表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Struggle Locus On-line  作者: 武陵桃源
第3章  魔法の性質と魔素溜まりの迷宮
69/123

Locus 61 

 体調不良というか、消化不良のため投稿が遅れました。

 少し短いですが、何卒ご勘弁を……。

 ルイリの案内に従いつつ、緩やかな蛇行を幾度かしていくと、ふいにルイリの足が止まった。

 

「ついたよ」


 そう言われ辺りを見回してみると、何の変哲(へんてつ)もない森林の風景の一角に、異様なものが1つあった。

 

 ソレは、茶色を基調として怪しく明滅を繰り返す緑の不規則な線が浮かび上がった、魔素(マナ)の渦だった。

 渦の中心は、そこだけぽっかりと穴が開いたように黒くなっており、向こう側を見通すことはできない。

 渦の形状は縦に細長い小判のような楕円(だえん)形で、大きさは地上2~30cmの所から、高さ1.5m幅50cm程となっている。


「ん? あれ?」


「どうしたの?」


「いや、カインさん達はダンジョンの入り口でモンスターの間引きをしているって聞いてたのに、いないからどうしたのかなって思ってさ」


「……ああ! ごめんごめん。ダンジョンの入り口っていうのは、外側じゃなくて内側でって意味だよ。私がカインさん達と別れて、リオンを迎えに行った時はまだ3段階目だったからね」


「なるほど! そういうことか」


「うん。それじゃ、そろそろ中に入ろっか。準備は良い? 時間はまだあるけど、何があるか分からないし、入るなら早いに越したことはないからね」


「ああ、そうだな。大丈夫だ」


『だいじょ~ぶ~♪』


 シエルはわくわくした面持ちで両手を上げ、元気良く返事をする。


「キュゥウ!」


 ネロもシエルの真似をするように、両前足を上げ元気良く鳴き声を上げる。


 そうして俺達はルイリの後に付いて、ダンジョンの入り口である、魔素の渦の中に入っていった。


 そして、魔素の渦の中には入った次の瞬間、今までいた森林の風景からがらりと変わった場所に俺達はいた。


 そこは、板や石材等で補強されてない、土が()き出しの洞穴(ほらあな)だった。

 洞穴の所々には、何やら光を発している木の根のようなものが(いく)つかあり、ある程度周辺を見渡すことができる光量が保たれている。


 後ろを振り向けば、魔素の渦の形にそこだけ空間が切り取られたかのように、木々が()い茂る豊かな森林が映し出されていた。


「へー。こんな風になっているんだぁ。不思議な所だな」

 

『ふしぎ~』


「キュゥウ~」


「はは、まぁたしかにね。私達がここに来たばかりの時は、同じようなことを思ったものだよ。さっ、この少し奥にカインさん達がいるはずだよ。(はぐ)れることはないと思うけど、遅れずに付いて来てね」


「ああ、分かった。シエル、ネロ、行くぞー」


 俺はまだ周囲を見回していたシエルとネロに声を掛け、移動し始めることを確認してから、ルイリの姿を見失わないように、後を追って行った。


 そうやって少し歩いていくと、ふいにルイリが(つぶや)くように声を()らした。


「……おかしい」


「ん? 何がおかしいんだ?」


「いや、その~最初に入った時は、こんなに歩かずに三叉路(さんさろ)になっていたはずなんだけど……気のせいかな?」


 そうルイリは言いながら首を傾げ、少し歩く速度を上げていく。

 俺達もそんなルイリから離れないように速度を上げ付いていった。


 それから更に曲がりくねった一本道を歩いていくと、数m先に少し開けたような場所が見え、誰かが何かと戦っているような音が聞こえてきた。


「ッ! リオン、聞こえた?」


「ああ、この先で戦闘音がするな」


「うん。たぶんカインさん達が戦っているんだと思うから、近くまで行って様子を見てみようか」


「え? 戦いに参加しなくてもいいのか?」


「う~ん、そのあたりは戦闘の状況を見てみないと分からないかな。勝てそうなら手出しは必要無いと思うけど、苦戦しているならすぐに助けないとだから、状況を確認できる所までは、なるべく早く移動はするけどね」


「ん、分かった」

 

 そうして俺達は更に速度を上げ、素早く開けた場所の入り口に到着することができた。

 そこでは、カインさん達が多くのモンスターに取り囲まれて戦っている窮地(きゅうち)を見ることとなった。


 カインさん達は、土壁を背に戦っているようで、カインさんが前衛、もう1人がその後方から攻……いや、よく見てみればその茶色のうさ耳を生やした人は、土壁に背を預けて座っているだけのようだった。

 HPバーの横を見てみると、黄色の稲妻が縦に2本走っている……麻痺のアイコンが付いていた。


 麻痺を与えてくるモンスターがいるのかー……厄介(やっかい)だな。


 今はカインさんが奮戦しているけど、それも時間の問題だろう。

 できれば真っ先に倒したいところなんだけど、いったいどいつが麻痺を与えてくるんだろうか?


 そう考えつつ開けた場所にいるモンスターを順次見ていく。

 どうやら見た感じでは、モンスターは3種類いるようだ。


 カインさんに最も近く、また現在戦っているのが、ぼんやりとした光を常に傘から発しているノココだ。

 姿形はほぼノココと同じだが、目に生気(ハイライト)が無く、それなのに嬉々としてカインさんに襲い掛かる姿は、少し何ともいえない恐怖を感じる。


 そのノココ等のやや後方の上空には、5~6匹の妙にスマートな黒い蜂のようなモンスターが滞空している。

 黒い蜂のようなモンスターの全長(触覚・羽は含まない)は、80cm程で胸部から腹部にかけて拳2つ分位の長さの細長い(くだ)のようなものがあり、その管に近い腹の上部にのみ黄み掛かった橙色をしている。


 そしてそれらの後方に、(つたな)い動きでカタカタと音を立てながら徐々に距離を詰めていく、3体の顔の無いデッサンの時に用いる人形達。

 人形の全長はおよそ1.5m程で、色は最近見たことのある緑褐色をしている。


 これらの外見から推察するに、最も麻痺攻撃をしてきそうなのは、黒い蜂っぽいモンスターなんだけど……さて。


 そう思いながら、この後すぐに加勢がしやすいように、開けた場所全域を視界に入れつつ、識別を行った。


ライティングノココB:Lv10・属性:光・耐性:光・弱点:斬・影


ライティングノココD・E:Lv11・属性:光・耐性:光・弱点:斬・影


ディガーインセクトA・B・E:Lv10・属性:-・耐性:麻痺・弱点:火・打


ディガーインセクトC・D・F:Lv11・属性:-・耐性:麻痺・弱点:火・打


アクティブパペットA・B:Lv12・属性:木・耐性:水・地・弱点:火・魔法


アクティブパペットC:Lv13・属性:木・耐性:水・地・弱点:火・魔法


カイン:山人族(ドワーフ):Lv13・属性:-・耐性:火・弱点:-


リュクス:兎人族(ラビットマン):Lv11・属性:-・耐性:-・弱点:-


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