。細胞の隅々まで毒が染み渡っており、どのような処理を(ほどこ)しても、毒が抜けることがない。食べることで必ず毒に掛かるが……。


【部位破壊ボーナス】

食材アイテム  巨大双頭百足の充麻痺肉:ジャイアント・デュアルセンチピードの肉。細胞の隅々まで麻痺毒が染み渡っており、どのような処理を施しても、麻痺毒が抜けることがない。食べることで必ず麻痺に掛かるが……。


【部位破壊ボーナス】

食材アイテム  巨大双頭百足の瑩徹(えいてつ)肉:ジャイアント・デュアルセンチピードの肉。一切の毒物に犯されていない、透通るような美しさを持つ肉。まるで、水晶のように光を通すことから、別名:水晶肉(クリスタル・ミート)とも呼ばれている。

また、ディパート周辺で取れる最高級食材としても取り扱われており、非常に高い価格で取引されている。


消耗アイテム  力の欠片:ジャイアント・デュアルセンチピードの力の欠片が結晶化したもの。使用することで、ジャイアント・デュアルセンチピードの力の一部をランダムで入手することができる。


 強化素材は、アクティブパペットから、地錬石と鈍錬石が、

 ライティングノココから、光錬石と魔錬石が、

 ディガーインセクトから、地錬石と風錬石が、

 スマッシュラクーンから、水錬石と鈍錬石が、

 そして、シャイニングノポポとジャイアント・デュアルセンチピードからは鍛錬石が各2個ずつ出た。


 そうやってステータスポイントの割り振りやドロップアイテムの鑑定等をし終えて少しすると、カインさんから声が掛かった。


「おーい、リオン! すまんが、ちょっと来てくれるか?」


 そう言われ、カインさんの声のする方を向くと、カインさんの近くには何時の間にか、ルイリとリュクスも来ていた。


 あれ? なんでもう、全員集まっているんだ?

 さっきのって、休憩が終わって集合する合図じゃなかった……よな?

 まぁ、行けば分かるか。


「分かりました! 今、行きます!」


 そう思いつつ、俺はとりあえずカインさんに返事をして、皆が集まっている場所へと向かって行った。



 因みに、シエルとネロは他の人の邪魔にならない所で、遊び回っています。

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