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Struggle Locus On-line  作者: 武陵桃源
第2章  Fランククエストと隠されし店
52/123

Locus 46 

 あのボラシティプラントの一戦の後、俺達はリミットブレイクを試せるようなモンスターを探し、西の森を彷徨(さまよ)い歩きながら奥へ奥へと進んでいった。

 

 しかし、あれ以来ボラシティプラントより強いモンスターとは出会っておらず、又ボラシティプラントさえも見つけることができずにいた。

 

 もしかしたらボラシティプラントは、東の森のソル・ウィスプ(シエル)と同じような微レアモンスター(レアモンスターではないが、絶対的な個体数が極端に少ないモンスター)なのかもしれない。

 

 そういうことであれば、こんなに探しても1体も見当たらないということにも、納得がいくというものだ。


 そうして見つけたモンスターを片っ端から全て倒し、西の森のセーフティエリアに着いた頃には、ネロのLvが7にまで上昇していた。


 俺は小休止にはちょうど良いと思い、セーフティエリアに入って行き、ネロのステータスの割り振りやドロップアイテムの鑑定等をした。


 今のネロのステータスはこんな感じだ。


name:ネロ

sex:?

race:シャドービーストLv7

HP:170  MP:270

STR:28⇒30

VIT:28⇒30

AGI:28⇒30

INT:29⇒30

MID:28⇒30

DEX:29⇒30

LUK:28⇒30

STP:12⇒0


種族スキル:〔影装変化〕、〔影記憶〕


スキル:〔影魔法Lv8〕、〔影抵抗Lv1〕、〔影耐性Lv5〕、〔潜影移動Lv7〕、〔宿紋化Lv0〕、〔潜伏Lv8〕


固有スキル:〔専化影装〕


 ステータスポイントは全体的に割り振り、全ステータスの値が30に(そろ)うように割り振った。


 STRにプラス2で、28⇒30へ

 VITにプラス2で、28⇒30へ

 AGIにプラス2で、28⇒30へ

 INTにプラス1で、29⇒30へ

 MIDにプラス2で、28⇒30へ

 DEXにプラス1で、29⇒30へ

 LUKにプラス2で、28⇒30へ


 それと、影魔法のLvが上がり、新しい魔法を習得していた。


□ メンタルブースター・シャドー:魔力密度を高め、魔法による攻撃力を一時的に、上昇させる増幅魔法。

上昇するINTの値は、使用者の影魔法のSLvとINT・LUK の値に依存する。

消費MP:8  リキャストタイム:10秒


 次はドロップアイテムを鑑定してみた。


素材アイテム  大食植物の怪茎:ボラシティプラントの茎。柔軟性に富み、ある程度伸び縮みする性質を持つ奇怪な茎。特殊な加工を施すことで弓弦(ゆづる)の材料になる。


素材アイテム  大食植物の溶解液:ボラシティプラントの溶解液。脱色剤や薬の材料にもなり、そのまま投げ付けることで、対象にダメージを与えることもできる。

揮発性が高く、魔力と反応させることで強い毒性を帯びるので、取り扱いには注意が必要。


素材・食材アイテム  大食植物の果肉片:ボラシティプラントの頭部の欠片。えぐみと渋みが凝縮したような、凄まじい味のする果肉片。

薬の材料にもなるが、気付けや酔い覚ましの手段として食されるのが一般的。


素材アイテム  灯腹光虫の甲殻:ブライトネスビートルの甲殻。軽く丈夫で、金属光沢のある黄土色の甲殻は光の加減によって黄金色に見えるため、防具の材料の他に金運アップのお守りの材料にも使われている。


素材アイテム  灯腹光虫の透甲殻:ブライトネスビートルの腹部の甲殻。透明度が高く、軽くて丈夫なため様々な生活用品の材料として使われている。


素材アイテム  灯腹光虫の冷光液:ブライトネスビートルの冷光液。少ない魔力に反応して長時間光を発する特性から、燐光灯(りんこうとう)の材料に用いられている。

又、薬の材料にもなるが、扱いを間違えると爆発するため、注意が必要。


 強化素材は、ボラシティプラントから地錬石と水錬石が、ブライトネスビートルから光錬石と魔錬石がそれぞれ出た。


 それから、俺のスキルLvが上昇し、新たなアーツの習得と新しいスキルに派生進化できるものがあったので、説明を読み込み進化させた。


□ スラッシュアッパー:跳躍しながら勢い良く斬り上げる技。

跳躍可能距離は、使用者の運動能力とSTR・LUKの値に依存する。

消費MP:8  リキャストタイム:20秒


〔PS〕パッシブスキル:〔伝心Master〕 =進化⇒ 〔PS〕パッシブスキル:〔心話(しんわ)Lv0〕


〔PS〕パッシブスキル:〔心話Lv0〕

テイムモンスターと心で会話することが可能になり、SLv上昇と共に心で会話可能な範囲が広がる。

MAXSLV10


 それからボラシティプラントと戦った時の全力跳躍は、あの時のみのものではなく、今でも跳ぼうとすれば跳べるものだった。

 

 色々試している内に分かったことだが、どうやらSTRの値により最大跳躍距離が変化するようだ。

 バーサークを使ったら、常時の2倍近く跳ぶことができたので、恐らくは間違い無いだろう。

 

 それと、軽業のSLvが上昇すると共に、運動能力も上がるという効果も影響しているようで、バーサーク使用中の時なら木の枝から枝へと、まるで忍者のように軽々と跳び移ることができた。


