Locus 38
マップ上の黄色い光点の灯る場所を目指し歩いて行くと、今まで周囲にあった木々が嘘の様に無い、開けた場所に出た。
そこは、この開けた場所を取り囲み守り隠す様にして、聳え立つ岩壁があり、その上からいくつもの水流が流れ込んでおり、小さな滝を形成している。
小さな滝を形成している水は、岩壁とこの開けた場所の間に溜まり流れ、この開けた場所をぐるりと囲む様な小川となって流れている。
小川の水は川底が水面からしっかりと見通せる位澄んでおり、所々陽光を反射しキラキラと輝いている。
さらに、この開けた場所には丈の低い色取り取りの草花が生い茂り、天然の緑の絨毯を形作っていた。
天然の緑の絨毯は目測で、半径10m以上はありそうだ。
そして、緑の絨毯の中心からやや奥まった所には、俺達の目的であろう活性樹と思しき木が生えていた。
「ふわぁ~。きれいな所ですねぇ~♪」
「ああ、ほんとうに、きれいな所だな。……でも」
そう、たしかにきれいな所ではあるのだが、何故こんなに広い場所である必要があるのだろうか。
まるで……ここで何かと戦うことを前提にしている様な、そんな広さである。
今回のクエスト発生条件や、材料集めが普通でなかったため、少々穿った考えを持ってしまうのは、仕方がないことではないだろうか。
俺は心中でそんなことを考えながら気配察知や発見のスキルを併用し、何かからの不意打ちにすぐ対応できるようにして、慎重にフィリア達と前方に見える木へと近づいて行った。
木の方へと近づいて行くと、木の全容が少しずつ分かるようになってきた。
木の全長は目測で3m強、幅50cm強といったところで、幹は根から1m程のところまでは真っ直ぐに伸びており、そこから枝葉が付いているところまでは、若干の丸みを帯びた形をしている。
さらに近づいて行くと、幹全体に斜めの溝が付いており、まるで何本もの蔓を捻り束ねるようにして幹を形成している。
幹の色は緑褐色をしており、所々に何かで斬り付けた跡の様なものが見えた。
恐らくあの傷跡は、ランドルさんが前に樹液を採取した時のものなのだろう。
さすがはリアリティーを売りにしているゲームといったところだろうか。
時々、こんなことまでするか?! と驚くことがあるから、次は何があるんだろうってわくわくして、楽しいんだよな。
本当にこのゲームに誘ってくれた妹には、感謝が尽きないよ。
そうして、ついに目的の木の側まで到着した俺達は、木の樹液をどちらが採取するかを話し、樹液を取るためには木の一部を切らなければならないことから、普段(あくまでゲーム内で)から刃物を使っている俺が、採取することになった。
俺はフィリア達に、もしかしたら採取中にモンスターが現れ、奇襲を仕掛けて来るかもしれないから注意して欲しいと頼み、意を決して樹液を採取するべくダガーを手に取り、幹へと『斬り付けた』。
ギュァァァアアアアアァァアアアアアーーー!!
