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Struggle Locus On-line  作者: 武陵桃源
第5章
115/123

Locus 103

お読み頂き、そして評価して下さり、ありがとうございます。

いつの間にやら、ユニークアクセス数が150万を突破していました!

本当に、ありがとうございます!


10/3(火) 加筆修正

 ―――1週間後


 俺は料理ギルドのランクをCまで上げることを主軸(しゅじく)に、地下墓地で入手した称号と同系統の称号の入手と、無属性汎用魔法を用いての新たな魔法の習得、ライフスピリッツの持つ『うつろい易い性質』の検証を行った。


 料理ギルドのランクは、結論から言えば、努力空(どりょくむな)しく、Dまでしかいかなかった。

 Cランクになれば、預けたギルド支部でしか引き出しはできないが、死に戻りの時に発生するデスドロップで、所持金の半分を失うリスクを回避できるからとガンバッたが、どうやらまだ足りないらしい。

 

 このままディパートに留まり、ランクを上げることに従事しても良いが、そろそろ種族レベルも上がり辛くなってきたし、何よりこのままだと、ズルズルと生産活動を中心とするプレイに変わっていくことにもなり兼ねないと思い、考え方を変えた。


 要は、死に戻りする時に発生するデスドロップで、所持金の半分を失わないようにすれば良いのだ。


 着目するところは、デスドロップ時に所持金は半分失うが、見えない肩掛け(かばん)等のアイテムを持ち運ぶための道具や、虚空庫等のスキルによってアイテムを持ち運べるトンデモ技能のインベントリからは、2~3個のアイテムをランダムで失うという点だ。


 運が悪ければ、装備アイテムをも失うことがあるようだが、ほとんどの場合は、ソレ以外のアイテムが失われる……はず。


 もっとも、アイテムボックスに入れたアイテムは、盗まれたりもデスドロップしたりもしないらしいが、最初のスキル選択時に取得しなかったスキルなので、今は横に置いておく。


 それで何が言いたいかというと、ゲーム内通貨というアイテムを一定額ごとに、そのインベントリに入れれば、最悪でも失われる金額が、インベントリに入れなかった所持金の半分と、インベントリに入れた金額のごく一部になるのではないか? っということだ。

 このゲームは自由度を売りにしたゲームであり、アイテムを収納するという効果があるのなら、余程特殊なアイテムでない限り、できる可能性は大いに有り得ると思い至った。


 そうして、俺は少し考えた後、ゲーム内通貨をスキルによってできたインベントリに入れることにした。

 理由は、虚空庫にある能力に『空間制御・○○回避』という、虚空庫以外のインベントリにアイテムが入っていれば、盗難や紛失を防ぐというものがあるからだ。

 この効果により、擬似的にアイテムボックスの能力と同じ効果を発揮し、虚空庫以外のインベントリにアイテムが入っている限り、虚空庫内のアイテムはデスドロップの対象にならないことになる。


 結果から言えば、インベントリの中にゲーム内通貨を入れることはできた。

 が、それまでが少し、大変だった。


 まず、普段お金を何処に持っているかが分からなかった。

 払いたい金額を念じれば、その額だけ実体化させることはできるが、財布(さいふ)に相当するアイテムを見たことがなかったのだ。

 所持アイテム欄を見ても、何処にもゲーム内通貨というアイテムは存在しないのだから、当然と言えば当然ではあった。


 だが、ここで諦めてしまえば、意味が無い。

 財布に相当するアイテムは見たことはないが、特定の金額を実体化させることはできる。

 なら、全ての金額を実体化させたいと思えば、所持金全額を実体化できるのでは?


 そう考え、俺はその考えを実行した。

 

 すると思った通り、何処からとも無くフッっと利き手に、ズシっとした重みと硬貨同士が立てる金属特有の音を出しながら、手の平より少し大きな革袋(かわぶくろ)が出現していた。


 中を確認すると、若干曇った銀色の硬貨が3枚。金色をした硬貨が72枚。白銀色をした硬貨が6枚。同じ銀色をしているが、大きさと描かれている数字が違う、大1枚、小4枚。銅色をした硬貨が2枚。そして、軽銀(アルミ)色をした硬貨が4枚入っていた。


 各硬貨を見てみれば、1やら5、500、100、10といった数字が描かれていたが、何回か使ったことのある硬貨以外は、どの位の金額に相当するのか分からなかったため、使ったことの無い硬貨を鑑定してみた。


通貨アイテム  100万R白金貨:超古代統一国家、大ロザリエス王国が生み出した、全国共通通貨。この1枚で、100万Rと同等の価値を有する。緻密(ちみつ)で強固な魔法が付与されており、知的生命体の思念により、何時でも何処でも、自由に両替ができる優れもので、耐久力が減少すると、周囲に存在する魔素(マナ)を自動吸収し、耐久力を回復させる。破壊することは可能だが、鋳造(ちゅうぞう)する等して別の物に変えようとすると、紛失するという特性を持つ。紛失した硬貨は2度同じ持ち主の下へは、戻らないと言われている。


 ……うん。

 色々と突っ込み所はあるが、要するに、昔使っていた貨幣(かへい)を現代までずっと使っているってことなのだろう。

 この1枚で100万Rと同等っていうことだけど、このままじゃ使い難いし、何より盗まれたり、落としたりした時の精神ダメージは絶大だ。

 なので、説明にあった知的生命体の思念で両替ができるというのを試してみることにした。


 その結果、以下のことが分かった。


 1(けた)数字の硬貨は、軽銀で出来ており、種類は大小2つ。

 1Rが小さく、直径1.5cm程で、5Rが大きく、直径1.8cm程。

 

 2桁数字の硬貨は、銅で出来ており、種類は大小2つ。

 10Rが小さく、直径1.8cm程で、50Rが大きく、直径2cm程。


 3桁数字の硬貨は、(はがね)で出来ており、種類は大小2つ。

 100Rが小さく、直径2cm程で、500Rが大きく、直径3cm程。


 1000Rの硬貨は、銀で出来ており、直径3cm程。

 10000Rの硬貨は、金で出来ており、直径3.5cm程。

 100万Rの硬貨は、白金で出来ており、直径5cm程。


 となっていた。


 因みに、一覧にするとこのようになる。


     1R:軽銀貨(小)

     5R:軽銀貨(大)

    10R:銅貨(小)

    50R:銅貨(大)

   100R:鋼貨(小)

   500R:鋼貨(大)

  1000R:銀貨

 10000R:金貨

  100万R:白金貨


 尚、現在所持している金額が100万代であるため、コレ以上上の硬貨については分からない。


 その後、俺は有り余っている虚空庫の4マスを使い、今ある所持金を10000R硬貨にし、370枚……計370万Rを収納・保管し、残りの26924Rを全所持金を実体化させた時に出現した革袋に入れ、しまうように念じて、しまった。


 これで恐らく、死に戻りするようなことになっても、デスドロップで虚空庫内のお金を失うことはなくなったはずだ。

 もっとも、見えない肩掛け鞄の中にアイテムが無い状態であれば、ランダムで2~3個。

 つまり、1度死に戻りするようなことになっても、最大で2~3万Rを失うだけで済むことに他ならない。

 現にステータス画面を見てみれば、所持金のところが26924Rとなっており、虚空庫内にしまった金額については、表示されていなかった。


 そう簡単に死ぬつもりは無いが、コレで安心して冒険することができるというものだ。


 次に、地下墓地で入手した称号…砕撃の頭壊者と同系統の称号の入手と無属性汎用魔法を用いて、新たな魔法を習得する(こころ)みだが、こちらも時間は掛かったものの、入手と習得を無事するに至った。


