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Struggle Locus On-line  作者: 武陵桃源
第2章  Fランククエストと隠されし店
47/123

Locus 42  

 俺は中央広場にフィリアを送っていった後、冒険者ギルドへと行きいらないドロップアイテムを売り払ってきた。

 

 所持金:26285R⇒52797R


 さて、それじゃ後回しにしていたネロのスキルと新しく取得した称号の説明を読み込んでいくとしよう。

 まずは、ネロのスキルだ。


種族スキル:〔影装変化〕

個別契約後、自身か宿主が倒したことのあるモンスターの影を使い、そのモンスターの姿に変化することができる。

変化中は、ステータス値の並びが自動で変化したモンスターのステータス値に近いものになる。

変化解除後、記憶されていない同じ種族のモンスターに変化したい場合、新たに同じ種族のモンスターを倒す必要があり、又モンスターを倒してから24時間経過すると、影を使用していなくともそのモンスターの影は使用済み扱いとなり消滅する。

但し、変化中であっても元のステータス値の総量は変わらず、また変化中のモンスターが使えるパッシブスキルの一部を変化中に使用することが可能。

消費MP:50  リキャストタイム:10分


種族スキル:〔影記憶〕

個別契約後、自身か宿主が倒したことのあるモンスターの影を記憶し保持し続けることができる。

最初の姿は、宿主が最初に倒したモンスターの姿を模倣し、固定化させたもの。

個別契約以後、この最初の姿の変更はできない。

又、最初の姿以外の影の記憶枠は2つあり、以後種族Lvが10の倍数になるごとに、空きの記憶枠が1つ増加する。

基本、影を記憶させると記憶の消去はできないが、影の記憶の上書きは可能。

消費MP:100  リキャストタイム:30分


〔AS〕アクティブスキル:〔影魔法Lv0〕

SLv上昇と共に影魔法の威力増加と、新たな影魔法を習得する。  MAXSLv50


□ シャドーエッジ:影を収束し、魔力で剣身の形に固めたものを指定した影から射出する魔法。

影魔法のLvが2の倍数になるたび、生成される剣身の数が1増加し、指定した影が膨張する。

生成上限は10本までで、若干の追尾性がある。

但し、生成される剣身の数が増えるたび、剣身1本分の与ダメージは減少する。

消費MP:3  リキャストタイム:5秒


〔PS〕パッシブスキル:〔影抵抗Lv1〕

(SLv)×2%の確率で、影属性の攻撃を無効化する。  MAXSLv30


〔PS〕パッシブスキル:〔潜影移動Lv0〕

影に(もぐ)り、影の中を移動することができる。  

SLv上昇と共に、潜行速度が上昇する。  MAXSLv10


固有スキル:〔専化影装〕

記憶し保持し続けている影から1つを選択し、その選択した影を使い影装変化するときの消費MPを1/5に抑え、この固有スキルで選択した影を使う時のみ、リキャストタイムを0にする。

消費MP:200  リキャストタイム:7日


 ネロの今の姿は、宿主が最初に倒したモンスターの姿を模倣して、固定化したものなのかぁ。

 そういえば、ネロの姿をちゃんと見てなかったな。

 この機会に一度きちんと見ておくことにするか。

 そう思い、俺は現在頭の上に乗っかっているネロを下ろし、()めつ(すが)めつしてネロの姿を観察して見る。

 

「キュ?」


 そんな俺に『なにやってるの?』と言わんばかりに、かわいく小首を(かし)げ様子を(うかが)っている。


 ネロの外見は完全に兎だ。

 角もなければ、肉球もない。

 ということは、最初に倒したモンスターは兎に近い姿である、モノコーンラビットになるはずだ。

 チュートリアルでは、最初に倒したのは確かにモノコーンラビットだったはずだが、その後の初戦闘はどうだったかな?

 …………うん、やっぱり一人でではなかったにしろ、最初に倒したモンスターはモノコーンラビットのような気がする。


 ネロは黒いフワモコの長すぎず、短すぎずの調度良い長さのつややかな毛並みで、両脇に2対4本の青い稲妻状の模様が付いている。

 額には上方が細長く下方が太く短い青い菱形の模様が付いていて、見ようによっては、この額の青い模様は角に見えないこともない。


 俺はそんなことを考えながらネロにお礼を言い、ネロを先程のまでの所……つまりは俺の頭の上に戻した。


「キュウ?」


 ネロはどうして俺にお礼を言われたのか分からないようだったが、すぐに興味を失ったかのように周囲をキョロキョロと見回して街を観察することに夢中になった。


 よし、今度は新たに取得した称号の説明を読み込んでいくとしよう。


〔称号:先駆けの宿主〕:最初に獣魔の宿主になった者の証。


効果:戦闘不能状態以外の時の宿紋待機中に、宿主のINTが上昇。(微)


〔称号:解放せし者〕:L・クエストをクリアした者の証。


効果:アーツ<リミットブレイク>が使用可能となる。


□ リミットブレイク:一時的に、限界を超えた力を発揮することができる特殊技。

このアーツを使用した時、瞬時にHPとMPが全回復し、最大3分間全ステータスが3倍になる。

リミットブレイクの効果は任意で止めることができ、その場合リミットブレイクの効果時間が残っていても、リキャストタイムが完了するまで再使用することはできない。

又、リミットブレイクの効果が切れた後、リミットブレイクを使った時間(秒)×60秒間、全ステータスが1/5になり最大HP・MPが半減する反動状態になる。

但し、反動状態でデスペナルティを受けると、全ステータスが1/10になるので注意が必要。

消費MP:0  リキャストタイム:10日


 ……これは……。

 なんというか、反動状態が酷過ぎて使うのが躊躇(ためら)われるというか、正直ちょっと怖い。

 さらに反動状態のまま死に戻りすると、全ステータスが1/5×1/2(半減)=1/10になるとか、酷過ぎる!