瞬間―――耳を劈く様な凄まじい絶叫が辺り一面に響き渡った。
俺はすぐに耳を手で塞ぎ絶叫の発生源を調べるために、視線を動かそうとすると、突然俺の目の前が真っ赤に染まった。
俺は前にもこんなことがあったと思い出し、避けることはできなさそうだと悟り、即座に両腕を体の前に構えて防御姿勢を取った。
そして防御姿勢を取った瞬間、その上から何か巨大なもので打ち据えられ、後方へと吹き飛ばされた。
「ぐッ、がッ―――痛ッツ~」
俺は採取場所から2,3m程後方に吹き飛ばされ、背中から地面に着地した後、すぐに状況を確認するために痛みを堪えながらも素早く、起き上がった。
「ッ! リオンさん、大丈夫ですか?!」
「あ、ああ。大丈夫だ!」
俺はフィリアに無事を伝えつつ、自分のHPバーを確認した。
HPバーは今の攻撃で1割弱しか減っておらず、そのまま放っておいてもすぐに回復するだろうと判断し、何が攻撃してきたのか確認するため先程採取をしていた木の方に、視線を向けた。
するとそこには、足の部分が地に埋まっている歪で巨大な人の様な形をした木のモンスターが居た。
木のモンスターは、目測で全長3m強、幹の幅は1m程。
まだ地に埋まっている根の部分を入れれば、全長4mをも超えるだろうと思われる。
体表は緑褐色をしており、所々古傷のような傷跡が付いている。
本来人の頭の部分にあたる所には、青々とした枝葉を生やし、胸の中心部にある大きな洞の中には、目のように見える黄色い光球が1つ浮かび上がっているのが見える。
何が起きたのかやはり分からなかったが、とりあえず巨大な木のモンスターから離れるように後退しながら識別を行い、フィリア達と合流する。
アクティブプランツ:Lv10・属性:水・地・耐性:打・水・弱点:斬・火
「リオンさん! いったい何が起こったんですか?」
「俺にもさっぱり分からないが、アレの様子を見る限り、どうやら戦る気のようだし、応戦するしかないだろ。それに、今の状況から推測するに、樹液を採取しようとした木が無くなった代わりに、あの木のモンスターが現れて、猶且つあのモンスターの名前が活性植物なんていうんだから、たぶん活性樹がモンスター化したんじゃないかと思う」
「モンスター化!? いったいどうして……」
「さぁ? でも、樹液の採取ができていないところを見るに、アレを倒せばドロップするんじゃないかな? 発見のスキルは反応してないから、隠された採取ポイントが無いのも確認済みだしな。」
「分かりました。それでは、どうやって戦いましょうか?」
フィリアにそう聞かれた俺は、まだ明確な動きがないアクティブプランツの様子が気になりアクティブプランツの方を見た。
すると、まだ地に埋まった足(根?)の部分を引っこ抜いている最中だったので、この隙に素早く装備スキルを入れ替えつつ、フィリア達に作戦を指示する。
「俺が前衛で、アクティブプランツを攻撃して足止め役をするから、フィリアは回復をメインに、チャンスがあれば火魔法で攻撃してくれ。あいつの弱点属性に火があるからな。」
「はい! 分かりました」
「シエルは中衛兼遊撃だ。基本は上空からアクティブプランツに攻撃して、もしもアクティブプランツの注意が後衛に向いたら、できるだけ積極的にダメージを与えて、アクティブプランツの注意を逸らしてくれ。後はまぁ、臨機応変に戦ってくれればいいよ」
「・・・・・・」
シエルから『わかった。』という返事が伝わってくる。
そうこうしている内に、アクティブプランツの体勢が整ったようで、自分を傷付けた俺の方へ走り出して来ているのが見えた。
「それじゃ、行くぞ!」
俺はそう合図を出し、アクティブプランツをこれ以上フィリアに近付けさせないためにも、ノービスソードを抜剣してアクティブプランツへと駆け出して行く。
アクティブプランツの方へ駆け寄って行くと、アクティブプランツは右腕?を引き絞り、節くれ立った幹の拳で俺を打ち倒そうとしてくる。
迫って来るアクティブプランツの拳が視界に入ると、見切りのスキルによってアクティブプランツの攻撃予測線が視覚化される。
俺は即座に、攻撃予測線の範囲に入らないように一歩後方に下がり、アクティブプランツの腕が延び切るのと同時に駆け出し、すれ違い様にアクティブプランツの延び切った腕を斬り付け、そのまま後方に回り込んでアーツを使った。
「ダブルスラッシュ!」
「ギュァアアア!」
アクティブプランツの背後を×の字型に斬り付けると、アクティブプランツから悲鳴が上がる。
そして、さらに追撃を加えようとすると、今傷付けた箇所とその周囲が徐々に黒く変色していった。
「……なんだ?」
俺がそう呟きながらその変化に注視していると、アクティブプランツが振り向き様に腕を振るい攻撃してくるのが見えたので、急いで後退してこれを避ける。
「・・・・・・!」
シエルから『ライトアロー!』と唱えているのが伝わってくると、上空からアクティブプランツに7本もの光の矢が殺到していく。
「ギュガァアアア!」
俺はシエルのライトアローが着弾(着矢?)した所を観察してみると、そこも先程の俺の攻撃した後の所と同じように、徐々に黒く変色していく。
いったいアレは何なんだろうと考えつつ、俺はアクティブプランツのHPバーを確認すると、1割強程HPバーが減少していた。
まぁよく分からないことを考えていても仕方ないし、変色した部分を攻撃してみれば何か分かるかもしれないし、もう一度同じところを攻撃してみますかね。
俺はそう方針を決め、再びアクティブプランツに近寄って行くと、アクティブプランツが両腕を振るい迎撃をして来たが、見切りのスキルを使い上手く攻撃を掻い潜り、アクティブプランツの背後に再び回って先程攻撃して黒く変色したところを攻撃した。
「ダブルスラッシュ!」
ガキキィン!