 砕撃の頭壊者と同系統の称号は、あの時考えていた通り、1撃で首を切断したり、心臓や(コア)を貫通させたりすることで入手することができた。


〔称号:斬撃の首刈者〕:一撃の下、多くの敵対者の首を斬り断った者の証。


効果:部位・首に対し、斬属性での与ダメージ上昇(小)+確率で出血付与+低確率で即時部位破壊発生


但し、首部に部位破壊可能な部位が無い場合は、その限りではない。


〔称号:穿撃の心貫者〕:一撃の下、多くの敵対者の心臓または核を突き貫いた者の証。


効果:部位・心臓または核に対し、突属性での与ダメージ上昇(小)+確率で出血付与+確率でひるみ付与(微)+低確率で即死または即時部位破壊発生


但し、心臓部または核周辺に部位破壊可能な部位が無い場合は、その限りではない。


 また、これ等の称号を入手した時点で、更に新たな称号を入手した。


〔称号:暗技の練達者〕:称号【斬撃の首刈者】【砕撃の頭壊者】【穿撃の心貫者】を持ち、暗殺系技能に精通している者の証。


効果:アーツ<アサシネイトエッジ>を使用可能。


□  アサシネイトエッジ:対象の死角に瞬時に移動し、対象を斬り裂く、暗殺系技能奥伝の一つ。

基本威力と瞬時に移動できる最大距離は、STR・AGI・DEX・LUK の値に依存し、低確率で即死を付与する。

また、対象の弱点部位に当たった場合、与ダメージを倍化し、更に対象に知覚されていない場合、与ダメージを3倍にする。

但し、対象に死角が物理的に存在しない場合、このアーツは不発する。

消費MP:50  リキャストタイム:60分


 使い心地の方は既に何度か試したが、扱いはかなり難しいものだった。

 瞬時に移動するせいで、視界が一瞬で変わり、状況把握が困難であったため、攻撃するタイミングが分からず、最初の方はただ対象(モンスター)の死角に移動するだけで精一杯。

 それでも諦めず繰り返し使い、死角に移動した瞬間、気配感知で反応があった場所を斬り付けることで、どうにか攻撃を当てることができるようにはなった。


 さすがに斬り付ける場所までは特定できず、弱点部位に当てることはまだできていない。

 また、説明にあった対象に知覚されていない場合というのは、弱点部位に当たっていること前提らしく、対象に気付かれず攻撃できたとしても、ダメージ量は3倍化しなかった。


 しかし、瞬時に移動した瞬間、ハイドアタックを使用することで、弱点部位に当たらずとも、ダメージ量を3倍化することができた…………時もあった。

 まぁ、ハイドアタックも対象に見られては、効果を発揮しないから、仕方無いことではあるんだけどな。

 まだまだ十全に使いこなせていないアーツなので、これからも要練習あるのみってところだな。


 無属性汎用魔法を用いての新たな魔法習得の方は、どんな食器を生成してもATK1だったので、バーサーク+ソードダンスを重ね掛けし、更にフォーチュンブースター・ノートを使って全力投擲して、1撃でモンスターを(ほうむ)っていった結果、どうにか習得することができた。

 葬った数は数えていないが、1000や2000じゃ利かない数は倒したと思う。

 もしかしたら、5桁いっていたかもしれない。


□  ダンパードアームズ:本来の用途とは異なる使い方をされたため、全く別の魔法に昇華した、特殊魔法。

魔力を収束・物質化し、武器を生成・投射することができる。

生み出す武器は、使用者のイメージによって物質化することができるが、イメージが曖昧(あいまい)であると失敗することがある。

武器を生み出す時、魔法名の後、生み出す武器の名称を唱えると、失敗し辛くなる。

生み出した武器は、任意で投射・待機・消去することが可能だが、待機させたまま10秒が経過すると自然消滅する。

生み出される武器のATKの基本値は、MP量1で生成される武器のATKで、INT・MID・DEX・LUK の平均値に依存する。

生み出す武器の形状・大きさ・数により、消費MPが変動し、各武器生成に使用した消費MPが大きい程、ATKの値も大きくなる。

最大物質化時間は、消費されたMP量とINT・MID・DEX・LUK の値に依存する。

また、1度生成した武器は、個別の名称を与えることで登録することができ、魔法名の後に唱えることで、再度イメージすることなく、生成・投射することが可能。

登録枠は、種族レベルが10の倍数ごとに、1つ増加する。

基本、登録した武器の消去はできないが、新たな武器の上書き登録は可能。

但し、如何(いか)なる場合であっても、1度使用されると自動的に消滅するため、注意する必要がある。

消費MP:形状・大きさ・数により変動  リキャストタイム:1秒


 こちらも既に試してみた。

 その結果、新たに分かったことが出てきた。

 

 まず、説明にあるように生成・投射できるのは武器のみで、防具や盾等は生み出すことはできなかった。

 しかし、防具や盾に棘や刃を付けた物であれば、武器として認識され、ものによっては生成・投射することができたものもあった。


 次に、色については、武器をイメージした時の色に固定されており、生成した後で変更することはできなかった。

 

 また、銃も生み出すことはできなかった。

 銃の構造を詳しくイメージすることができれば、生成もできるかと思い、1時間位掛けて銃の構造を調べて覚えたが、生成はできず、できたものは精々、銃の外見をした鈍器位だった。

 外見だけとはいえ銃を生成することはできたのだから、この世界……SLOに銃器が存在しない訳ではなさそうだ。


 現に、地下書庫の下に居たバリアブルゴーレム・マッドネスの手には砲身のようなものが付いていたし、転移門なんていう超技術を有する先史文明があったのだから、銃器位あってもそうおかしいことではないはずだ。

 銃本来の機能を果たすことができないのは、恐らく何か別の要素が不足しているためだと思われる。

 もっとも、何が不足しているかまでは全く予想ができない状態なので、どうすることもできないけどな。 

 

 それと、武器を生成する場所は、俺の任意で決めることができたが、俺から離れすぎると生成できないようだった。

 距離にして大体10m前後だろうか?


 生成後、待機させると空中で静止する形になり、この時手に取って、投げることもできた。

 また、待機状態とは、空中で静止している時だけのようで、手に持った場合や地面等に置いた場合は、1度使用されるか、武器の形を維持できないような攻撃か衝撃を受けなければ、最大物質化時間が終了するまで、物質化したままだった。


 生成した武器は、現時点でのステータスでもかなり長く物質化させることができ、生成してから手に取り、1時間以上経っても自然消滅することはなかった。

 まぁそれでも、2時間は持たなかったけどな。


 最後に、生成する武器が剣系統であれば、俺の持つ剣術スキルの影響を受け、補正が入るようだ。

 大きさについては特に制限は無いみたいだが、剣術スキルは、形状が短剣、片刃剣、諸刃剣、のいずれかでないと、補正は掛からなかった。


 また、一応試しに2つの魔法を作り、登録した。

 1つは使い勝手優先で、5角形の頂点からナイフを僅かな時間差で時計回りになるよう、合計20本のナイフを高速投射する、ガトリングナイブズ。

 消費MPは20で、リキャストタイムは元々の汎用魔法から引き継いだのか、安定の1秒。


 もう1つは試験的に今作り出せる最強のもので、所謂(いわゆる)ロマン武器といったところだろうか。

 全長5m強、刃渡り4m強、(つば)は無く、柄尻(えじり)から柄頭(えがしら)までおよそ1m強、剣身は肉厚で、剣身の外側1/3程から30度角の刃先があり、先端には無骨で巨大な90度角に近い切っ先がある。