 まぁ、例え3分間という短い間でも、全ステータス3倍というのがどれだけ酷い(別の意味で)ものかはだいたい予想できるが、それでも両極端で酷いと思う。


 それに、リミットブレイクは最大3分間使えるということは、反動状態の最長時間は……。

 3分を秒に直して、60(秒)×3=180秒。

 180(秒)×60秒は180(秒)×1分に直せるから、合計180分。

 180分を時間に直すと、180(分)÷60=3時間という計算になる。


 この計算から考えて、今の自分と同じ位のレベル帯がいる場所を一人で、最悪3時間も反動状態のままで無事生き残れる可能性はほぼ無く、死に戻りしてデスペナルティを受けること必至だろう。


 なぜなら、反動状態でのステータスはこのようになるからだ。


 まず今現在の俺のステータスはこちら。


HP:236  MP:162

STR:73

VIT:32

AGI:73

INT:32

MID:32

DEX:77

LUK:41

 

 そして、反動状態も恐らくMPが0になった時に掛かる衰弱状態と同様に、端数切り下げの鬼畜仕様だと推測すると、こうなる。


HP:118  MP:81

STR:14

VIT:6

AGI:14

INT:6

MID:6

DEX:15

LUK:8


 これは俺の記憶違いでなければ、HP・MP以外のステータスは種族レベルが0の時と同じかその時よりも低い値となっている。

 こんなステータスで、レベルが9も……下手をしたら10以上も違う敵(モンスター等)がうようよしている所を、無事に抜けられるだろうか?

 ソロならほぼ間違いなくできないと言い切れる。


 だが、パーティなら話は別だ。

 パーティなら、死に戻る可能性は減る。

 しかし、それはパーティに迷惑を掛けるということでもある。

 他者とパーティを組めば、間違い無く足手まといになるが、個人でのパーティならどうだろうか?


 つまり、今の俺のような状態のことだ。

 俺……プレイヤーが1人に、テイムモンスター1体、獣魔1体の三人一組(スリーマンセル)(?)なら他者に掛かる迷惑のことを考えなくても良いと思う。

 まぁ、だからといってシエルやネロに頻繁(ひんぱん)に頼りっぱなしというのもいけないと思うけどな。

 

 それに、俺も男だ。

 リスクがあると分かっていても、どんな感じなのかできれば使って確かめてみたい!

 だから、今夜ネロのレベル上げも予て、リミットブレイクを試せそうな強いモンスターを探してみようと思う。

 もしも、リミットブレイクを試せそうな強いモンスターに出会わなくても、少なくともネロを強くすることができるので、骨折り損のくたびれ(もう)けということにはならないだろう。


 問題は何処に行くかだが……まず草原はネロにとっては良いかもしれないが、他のプレイヤーに獣魔であるネロを今見られるのは少しまずい。

 それにもう一つの目的である、リミットブレイクを試せそうな強いモンスターは、今の俺のレベルより高くなければいけないので、必然的に西の森か北の丘になるわけだが。

 北の丘の場合、その辺にいるモンスターにやられる可能性があるので、ここは素直に西の森に行くことにしよう。

 断じて、日和(ひよ)ったわけでない! ……ほ、本当だぞ?


 そうやってネロのスキルや新しく取得した称号の説明を読み込み、今夜の予定を立てていると、ふいに『ピロン♪』という音がしてインフォメーションが流れた。


『これまでの行動により、〔スキル:再精(さいせい)〕を習得しました』


 うん? サイセイ?

 聞き間違いだろうか?

 既に習得しているスキル名が聞こえた気がしたんだが……。

 というか、以前にも似たようなことがあったような?

 まぁ、見てみれば分かるか。


 そうして俺はメニューを開き、スキル欄を確認した。


〔PS〕パッシブスキル:〔再精Lv0〕

60秒ごとに最大MPの5%を回復する。

SLvが1上昇するごとに、回復時間を3秒短縮する。  MAXSLv10


 なるほど、再精か。

 つまるところ再生のMP版のスキルというわけだな。

 どうやら、セイ(生・精)が同音異義語であるため、再生と間違えたようだ。


 それにしても何故再精のスキルを習得するに至ったかだが……再生のスキルを習得した時と同じようなケースだと仮定すると、MPが0の状態からアイテムによる回復をしないまま、自然MP回復でMPを完全回復させるっということが、このスキルの習得条件だのではないだろうか。


 まぁ何にしても、有用であることには変わらないし、有効化して装備しておくことにしよう。

 外すスキルは……料理にしておこう。

 DEXが少し下がるが、固有スキルの軽業のおかげでそう遠くない内に、巻き返せると思うから大丈夫だろう。


 さて、それじゃ今夜の予定も立ったし、そろそろログアウトすることにしよう。

 

 そうして、俺は今夜の狩りを楽しみにしつつ、シエルを装飾化し、ネロを宿紋化して、ログアウトした。



 ~おまけ:現時点でリミットブレイクを使用している時のステータス~


HP:236  MP:162

STR:219

VIT:96

AGI:219

INT:96

MID:96

DEX:186

LUK:123


重ね掛け:+バーサーク


HP:236  MP:162

STR:292

VIT:48

AGI:219

INT:192

MID:48

DEX:186

LUK:123


重ね掛け:更に+ソードダンス


HP:236  MP:162

STR:292

VIT:48

AGI:292

INT:192

MID:48

DEX:186

LUK:123


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