しかし、アーツを使って攻撃したノービスソードは、黒く変色した所に当たると、まるで鉄板を叩いたような手応えと共に弾かれてしまう。
アクティブプランツのHPバーを確認してみると、先程見たHPバーの残量からまったく減少していなかった。
それならと、今度はアーツを使わずに斬り付け、突き刺し、殴り付けてみたが、黒く変色する部分が増えるばかりで、いっこうにダメージは与えられなかった。
これはまずい!
このままあの黒い変色した部分が増え続ければ、こちらからの物理ダメージはいっこうに通らず、アクティブプランツ側からのダメージのみ通るワンサイドゲームになってしまう。
ただ、シエルの攻撃を見るに、魔法であれば黒く変色した所であろうとも、少しはダメージが通っているようだが、すぐにジリ貧になるのは目に見えている。
いったいどうすれば……そう思い、この状況を打破できそうなアーツがあることを思い出し、そのアーツを使った。
「ウィークネスアイ」
するとウィークネスアイの効果により、俺の目にはアクティブプランツの弱点が赤く微発光し、視覚化される。
視覚化されたのは、アクティブプランツの体の中心付近にある大きな洞の中に浮かんでいる目のような黄色い光球と、黒く変色した体表だった。
どういうことだ?
目の様な部分は分かるが、斬・突・打の属性を持つ攻撃をしてもいっこうにダメージは無く、魔法による攻撃でかろうじて、ダメージが少し通る部分が何故、弱点なんだ?
そういえば、弱点属性が火になっていたよな、魔法ならあの黒く変色した所でもダメージは通ったんだから、弱点属性である火ならもしかして……。
そう考えているとふいに、俺の目の前が真っ赤に染まった。
「しまっ! ッぐ!」
俺は咄嗟に避けようとするが間に合わず、アクティブプランツにまた殴り飛ばされた。
「リオンさん!」
「っく油断した。こっちは大丈夫だ! それよりアクティブプランツの表皮が黒く変色した所を狙って、火魔法を使ってみてくれ!」
俺は素早くフィリアに無事を伝え、先程考えていたことを試すため指示を出す。
「え? あ、はい。分かりました!―――ファイアーボール!」
フィリアから発射された子供の頭程の火球が、アクティブプランツの右腕に着弾、炎上し黒く変色した体表を燃やす。
「ギュガァァァアアアアア!」
アクティブプランツは俺やシエルが攻撃した時に比べ、より痛そうな悲鳴を上げる。
アクティブプランツのHPバーを確認すると1割程減少しており、フィリアのファイアーボールで焼かれた黒く変色していた箇所を確認してみれば、元の緑褐色の体表に戻っていた。
やはり思った通りダメージを与えることができた。
しかも、体表が元に戻るというおまけ付きで!