 形状で言えば、大剣に属するアウトレイジだろう。


 巨大過ぎるせいで、消費MPは450と莫大(ばくだい)だが、その分攻撃力も(すさ)まじく、酔いどれオーガがかわいそうになる位、攻撃力過多だった。

 登録名は、その巨大な見た目から巨人殺し(ティタヌンノット)と名付けた。

 リキャストタイムについては、やはり変わらず1秒という、異例の速さ。


 そして、この魔法を習得する過程で新たな称号も入手した。


〔称号:弱肉強食〕:レベル差が10以上下の敵対者を数多く倒した者の証。


効果:自身より種族レベルが低い相手に対して、与ダメージ上昇。1レベルに付き、10%上昇し、最大で100%まで上昇する。


〔称号:(そむ)きし者〕:パニッシュモンスターを10種類以上倒した者の証。


効果:パニッシュモンスターに対し、与ダメージ上昇(大)


 ライフスピリットの『うつろい易い性質』については、実験の結果、最初に考えた通り、このうつろい易い性質が保有できる効能は1つであると分かった。

 その実験の過程で、新たに4つのアイテムが出来上がった。


消耗アイテム  HPリキッド:振り撒くことでHPを回復する薬液。揮発性が非常に高く、足元に振り撒くことで瞬時に気化し、近くに居る者の生命力を回復することができる。また、経口摂取でも回復することはできるが、中確率で麻痺状態に掛かるので、注意が必要。


効果:HP150回復 (範囲:半径1m)


経口摂取時:HP180回復+中確率で麻痺付与

 

消耗アイテム  ファイアリキッド:空気に触れただけで、発火する液体。液体自体も非常に可燃性が高く、燃焼中のものに触れると、更に強く燃え上がる特性を持つため、管理には十分な注意が必要。


効果:HP10/秒のダメージ+低確率で火傷付与 (持続時間:10秒) 


燃焼中接触時:火属性効果上昇(小)+確率で火傷付与


消耗アイテム  オーバーライフリキッド:飲み干すことで生命力を回復する液体。生命力を非常に多く含んでおり、一時的にだが、限界を超えて生命力が回復する特性を持つ。但し、通常より余分な生命力は、時間経過と共に大気に溶けて消えていく。また、時間を置かず同じ液体を服用すると、余剰回復量分と同等のダメージを受け、長時間流血し続ける。


効果:HP300回復+余剰回復量限定HP化 (持続時間:100秒)


再服用時間:10分


再服用時間無視で経口摂取時:余剰回復量と同等のダメージ+長時間出血付与


消耗アイテム  超酔水(ちょうすいすい)(万倍希釈酒):生命力が極僅(ごくわず)かに溶け込んだ加水希釈酒。99.99%水だが、何故だか非常によく酔い易い特性を持つ液体と化している。場合により、掛かっただけで酔う可能性があるため、取り扱いには細心の注意が必要となる。


効果(経口摂取時):HP1回復+VIT100未満で、昏酔付与+確率で即死


VIT300未満で、泥酔付与  VIT500未満で、酩酊付与   VIT700未満で、ほろ酔い付与


効果(振り掛け時):VIT10未満で、昏酔付与+確率で即死


VIT30未満で、泥酔付与  VIT50未満で、酩酊付与  VIT70未満で、ほろ酔い付与  



 HPリキッドはともかく、固定ダメージアイテムであるファイアリキッドと、余剰回復量を限定的にHP化するオーバーライフリキッドは、市場に流すと色々な意味で危ない気がしたので、念のためアリルに相談したら、『何やってんのッ!?』と呆れ半分、驚き半分な声を上げた後、『自重って言葉知ってる?』っとお小言(こごと)をもらった。


 解せぬ。


 アリルが言うには、ファイアリキッドは、モンスターを倒し易くなる反面、まだいるかどうか分からないPK(プレイヤーキラー)をも強化・増長させることになり、オーバーライフリキッドは、その効果が効果なため、いくらブランドマークが押印されていようと、製作者を突き止めるために行動するプレイヤーが出る可能性があるので、まだ一般市場に売り出さない方が良いらしい。

 (ゆえ)に、しばらくはインベントリに死蔵するか、破棄(はき)することを勧められ、もしも売るなら信用できる人限定で売れとのことだった。

 値段の方は、アリルと相談し、ファイアリキッドは500Rに、オーバーライフリキッドは3000Rになった。


 オーバーライフリキッドの値段が高過ぎじゃないかと思ったが、アリルが言うには、限定的にHPの最大値を増やす効果があれば、戦闘の幅は増えるし、HPが多いってことは、その分大ダメージを受けても生き延びられるということと同義だから、敵の攻撃を一手に引き付け他の仲間を守るタンク役はもちろん、防御力やHPの少ない後衛や前衛アタッカー、斥候(せっこう)や遊撃等をする軽装備者なんかのプレイヤーも(こぞ)って欲しがるから、3000Rでも安い位だと豪語されてしまった。

 また、オーバーライフリキッドを保険に欲しいと言われ、アリル・リーゼリア・ナギ・ユンファに3本ずつ売った。

 もちろん、製作者バレ防止のため、ブランドマークを押印した上でだ。


 超酔水は、その効能から、ほぼお蔵入りが決定した。

 今のVITであれば、1度掛かっただけじゃ俺自身に効果は発揮されないが、2度3度と連続して使って、無事である保障はないので、使用を断念することにしたのだ。

 もしも使うなら、かなり大きな生物型のモンスターが口を開けた時に、ポーション瓶ごと投げ入れる位だろう。

 まぁ、ポーション瓶を噛まずに飲み込んだり、吐き出したりすれば、効果は無いだろうがな。

 だけど吐き出されなければ、水溶性の(ふた)にすることで、時間経過で効果を発揮する、擬似的時限式遅効性酔い水になるから、まったく使えないということでもない。

 候補としては、塩か砂糖、或いはゼラチン質の塊を使って蓋型に形成することだが、そちらはまだうまく出来上がっていないので、コレは今後の課題だな。

 

 また、エネルゲンマッシュルームについても幾つか分かったことがある。

 1つ目は、1度エネルゲンマッシュルームを混入したものに、再度別のエネルゲンマッシュルームを混ぜることはできないということ。

 錬成を使って混ぜようと思ったが、失敗して、混ぜる素であったアイテム諸共、消滅した。


 2つ目は、エネルゲンマッシュルームに錬成を使い、混入する時、エネルゲンマッシュルームの個数を増やすことで、混入した後の効能が上がることだ。

 エネルゲンマッシュルームの効果は、混入したものの効能を高める働きをするが、そのものの効果だけに限らず、味や匂い等にも影響するため、ライフジュース等の味や匂いのあるものに使うと、飲むに飲めず、場合によってはバッドステータスが発生することもあり、自然、エネルゲンマッシュルームを混入しても味や匂いが変わらない、不可思議な純水や、リキッド系アイテムの素になるライフスピリッツに使うことになった。


 上がる効果は、エネルゲンマッシュルーム2個で、エネルゲンマッシュルーム1個の時の1.5倍。

 エネルゲンマッシュルーム3個で、エネルゲンマッシュルーム1個の時の2倍までになった。

 エネルゲンマッシュルームを4個以上使っても、効果は3個までと一緒だったので、材料の無駄になると判断し、ソレ以降の実験は止めた。


 因みに、アリル達は既に獣魔を購入して、個別契約も済ませている。

 それぞれが契約した獣魔は以下の通り。


   アリル:イノセントチック(♂)…名前【マシロニクス】愛称:ましろん

    外見:真っ白な羽毛を持つ、全長30cm程のヒヨコ。


 リーゼリア:窮奇(きゅうき)(幼獣)(♀)…名前【カノネイア】愛称:カノン

    外見:翼の生えた仔虎(ことら)


    ナギ:ファイアスパロー(♂)…名前【大文字火吾郎】愛称:ひーちゃん

    外見:全長20cm程の火の(すずめ)