 普段の戦いでは、跳ぶという行為は自ら隙を生み出すことになるので、緊急回避の時や挑発するような攻撃の時以外は、なるべくやらないようにしていたので、こんなに高く跳べるということを知らないでいた。


 こんなことなら、もっと早く確認しておけばよかったな。

 そうすれば、森での移動速度が全然違っていただろうし、木の上を移動すれば下にいるモンスターを急襲し放題だっただろうしな。


 まぁでも、この移動法に慣れるためには昼の方が良いだろうから、明日以降から練習しても遅くはないよな。


 さて、ステータスポイントの割り振りと、新しいアーツや魔法、スキルの確認もできたことだし、引き続きネロのレベル上げをしつつ、あのアーツを試せそうな強いモンスターを探しに行くとしよう。


 そうして俺は、シエルとネロを伴いセーフティエリアを出て行った。




 ◇◆◇◆◇




「これで止め!―――ダブルスラッシュ!」


「ニ゛ョコー!!」


 ノココは断末魔のような声を上げ、HPバーを砕け散らせながら光の粒子へと変わっていった。


 西の森のセーフティエリアを出ておよそ1時間、俺達はひたすらモンスターを狩り、西の森を練り歩いて強いモンスターを探した。


 だけど、いくら探しても見つかるモンスターは、ノココやブライトネスビートルばかりで、ボラシティプラントはおろか、レアモンスターにすら出会えずにいる。


 時計を確認してみれば、もうすぐ午後11時になるところだった。

 これはもう諦めて、ログアウトした方が良いのかもしれないな。


 そう思い、俺は先程のセーフティエリアに引き返すことを伝えるため、シエルとネロに話し掛けた。


「シエル、ネロ。今日はもう遅いし、そろそろ引き上げようと思うんだけど、いいか?」


『うん。いいよ~』


 シエルはふよふよとこちらへ近づいてくると、俺の意見に異存はないようで、賛成の声が俺の心に聞こえてくる。


「キュキュゥ? キュウ!」


 ネロも俺の影から出て来て、了承するように頷きながら鳴き声を上げると、俺の隣を歩き始めた。


 ネロのLvが7に上がってから、今のように森の中を移動する時は潜影移動を止め、普通に地面の上を歩くようになった。

 やっぱり、Lvが低い時は自身を晒すのは危ないと、直感で分かっていたのかもしれないな。


 そうして俺達が、先程休んだセーフティエリアに後少しで到着するというところまで行くと、ふいに背後から(かす)かな空気の流れを感じた気がして振り向こうとすると、俺の足元に居たネロを何かが捕らえ、空へと舞い上がった。


「は?」


『え?』


「キュキュ!? キュー! キュー! キューッ!!」


 ネロは慌てるように手足をわたわたとさせつつ、切羽詰(せっぱつま)ったような鳴き声を上げる。


「ネロ!? っく…………そうだ! ネロ、影記憶したものに影装変化しろ!」


 俺は徐々に離れていくネロに、この状況を切り抜けられるように大声で指示を出す。


「キュキュウ! キューーーウ!!」


 ネロは俺の指示に従うように鳴き声を上げると、ネロを包むようにして影が発生し、どんどん大きくなって繭のような形を生成していく。

 そして、その影の繭が直径1m程になると繭の外殻が弾け飛び、中から色の配色が違うボラシティプラントが姿を現した。

 影の繭から出てきたそのボラシティプラントは、全体的に黒く、棘々とした茂みと茎から頭部にかけてある血管のようなものが青色をしている。


「ホッ!?」


「キシャァァァアアアアア!!」

 

 ネロは雄叫びを上げながら、自身(ネロ)(さら)った不届き者に牙と数多の蔓状の根を向け攻撃を仕掛ける。


 しかし、ネロを攫ったやつも馬鹿ではないようで、ネロが影装変化するとすぐに足を離し、ネロの(あぎと)や根に捕らえられないように身を(ひるがえ)して、上空へと逃げる。


 ネロを攫ったやつが上空に逃げ去ると、逆にネロは支えを失い、地面に落下してきた。


「ッ!? ネロ、大丈夫か!」


『だいじょうぶ~?』


「シュァァァー!」


 ネロは返事をするように声を上げたが、正直良く分からない。

 なので、ネロのHPバーを確認した。

 ネロのHPバーにはバッドステータスアイコンが付いておらず、HPが僅かに減っている位で他は特に異常が見られなかった。

 

 ふぅ、良かった。

 いきなり攫われた時には、焦ったけど無事戻ってこれてほっとしたな。


 俺はネロが無事戻ってこれたことに安堵すると、この騒動(そうどう)の元凶であるやつを確認するため上空を見上げながら目を凝らしてみると、ネロを襲ったものの全体像を視認することができた。


 現在上空で滞空しながらこちらの出方を(うかが)っているのは、どうやら鳥のようだ。

 鳥の全長は目測で50cm強(飾り羽や尾羽は含まない)もあり、全体的に赤茶色をしていて、所々に黒褐色(こっかしょく)の斑点がある。

 頭部には、耳のような飾り羽があることから、恐らくミミズクのような(ふくろう)なのではないかと思われる。


 そして、俺はその鳥を視界に入れつつ、識別を使って見た。


ストライフオウル:Lv12・属性:風・耐性:風・弱点:突



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