恐らく、黒く変色した所が元の表皮に戻るトリガーが、火魔法による攻撃なのだろう。
俺はそこまで考えると、次に起こす行動を考え、フィリア達に指示を出す。
「フィリア、今から俺とシエルでアクティブプランツを攻撃して、アクティブプランツの全身を黒く変色させるから、その後火魔法で攻撃してくれ。できれば広範囲を攻撃できる火魔法がいいんだが」
「範囲魔法ですか? それならありますよ」
「ほんとか!」
「はい。ただ……発動言語を唱えてから魔法が発動するまで、若干のタイムラグがあるので、アクティブプランツの動きが止まっていないと、当てるのは難しいと思いますけど」
「タイムラグか……分かった。そっちはどうにかしてやってみるよ。それじゃ、行ってくる!」
俺はそう言うと、再びアクティブプランツに駆け寄って行った。
俺がアクティブプランツに近付くと、迎撃するように両腕を振り回して攻撃を仕掛けてくるが、その攻撃を見切りのスキルで避け、的確に切り裂きながら、シエルに指示を出す。
「シエル! アクティブプランツの黒く変色した所に火魔法を当てるとダメージを与えつつ、元の状態に戻ることが分かったから、フィリアの火の範囲魔法が当たりやすいように、全身を黒く変色させるように攻撃してくれ!」
「・・・・・・!」
シエルから『わかった!』という返事が伝わってくる。
そうして、俺は見切りのスキルを駆使して、アクティブプランツの攻撃を避け、流し、弾き、アクティブプランツの体勢が崩れた時や、攻撃動作後の隙を突き、次々と斬り付けていく。
シエルもライトアローで攻撃し、どんどんとアクティブプランツの体表を黒く変色させていく。
俺やシエルのダメージが蓄積され、アクティブプランツのHPが5割に差し掛かった時、ソレは起こった。
アクティブプランツが突然『グゥォォォオオオオオオ!』と叫び声を上げると、体を深く沈ませ、次の瞬間空高く、跳躍したのだ。
跳躍した高度は、シエルよりも高く、シエルを見下ろしながらシエルに手を向けると、アクティブプランツの手から水球が発射された。
「・・・・・・?!」
シエルから驚いている様子が伝わってきたが、すぐその場から離れ回避することができた。
アクティブプランツは跳躍の頂点に達すると、両手を組みつつ縦に1回転しながら落下し、地面に両腕を叩き付けた。
俺は見切りのスキルにより、アクティブプランツが跳躍した場所から離れていても何かくると感じ、後方にいるフィリアに『右に跳べ!』と言いながら、自分も全身を投げ出す様にして全力でその場から跳んだ。
その場から跳んだ次の瞬間、『ドゴッ!』という音と凄まじい縦揺れと共に、『ガガガガガガ!』と指向性の衝撃波が起こり先程まで俺とフィリアが居た直線状を通過していった。
幸い、フィリアは完全に避けきることができたようだが、俺はフィリアに注意喚起していたため、跳び出すタイミングが遅れ、ダメージを受けてしまっていた。
恐ろしいことに、直撃でなかったにも関わらず、俺のHPバーは5割を下回っていた。
もしも、バーサークを使っていたならば、死に戻っていた可能性があると思い、背筋が冷えた気がした。
「リオンさん、助かりました! 今、回復しますね」
「ああ、頼む!」
「・・・・・・!」
そうやって俺がフィリアに返事をしていると、シエルが『このー!―――レイビーム!』と唱えているのが伝わってくる。
すると、シエルの下にシエル自身より少し大きな光球が出現し、アクティブプランツに光球から光線を照射した。
「ギュァァァアアアアアー!」
アクティブプランツは、指向性の衝撃波を放った後の無防備な状態でシエルのレイビームを受けたせいか、大きな悲鳴を上げ、勢い良くシエルの方に向き直った。
アクティブプランツは、シエルを標的にしたようで、シエルを叩き落そうと両腕を振り上げ、時折跳躍しつつも攻撃するが、シエルは器用に空中を飛行して、その全てを避ける。
アクティブプランツは、シエルに攻撃が当たらないと分かると、少し動きを止めシエルに向かって腕を掲げた。
「グゥオォー!」
アクティブプランツが何かを叫ぶと、シエルに向かって勢い良く水流が発射された。
「・・・・・・?!」
シエルからまた驚きが伝わってくるが、さすがに2度目ということもあり、すぐに持ち直し回避行動を取る。