  ユンファ:獏奇(ばくき)(幼獣)(♀)…名前【プトレイシャ】愛称:ぷーちゃん

    外見:象の頭、熊の体、虎の手足、牛の尻尾を持つ、第4幻想獣。


 尚、各獣魔の名前は、最初は愛称の方を本名にするつもりだったようだが、既に使われていた名前だったため、せっかくなので正式名称は他の人に使われないようなものを付け、愛称で好きに呼ぶようにした結果らしい。


 そして、この1週間で他に変わったことがかなりある。


 1つ目は、材料集めのため酔いどれオーガを狩りまくった結果、突発イベントが発生し、推定酔いどれオーガの上位互換、酒豪オーガ(Lv30)と酔いどれオーガ×2(Lv25)と戦った。

 予期せず3対3の戦いになったが、酔いどれオーガの攻略方は既に熟知していたので、酔いどれオーガを優先して倒し、残った酒豪オーガを酔いどれオーガと同じようにして弱体化させた後、俺とシエルとネロで総攻撃を仕掛け、討伐した。


 酒豪オーガを倒すと、HPが全損しているのに光の粒子にはならず、倒れた姿勢のまま気絶し、いつも酔いどれオーガが居た洞窟から、4体の酔いどれオーガが姿を現し、3体掛かりで気絶している酒豪オーガを運び、残った1体の酔いどれオーガが小さな(ふた)付きの(つぼ)を渡してきたので、受け取った。


 壷を受け取ると、深々と頭を下げ、そそくさと洞窟の方へと逃げて行き、見えなくなったところで、称号を入手し、突発イベントが終了した。


〔称号:虎殺し〕:酔いどれオーガを数多く倒し、大量の酒を奪った者の証。


効果:アイテム【酒湧(さかわ)きの壷】を入手。


道具アイテム:壷  名称:酒湧きの壷  ランク:4  耐久値 500/500


消滅無効  自動修復  酒湧き  バインド属性


説明:魔力を消費することにより、アルコール度数1~100度までの酒を自由に生み出すことができる壷。

耐久値が減少すると、自動的に所有者の魔力を吸収し、耐久値を回復させる。

また、例え全壊することがあったとしても、このアイテムは消滅せず、最大耐久値の10倍の魔力を費やすことで、再使用が可能となる。

INTの値が高い程、美味い酒が生成でき、1度に生成できる酒の最大量は20ℓ。


おや? 壷の蓋に張り紙がしてある……『オねガイしまス! もゥ、コないデくだサイ!』


 因みに、虎とは、俗に酔っ払いのことを指す言葉である。


 よって、虎殺しとは、酔っ払い殺しと言い換えられ、酔っ払いを生ませないためには、酔わせる素である酒を断つことを意味し、酔っ払いから酒を奪うことにより、酔っ払うのを未然に防ぐという事であると思われる。


 それと、酒豪オーガから、白色の力の欠片を入手し、その力の欠片を使ったところ、固有スキル〔酩酊耐性〕を取得した。


〔PS〕パッシブスキル:〔酩酊耐性Lv1〕

状態異常:酩酊が付与される確率を(SLv×10%)減少させる。

また、状態異常:酩酊に掛かった場合、(SLv×10秒)効果時間を短縮する。  MAXSLv10


 また、突発イベントが発生する前に、固有スキル〔拒絶〕のリフューザルバリアと、固有スキル〔自爆〕のバーストブレイクの検証も済ませた。


 リフューザルバリアは最初、両の手の平を合わせた程度の範囲しか、防御できなかったが、シエルのレイビーム(薙ぎ払い撃ち)は耐えることができた。

 1週間前の打ち上げの時に聞いた情報の通り、防御系スキルやアーツは実際に強い攻撃を受けることによって、早く成長し、スキルのレベルは飛躍的に上がり、今では縦2m強、横3m弱の障壁を展開できるようになっている。


 バーストブレイクの方は、スキルレベルが0の時点で、俺を中心に半径3m程の爆発が起き、的である酔いどれオーガを爆発四散させた。

 的が居たおかげか、レベルは2つ上がったが、肝心の威力については、レベルが2つ下の酔いどれオーガを、1発でオーバーキルできるとしか分からなかった。

 レベルが2つ上昇したことにより、爆発の範囲が拡大したので、その範囲を調べるために、リキャストタイムが終了してから、再度バーストブレイクを使用した。

 結果は、半径7mに増加しており、コレにより、1レベルに付き半径の長さが2m伸びることが分かった。


 2つ目は、地下墓地で入手した称号…砕撃の頭壊者と同系統の称号を習得するため、モンスターの首を1撃で斬り断つということをしたら、シエルが酔いどれオーガと戦う際に、レイビームを使いながら真似し出し、その結果、新たな魔法を習得した。


□  ライトソード:本来の用途とは異なる使い方をされたため、全く別の魔法に昇華した、特殊魔法。

光を収束し、魔力で刃の形に固めたものを振るい、近接攻撃が可能となった。

刃の強度と持続時間はINT・MID・DEX・LUK の値に依存し、刃の威力はINT・DEX・LUK の値に依存する。

この魔法は任意のタイミングで消すことが可能。

消費MP:20  リキャストタイム:60秒


 見た目は、手首から先に柄の無い、光の剣身を生やしたような感じで、最近では、両手にライトソードを出現させ、上空からモンスターの背後へ奇襲を仕掛け、滅多斬りにするということをし始めている。

 役には立っているし、近接戦もできるようになり、戦いの幅も広がってはいるのだが、いったいシエルは何処に進もうとしているのか、少し不安に思う今日この頃だ。


 3つ目は、無属性汎用魔法を用いて、新しい魔法…ダンパードアームズを習得してから、そういえば、(さじ)を投げるという言葉があったことを思い出し、軽い気持ちで酔いどれオーガにぶつけまくったら、変な称号を入手した。


〔称号:匙を投げ捨てし者〕:1日に大量の匙を物理的に生物へ、投げ捨てた者の証。


効果:魔法<サモン・サレンディアスプーン>を使用可能。


□  サモン・サレンディアスプーン:1日に1度、諦観(ていかん)大匙(おおさじ)を召喚することができる、特殊召喚魔法。

諦観の大匙を投げ付け、対象に当てることで、対象を数秒間強制的に放心状態にさせることが可能。

但し、1度使用することでこの諦観の大匙は必ず消滅し、使用者が対象に投げた諦観の大匙を外した場合、使用者が数秒間放心状態になる。

放心状態の最大効果時間は、自他のMID・DEX・LUK の値に依存するが、最低でも1秒は放心状態となる。

消費MP:10  リキャストタイム:24時間


 投げないと効果は無く、外せば俺……というか投げた者が放心してしまう、ハイリスクハイリターンな効果だが、当たれば確実に相手に(すき)を作らせることになるので、絶対に当たる時を狙って使っていきたいと思う。


 4つ目は、人混みを避けるように、ディパート内での移動は、常に屋根の上を行くようになっていたら、2つの称号を入手した。


〔称号:我が道を行く者〕:先達が作った道から外れ、道無き道を()えて突き進んだ者の証。


効果:特殊系スキル・アーツ・魔法の習得や、特殊なスキルへの派生進化先出現条件が、緩和(かんわ)される。(微)


〔称号:大胆なる隠者〕:普通に行えば目立つ行動を取りながらも、数多の者から認識されなかった者の証。


効果:アーツ<インビジブルハーミット>を使用可能。


□  インビジブルハーミット:存在感を消し、他者からの統覚と連合を偽り、認識を阻害する高等技法。

アーツの精度は、AGI・DEX・LUK の値に依存し、アーツの効果時間は、INT・MID・DEX・LUK の値に依存する。

アーツの精度が上がる程、周囲から認識され辛くなり、誰または何であるか特定され難くなる。

また、このアーツの効果は任意のタイミングで解除することが可能。

但し、他者の看破系スキルの精度より劣っていたり、他者から攻撃を受けた場合その限りではない。

消費MP:20  リキャストタイム:60秒


 5つ目は、調教スキルがMasterになった時に、新しい称号を入手した。


〔称号:調教の(たまもの)〕:何時如何(いついか)なる時も共に、訓練に(はげ)んだ者達の証。


効果:この称号を入手した時点で、所有しているテイムモンスター全てに、スキル<訓練の賜>を付与する。


〔PS〕パッシブスキル:〔訓練の賜〕

このスキルを有効化したテイムモンスターのHPとMPを除いた全てのステータスを永続的に上昇させる。

上昇させるステータスの値は、スキル【調教】によって上昇する全ステータスに+50を、有効化した【訓練の賜】の数で割った値(端数切捨て)分だけ、永続的に上昇させる。

但し、このスキルを1度でも有効化させた個体は、スキル【調教】の効果を永続的に無効にするため、有効化には十分な注意が必要となる。

尚、1つでも【訓練の賜】を有効化してから1時間が経過すると、有効化しなかった個体に付与された、【訓練の賜】は自動的に消滅する。

例:有効化したテイムモンスター数が2体の場合、全ステータス上昇+25

有効化したテイムモンスターの数が3体の場合、全ステータス上昇+16


 入手した条件はよく分からないが、可能性を上げるならば、【調教】を1度も装備スキル枠から外さず、テイムモンスターが1度も死ななかったことの2点だと思われる。

 他のプレイヤーからの注目を集めないためや、ログアウト前に装飾化させていたから、テイムしてからずっと出しっぱなしでいるという条件は、臨めないだろうしな。


 それと、俺のテイムモンスターは現在シエルしかおらず、【調教】を装備していなくても良くなるので、毎度お馴染(なじ)みの確認ウィンドウを経て、シエルの【訓練の賜】を有効化した。


 6つ目は、【無属性魔法】【気配感知】【料理】【錬成】【狂化】のレベルが上がり、新たな魔法やアーツを習得し、また派生進化できるものは進化させた。


□  スタンボルト:魔力を純粋なエネルギーに変換し、使用者を中心に半径20m以内の任意の場所で、対象の頭上から落とす、行動妨害魔法。

この魔法が当たった瞬間、高確率で対象をひるませ、短い時間動きを止める。

威力は、INT・MID・LUK の値に依存し、ひるみによる行動妨害時間は、INT・DEX・LUK の値に依存する。

但し、行動妨害の成否に関わらず、対象からの敵愾心(てきがいしん)を稼ぎ易くなるので、使用には十分な注意が必要になる。

消費MP:20  リキャストタイム:10分


〔AS〕アクティブスキル:〔気配感知Master〕=進化⇒〔AS〕アクティブスキル:〔気配偵知(けはいていち)Lv0〕


〔AS〕アクティブスキル:〔気配偵知Lv0〕

SLv上昇と共に更に精度が増し、偵知範囲が広がり、偵知した気配の強さをある程度分かるようになる。

偵知範囲は、自分を中心に半径300+(2×SLv)m  MAXSLv100


□  クッキングセンス・ディセクト:解体可能な食材アイテムに対し、解体の仕方が分かるようになる。

食材の解体場所の数は、料理系スキルのLvとDEX・LUK の値に依存し、食材解体の成功率は、AGI・DEX・LUK の値に依存する。

消費MP:15  リキャストタイム:3分


〔AS〕アクティブスキル:〔料理Master〕=進化⇒〔AS〕アクティブスキル:〔煮炊きLv0〕


〔AS〕アクティブスキル:〔煮炊きLv0〕

50+(SLv)分DEXにプラス補正。

料理成功確率が上昇。

煮物料理・炊き出し料理の成功率が上昇。

食材アイテム等を用いて、食品アイテム等を作成することができる。  MAXSLv50


□  クッキングアイ・サーモ:料理中に、料理の温度変化を視覚化することができる。

持続時間は、INT・DEX・LUK の値に依存する。

消費MP:20  リキャストタイム:60秒


□  分解錬成:MPを消費して1つのアイテムを分解し、2つ以上のアイテムに分けることができる。

分解されたアイテムの種類数は、INT・DEX・LUK の値に依存する。

但し、分解錬成に失敗すると、使用したアイテムは失われる。

消費MP:使用したアイテムのランクにより変動  リキャストタイム:10秒


〔錬成Master〕▽

〔AS〕アクティブスキル:〔錬成術Lv0〕

様々な物を掛け合わせ、更に(すぐ)れた物を生み出す技術。

SLv上昇と共に、新たなアーツを習得する。

但し、錬成に失敗すると、使用したアイテムは失われるか、別の何かに変化する。  MAXSLv50


NEW

〔AS〕アクティブスキル:〔錬金Lv0〕

鉱物同士を掛け合わせ、より優れた鉱物を生み出すことに特化した錬成技能。

SLv上昇と共に、新たなアーツを習得する。

但し、錬金に失敗すると、使用したアイテムは失われるか、別の何かに変化する。  MAXSLv50


NEW

〔AS〕アクティブスキル:〔錬丹Lv0〕

薬物同士を掛け合わせ、より優れた薬物を生み出すことに特化した錬成技能。

SLv上昇と共に、新たなアーツを習得する。

但し、錬丹に失敗すると、使用したアイテムは失われるか、別の何かに変化する。  MAXSLv50


NEW

〔AS〕アクティブスキル:〔錬樹Lv0〕

木材同士を掛け合わせ、より優れた木材を生み出すことに特化した錬成技能。

SLv上昇と共に、新たなアーツを習得する。

但し、錬樹に失敗すると、使用したアイテムは失われるか、別の何かに変化する。  MAXSLv50


NEW

〔AS〕アクティブスキル:〔錬換Lv0〕

様々な物を掛け合わせ、全く別の物を生み出すことに特化した錬成技能。

SLv上昇と共に、新たなアーツを習得する。

但し、錬換に失敗すると、使用したアイテムは失われる。  MAXSLv50


 かなり迷ったが、何ができるか分からないという誘惑に負け、派生進化先を決定した。


〔AS〕アクティブスキル:〔錬成Master〕=進化⇒〔AS〕アクティブスキル:〔錬換Lv0〕


〔AS〕アクティブスキル:〔錬換Lv0〕

様々なアイテムを掛け合わせ、全く別のアイテムを生み出すことに特化した錬成技能。

SLv上昇と共に、新たなアーツを習得する。

LUKの値が高い程、生み出されるアイテムの希少性が増し、稀に掛け合わせた材料よりレア度が高いアイテムが生み出される。

但し、錬換に失敗すると、使用したアイテムは失われる。  MAXSLv50


□  錬換:2つ以上のアイテムを掛け合わせ、全く別のアイテムに変換することができる。

最初から掛け合わせることのできるアイテム数は、3個。

SLvが10の倍数になるごとに、掛け合わせることのできる材料の数が1つ増加する。

錬換の成功率は、SLvとDEX・LUK の値に依存し、LUK の値が高い程、生み出されるアイテムの希少性が増し、稀に掛け合わせた材料よりレア度が高いアイテムが生み出される。

但し、錬換に失敗すると、使用したアイテムは失われる。

消費MP:30  リキャストタイム:60秒


 一応少しいらないアイテムを使って、試してみると、ある法則性のようなものが分かった。

 それは、材料に選んだアイテムと錬換した後のアイテムの種類が全く異なるということだ。


 例えば、錬換に使う材料を全て同じ種類……石系なら、小石・石・小岩・岩等。木系なら、小枝・細枝・枝木・材木等。にすると、錬換後にできるアイテムは、それ等とは違う種類のアイテムができあがる。