しかし、シエルのレイビームと同様に、薙ぎ払えるタイプの攻撃のようで、避け切れずにダメージを負ってしまう。
シエルのHPバーを見ると残り3割を切っている。
さらに、ダメージを負ったことでシエルの飛行高度が下がり、アクティブプランツの攻撃範囲内に入ってしまい、アクティブプランツは再びシエルに向かって腕を振り上げ、追撃を加えようとする。
「ッ! させるか!―――バーサーク!」
HPバーはまだ回復し切ってはいないが、再生もあるしと思い、アクティブプランツへと素早く近づいて行く。
俺は、歪だが人の形をしているなら効くだろうと思い、アクティブプランツの膝裏をアーツで強打した。
「パワースマッシュ!」
「ギュガッ?!―――グゥオオオー!」
アクティブプランツは膝裏を強打され、意図せず膝を折り、バランスを崩すとそのまま地面に転倒した。
膝カックンの要領での攻撃だが、どうやらうまくいったようだ。
アクティブプランツはその巨体のためか、すぐには起き上がれないようなので、この隙に畳み掛けるため、即座にフィリアに合図を出す。
「フィリア! 今だ!」
「はい! リオンさん、シエルちゃん離れていて下さい! いきます。―――ファイアーピラー!」
フィリアがそう唱えると、アクティブプランツの前後の足元に小さな火球が現れ、互いに逆方向へと半円を描くように飛び、その小さな火球が消えた瞬間、逆巻く大きな火柱が出現し、アクティブプランツを包み込み、これを焼く。
火柱の全長は5m強、直径3m強といったところだ。
「ギュゥオガァアアアアアーー!!」
アクティブプランツは凄まじい絶叫を上げ、半分近く残っていたHPをガリガリと減らしていく。
火柱が消えたころには、アクティブプランツのHPは残り1割を切っていた。
俺は止めを刺そうと近付くと、アクティブプランツは膝を曲げたまま上半身を起こそうとしているのが見えた。
この不自然な姿勢を見たとき、アクティブプランツが何をしようとしているのかが分かり、全力で駆け寄りつつ、今できる最大の中距離攻撃アーツを使った。
「ッ! 跳躍ばせるか!―――スパイラルシェイバー!」
「ギュァァァアアアアア!!」
全力で走りながら突き出したノービスソードから発射された急速旋回する赤いエネルギーは、狙い違わずアクティブプランツに命中して、HPを削り飛ばし、盛大な断末魔を上げながらその身を光りの粒子へと変えていった。
「はぁ~。ギリギリ間に合ったぁ」
「リオンさん、シエルちゃん、お疲れ様でした」
「・・・・・・~」
シエルから『おつかれさま~』と言っているのが伝わってくる。
「ああ、フィリアもシエルもお疲れ様。最後はちょっと危なかったけどな」
「そうなんですか?」
「ああ、最後また跳躍ぼうとしていたんだよ。たぶん、また指向性の衝撃波を撃とうとしたんじゃないかな?」
「な、なるほど。たしかにそれは、危なかったですね。でも、誰も死に戻りせずに倒せたんですから、よかったです♪」
「だな。それで、どうする?HPもMPもこのまま帰るとなると心もとないし、ここで少し休んでいくか?」
「えっと、モンスターとかは大丈夫なんですか?」
「今のところ、モンスターの気配はないな」
「それじゃ、少し休憩してから街に戻りましょう。それにここ、とってもきれいですからちょっと見て回りたいですし」
「そうだな。俺も少し休憩がてら見て回ろうかな」
「・・・・・・~♪」
シエルから『さんせ~♪』とここで休憩することに賛同する返事が伝わってきた。
こうして、俺達はこのままここで休憩することになった。
ここまでお読み頂き、そして評価して下さり、ありがとうございます。
今回は、ひどい難産でした。
ええ、逆子なぞどれ程のものかと、赤子(この話)がお腹(頭)の中でトリプルアクセルを決めながらの出産(投稿)になりました。
注:《逆子は縦に半回転のみ》
おかしいなぁ?胎教(プロット作り)はしっかりしたはずなんですけど。
もう、普通に樹液採取して街へ帰らせようかと何度も思いましたが、そんなつまらない話は、可燃ごみの日に捨て去り、こうして投稿までなんとか漕ぎ着けました。
少々読みづらいかもしれませんが、生暖かい目でご覧下さい。