 コレは、錬換に使う材料を全て別の種類にしても当て嵌まる。

 まだ試したのは数回だが、木系+石系+草系で錬換すると、(きのこ)や木の実、鉱石や宝石に変わった。

 また、非生物系(石系・鉱石系・宝石系・調味料系等)を材料に錬換すると、必ず生物系(草系・木系・木の実系・茸系等)に変わり、逆にすると、結果もまた逆になった。

 

〔AS〕アクティブスキル:〔狂化Master〕=進化⇒〔AS〕アクティブスキル:〔狂暴化Lv0〕


〔AS〕アクティブスキル:〔狂暴化Lv0〕

アーツ<ライオットバーサーク>が使用可能。  MAXSLv50


□  ライオットバーサーク:このアーツ使用中は、STRとINTの値が3倍化し、VITとMIDの値を1/3倍にさせる。

アーツの持続時間はSLv上昇と共に延長する。

消費MP:20  リキャストタイム:3分


 尚、ライオットバーサーク中にバーサークを掛けた結果、重ね掛けすることはできず、ライオットバーサークは、バーサークに上書きされた。

 因みに、ライオットバーサークのオーラの色は緋色をしていた。


 7つ目は、ネロの影魔法のレベルが上がり、新たな魔法を習得。

 潜影移行のレベルも上がり、派生進化が可能になったので、影魔法の派生先をネロと相談の上決め、共に進化させた。

 また、種族レベルが30に達したことにより、新たなスキルを習得した。


□  シャドウジャベリン:影を収束させ、魔力で槍の形に固めたものを、自身の影から出現させ、対象に発射する攻性魔法。

出現する槍の大きさはINT・DEX・LUK の値に依存し、威力はINT・MID・LUKの値に依存する。

追尾性能は皆無だが、飛距離が他の魔法より長い。

消費MP:30  リキャストタイム:60秒


〔影魔法Master〕▽

〔AS〕アクティブスキル:〔影魔術Lv0〕

より巧みに影を操る魔術。

SLv上昇と共に、新たな魔術を習得する。  MAXSLv100


NEW

〔AS〕アクティブスキル:〔闇魔術Lv0〕

深き闇を操る魔術。

人造生物(キメラ)系や天使(エンジェル)系モンスターに対して、高い効果がある。

SLv上昇と共に、新たな魔術を習得する。  MAXSLv100


NEW

〔AS〕アクティブスキル:〔陰影魔術Lv0〕

光の当たらない、暗き影を操る魔術。

光量によって、行使する魔術の威力が変化する。

SLv上昇と共に、新たな魔術を習得する。  MAXSLv100


〔AS〕アクティブスキル:〔影魔法Master〕=進化⇒〔AS〕アクティブスキル:〔陰影魔術Lv0〕


〔AS〕アクティブスキル:〔陰影魔術Lv0〕

SLv上昇と共に、新たな魔術を習得する。  

また、光量によって、行使する魔術の威力が変化する。  MAXSLv100


昼(快晴)時の場合⇒魔術威力0.8倍

昼(晴天)時の場合⇒魔術威力0.9倍

昼(曇天(どんてん))時等の場合⇒魔術威力1.0倍

夜(晴天)・昼(雨天)・屋内:夜(照明有り)・屋内:昼(遮光)等の場合⇒魔術威力1.1倍

夜(新月)・吹雪・洞窟(照明有り)等の場合⇒魔術威力1.2倍

夜(曇天、雨天)・暗闇(照明無し)等の場合⇒魔術威力1.5倍


□  イロージョンシェイド:対象を陰影で包み込み、恐怖心を(あお)る、攻性魔術。

包み込んだ対象にMPダメージを与え、確率で恐怖を付与する。

威力はINT・MID・LUK の値に依存し、包み込む範囲はINT・DEX・LUK の値に依存する。

但し、対象の精神抵抗力が、使用者の魔術威力より高い場合、効果は減衰(げんすい)し、圧倒的に高い場合は、効果は無い。

消費MP:20  リキャストタイム:30秒


〔PS〕パッシブスキル:〔潜影移行Master〕=進化⇒〔PS〕パッシブスキル:〔潜影潜行Lv0〕



〔PS〕パッシブスキル:〔潜影潜行Lv0〕

潜影移行よりも影の中を隠れながら移動することに優れた、潜行技能。

SLv上昇と共に、潜影潜行による移動速度が上昇する。  MAXSLv50


〔PS〕パッシブスキル:〔夜目Lv0〕

SLv上昇と共に、夜間や暗いところがよく見えるようになる。

但し、光源が無い暗闇では何も見えない。  MAXSLv30


 8つ目は、シエルとネロが常日頃から使っていた、詠唱呪文を溜めて放つプレイヤースキルを、スキルにまで昇華したので、アリルに言われた通り、詠唱破棄の習得方法を教え、習得させた。


〔PS〕パッシブスキル:〔遅延Lv0〕

詠唱完了後、任意のタイミングで魔法を発動することができる、高等技法。

SLv上昇と共に、発動待機中の魔法を抑え易くなる。  MAXSLv100


〔PS〕パッシブスキル:〔詠唱破棄Lv0〕

詠唱せずに魔法を使えるようになる技法。

SLvが1上昇するごとに、魔法発動成功率が10%増加し、魔法威力が5%増加する。

但し、最大増加魔法発動成功率と最大増加魔法威力は50%まで。  MAXSLv10


 9つ目は、種族レベルが30になったことで、虚空庫の能力が新たに1つ開放された。


空間制御・紛失回避:虚空庫以外に持ち物(現在装備しているアイテム以外)がある時、虚空庫の中に有るアイテムは、デスドロップの対象にならない。

但し、虚空庫の中にのみアイテムが有る場合、その限りではない。


 10個目は、MPが320を超えていたので、クインティプルマジックより後のアーツの習得をした。


 MPが5のエネルギーボルトでは、MP消費と反復回数の効率が悪いと思い、消費MPが1の火属性汎用魔法を使って反復行動をしていった。

 

 因みに、何故火属性汎用魔法を使ったかというと、光属性汎用魔法【ライトアップ】では、俺も他の人も無駄に眩しいし、水属性汎用魔法【クリエイトウォーター】では、辺りを水浸しにして、泥濘(ぬかるみ)なんかを作ってしまい、何かしらの迷惑を掛けるかと思ったからだ。


 まぁ、火属性汎用魔法【イグナイトファイア】も複数を別々の場所に出現させると、ふとしたきっかけで、何かに引火することを考えて、同一の場所で、他に引火等し難くて、管理のし易い場所……つまり、自分の指先に火を灯し、万が一のために、すぐ横には水の入った鍋を用意して、回数をこなしていった。

 

 結果も良く、無事【セクスタプルマジック】【セプタプルマジック】【オクタプルマジック】を習得することができた。


□  セクスタプルマジック:同種の魔法を同時に6つ使用することができる、特殊技法。

6つの魔法が共鳴し合うことで相乗効果を引き起こし、各魔法の威力を3.5倍に引き上げる。

但し、このアーツを使った場合のみ、各魔法使用時に消費されるMPを0にする。

消費MP:各魔法の消費MP×64  リキャストタイム:5分


□  セプタプルマジック:同種の魔法を同時に7つ使用することができる、特殊技法。

7つの魔法が共鳴し合うことで相乗効果を引き起こし、各魔法の威力を4倍に引き上げる。

但し、このアーツを使った場合のみ、各魔法使用時に消費されるMPを0にする。

消費MP:各魔法の消費MP×128  リキャストタイム:8分


使用法:使用したい魔法の前に使うことで、効果を発揮する。


□  オクタプルマジック:同種の魔法を同時に8つ使用することができる、特殊技法。

8つの魔法が共鳴し合うことで相乗効果を引き起こし、各魔法の威力を4.5倍に引き上げる。

但し、このアーツを使った場合のみ、各魔法使用時に消費されるMPを0にする。

消費MP:各魔法の消費MP×256  リキャストタイム:10分


使用法:使用したい魔法の前に使うことで、効果を発揮する。


 尚、現在の最大MP量472だから、オクタプルマジックより後のアーツの推定MP量が足りない。

 なので、次にオクタプルマジックより後を習得するとしたら、最大MP量が512以上になってからだろうな。


 それと、【セプタプルマジック】習得過程で、新たな火属性汎用魔法も習得した。


□  バーナードファイア:本来の用途とは異なる使い方をされたため、全く別の魔法に昇華した、特殊魔法。

指定した物や空間から高温の火を噴出させ続けることができる。

この魔法の威力はINT・MID・LUK の値に依存し、形状の精度はINT・MID・DEX の値に依存する。

また、この魔法は任意のタイミングで消すことができ、形状もイメージ次第である程度変更が可能。

但し、魔法の発動場所を指定しない場合、利き手の人差し指の先に、魔法が発動する。

消費MP:1/秒  リキャストタイム:3秒


 最初は、現実にもあるガスバーナーのように、水を入れた容器を温めるのに使うのかと思い、水を入れた鍋をバーナードファイアにかけてみたら、1分足らずで、鍋の底が溶解し、鍋の底に穴が開いてしまった。

 これにより、かなり火力が高いことが分かり、物を温めるものではなく、何かを焼き切る時に使う魔法だと分かった。

 一応試験的に、バーサークなしの状態で、鉄製の短剣を焙っていくと、15秒程で焼き切ることができた。

 形状も説明にある通り、細長い針状から、フレイムタンのような蛇行状、鉛筆のような棒状と様々な形状に変化させることもできた。

 長さの方は、現在のステータスでは、最長で1m程、最短では3cm程の長さまで調節することができ、使い方次第では、鍵の掛かった物の鍵だけを焼き切ることもできるかもしれない。

 もっとも、そうそう使う機会はないとは思うけどね。


 その後は、また火属性汎用魔法を使うよりも、別の消費MP1の汎用魔法を使った方が、もしかしたら【バーナードファイア】のように新たな魔法を習得するかと思い、光属性汎用魔法【ライトアップ】と水属性汎用魔法【クリエイトウォーター】を使って試行反復をしていった。

 もちろん、クリエイトウォーターは流し台や、水場で使い、不必要に泥濘地帯を作るなんてことはせずにだ。

 最初、光属性魔法【ライトアップ】は、火属性魔法の時と同様に、同一箇所に出現させていたが、何回かは少しずれた状態となり、遊び感覚でずれた光球だけ光量を増やし、他の光球の光量を最低にした状態で試行回数を増やしていったら、新たな魔法を習得するに至った。


□  エクリプスライト:本来の用途とは異なる使い方をされたため、全く別の魔法に昇華した、特殊魔法。

指定した物や空間に光球を貼り付け、特定の方向に強力な平行光線を投射することができる。

この魔法の持続時間はINT・MID・DEX・LUK の値に依存する。

また、この魔法の光量や射光範囲は使用者の任意で変更でき、消すことも可能。

但し、魔法の発動場所を指定しない場合、魔法は発動せず、魔力だけが消費される。

消費MP:10  リキャストタイム:3秒


 使ってみた感想としては、現実にあるサーチライトのようなもので、やはり使いどころが限られているような魔法だったが、射光範囲を変えることで、光球を動かすことはできないものの、投射する平行光線を動かすことはできたので、何事も使い方次第だということだろう。


 水属性汎用魔法【クリエイトウォーター】は火属性汎用魔法の時と同様に、同一箇所から水を出していたが、何の変化も起きなかった。

 何か足りないのかと思い、クリエイトウォーターを使いながらでもできそうなアーツ…【冷却】を使いながら、反復試行していくと、【オクタプルマジック】を習得すると同時に新たな魔法を習得した。


□  クリエイトアイス:本来の用途とは異なる使い方をされたため、全く別の魔法に昇華した、特殊魔法。

使用者の魔力を氷に変換することができる。

生み出される氷は、使用者のINTの値が高い程美味くなり、生み出される氷の最大量はINT・MID・LUK の値に依存し、氷の量は使用者の任意で止めることが可能。

また、氷の形状は、基本キューブ型で、大きさは2cm四方になるが、使用者のイメージにより、形状も大きさも変更可能。

消費MP:10  リキャストタイム:3秒


 これで、念願のアイスも作ることができそうなので、これからが結構楽しみだったりする。

 暑い日や、よく動いた後に冷たいアイスは必需品と言っても良い位だからな。


 それと念のため、他の汎用魔法の【アースミール】や【プロヴァイドエア】、【シャドーロッジ】も同様に、現在消費できる最大MP量を用いて、反復試行していった。

 その結果、【アースミール】や【シャドーロッジ】は、特殊魔法を習得することはできなかったが、【プロヴァイドエア】からは、新たな魔法を習得することができた。


□  ウィンディネスコート:本来の用途とは異なる使い方をされたため、全く別の魔法に昇華した、特殊魔法。

対象に風の断層を纏わせ、雨や雪、寒暖の差等を防ぐことができる。

風の断層の最大持続時間は、INT・MID・LUK の値に依存し、防ぐ精度は、INT・DEX・LUK の値に依存する。

但し、飛び道具や魔法等は防ぐことができず、また直径3cm以上の物質も防ぐことはできない。

消費MP:20  リキャストタイム:1秒


 一応使ってみたが、今現在の気候が穏やかなせいか、気持ち涼しくなったような気がするという、曖昧(あいまい)なものだった。

 説明を読む限りでは、雨天や降雪時、寒暖の差があるような場所では、絶大な効果を発揮するようなので、かなり有用な魔法であることは間違いないだろうから、その時が来たら積極的に使うことにしようかと思う。


 また【クリエイトアイス】習得後、ある程度以上の氷の塊であれば、【ダンパードアームズ】の時と同じことができると考え、真球(ボール)状や三角錐・四角錐・円錐状にした氷の塊をモンスターに投げ付けたり、氷の塊を剣…エキスパートソードの腹で殴り付けて飛ばし、モンスターを倒していった。

 その結果、予想通りに、新たな魔法を習得した。


□  ミスィルスアイス:本来の用途とは異なる使い方をされたため、全く別の魔法に昇華した、特殊魔法。

冷気を纏った魔力を収束・物質化し、様々な形状の氷塊を生成・投射することができる。

生み出す氷塊は、使用者のイメージによって成形・物質化することができるが、イメージが曖昧(あいまい)であると失敗することがある。

氷塊を生み出す時、魔法名の後、生み出す形状の名称を唱えると、失敗し辛くなる。

生み出した氷塊は、任意で投射・待機・消去することが可能だが、待機させたまま10秒が経過すると自然消滅する。

生み出される氷塊の威力の基本値は、MP量10で生成される氷塊の威力で、INT・MID・DEX・LUK の平均値に依存する。

生み出す氷塊の形状・大きさ・数により、消費MPが変動し、各氷塊生成に使用した消費MPが大きい程、氷塊投射時による威力も大きくなる。

最大物質化時間は、消費されたMP量とINT・MID・DEX・LUK の値に依存する。

また、1度生成した氷塊は、個別の名称を与えることで登録することができ、魔法名の後に唱えることで、再度イメージすることなく、生成・投射することが可能。

登録枠は、種族レベルが10の倍数ごとに、1つ増加する。

基本、登録した氷塊の形状の消去はできないが、新たな氷塊の形状の上書き登録は可能。

但し、基本消費MPは10で、数や大きさ、複雑な形状である場合は、更に消費MPが増加する。

消費MP:基本10  数や大きさ、複雑な形状である場合、更に消費MP増加  リキャストタイム:3秒


 これも既に試してみた。

 結果から言えば、ダンパードアームズに比べると、消費MP量が多く、少々使い辛いが、氷属性の魔法であるため、(たま)に状態異常:凍傷が発生し、スリップダメージを与えることができた。

 更に、凍傷状態中に氷属性魔法を使っていくと、状態異常:凍結が発生する時もあり、氷が解けたり、気絶中や眠り、麻痺の時のように一定時間が経過しない限り、外的刺激によって状態が回復することなく、行動が不能状態のままになるという、素敵な付随(ふずい)効果があることがわかった。


 それと、氷塊を生成する場所と、生成後、待機させるとどうなるかは、ダンパードアームズと同じで、俺を中心に半径10m以内でなら生成可能で、生成後、待機させると空中で静止する形になり、この時手に取って、投げることもできた。

 また、待機状態とは、空中で静止している時だけのようで、手に持った場合や地面等に置いた場合は、1度使用されるか、氷塊の形状を維持できないような攻撃か衝撃を受けなければ、最大物質化時間が終了するまで、物質化したままだった。


 そして、片刃剣・諸刃(もろは)剣・短剣の形状をしていれば、俺の剣術スキルの影響を受け、補正が入るようだったが、それでは2番煎じ風で面白くないと思い、別の形状にして使うことにした。

 俺が使える魔法で、最も少ない属性は打属性なので、そのことを考え、新たに魔法を作り、登録した。


 1つ目は、使い勝手と状態異常発生確率上昇を見込んで、1口大の氷塊弾を散弾のように発射する、ショット。

 消費MPは、あまり多くなく、15で済んだ。


 2つ目は、見落としがちになる、生物の死角の1つで、下から勢い良く上昇する、半径40cm程、高さ3mはある氷柱の、ライジングカラム。

 消費MPは、50と少し重いが、当たる確率が高く、更に転倒させて、一時的に(すき)を作ることもできる優れものだ。


 3つ目は、巨人殺し(ティタヌンノット)と同系統のもので、今作れる最高の鈍器を作ってみた。

 形状は、計26個の小さな四角錐を等間隔で生やした、直径5m強の真球で、登録名はメテオス。

 消費MPもやはり莫大で、400になったが、その分の威力は申し分なく、むしろこの辺りのモンスターではオーバーキルぎみだったが、切り札は多い方がいいと思い、そのまま登録した。

 また、上空10mの位置からただ下に射出するより、上空10mの位置から上に向かって射出する方が、威力が上がるようなので、目標が動けないでいる場合は、この方法で撃ち出すことにしようかと思う。


 リキャストタイムについては、3秒とダンパードアームズより少し遅いが、この威力の魔法を3秒という短時間で再度使用できるなら、十分だろう。


 更に、この魔法を習得する過程で新たな称号も入手した。


〔称号:オーバーキラー〕:過剰な殺傷力を持つ攻撃で、数多の敵対者を(ほふ)った者の証。

 

効果:対象の残存HPに対し、10倍以上のダメージを与えて倒した時、取得経験値上昇(小)


 最後に、保有称号数が30に達したことにより、ステータスポイントを15ポイント入手した。


 そして、今の俺達のステータスはこんな感じになる。


name:リオン 

sex:男

age:16

race:人族(ハーフドラゴン)Lv30

job:冒険者(エクスプローラー) rank:E

class:マジックソードマンLv26

HP:795  MP:472

STR:216 

VIT:158

AGI:215 

INT:87

MID:86⇒113

DEX:355

LUK:66

STP:27⇒0


所持金:26924R  虚空庫 227/961 


種族スキル:〔混血・竜の息吹(光)〕、〔竜言語Lv1〕


専科スキル:〔魔法剣・無Lv26〕


装備スキル:〔STR増加Lv84〕、〔AGI増加Lv84〕、〔剣術Lv29〕、〔暗殺術Lv48〕、〔無属性魔法Lv47〕、〔天眼Lv40〕、〔賦活Master〕、〔詠唱破棄Master〕、〔気配偵知Lv7〕、〔識別Lv72〕、〔汎用魔法〕


控えスキル:〔鑑定Lv72〕、〔煮炊きLv3〕、〔虚空庫 rank4〕、〔錬換Lv1〕、〔毒耐性Lv4〕、〔麻痺耐性Lv5〕、〔調教Master〕


称号:〔思慮深き者〕、〔戦女神の洗礼〕、〔ウルフバスター〕、〔剣舞士〕、〔二刀の心得〕、〔初めての友誼〕、〔知恵を絞りし者〕、〔先駆けの宿主〕、〔解放せし者〕、〔初心者の心得〕、〔異常なる怪力者〕、〔異常なる俊足者〕、〔愚かなる探求者〕、〔踏破せし者達〕、〔完全なる攻略者〕、〔容赦無き掃討者達〕、〔剥ぎ取り上手〕、〔医食同源〕、〔砕撃の頭壊者〕、〔慈悲深き討滅者達〕、〔再起させし者〕、〔斬撃の首刈者〕、〔穿撃の心貫者〕、〔暗技の練達者〕、〔弱肉強食〕、〔叛きし者〕、〔虎殺し〕、〔匙を投げ捨てし者〕、〔我が道を行く者〕、〔大胆なる隠者〕、〔調教の賜〕、〔オーバーキラー〕


称号スキル:〔念話Lv26〕、〔怪力乱心Lv18〕、〔韋駄天Lv18〕、〔薬膳Lv13〕


固有スキル:〔狂暴化Lv2〕、〔軽業Lv43〕、〔頑健Lv54〕、〔強靭Lv31〕〔拒絶Lv21〕、〔自爆Lv3〕、〔酩酊耐性Lv1〕



name:シエル

sex:女

race:サニー・スピリットLv20

HP:320  MP:392

STR:0

VIT:101

AGI:106⇒110

INT:110⇒113

MID:107

DEX:106⇒110

LUK:95⇒100

STP:16⇒0


種族スキル:〔陽光活性(昼)〕、〔物理半減〕


スキル:〔陽光魔術Lv3〕、〔光耐性Lv9〕、〔影耐性Lv9〕、〔浮遊飛空Lv46〕、〔装飾化Lv8〕、〔念動Lv28〕、〔賦活Lv9〕、〔毒耐性Lv6〕、〔麻痺耐性Lv5〕、〔訓練の賜〕、〔遅延Lv12〕、〔詠唱破棄Lv6〕


固有スキル:〔STR返上〕



name:ネロ

sex:女

race:シャドービーストLv30

HP:400  MP:500

STR:54⇒55

VIT:54⇒55

AGI:61⇒65

INT:70⇒73

MID:54⇒55

DEX:69⇒70

LUK:54⇒55

STP:12⇒0


種族スキル:〔影装変化〕、〔影記憶〕


スキル:〔陰影魔術Lv1〕、〔影抵抗Lv5〕、〔影耐性Lv9〕、〔潜影潜行Lv16〕、〔宿紋化Lv4〕、〔潜匿Lv27〕、〔賦活Lv9〕、〔索敵Lv48〕、〔毒耐性Lv6〕、〔麻痺耐性Lv5〕、〔遅延Lv11〕、〔詠唱破棄Lv7〕、〔夜目Lv17〕


固有スキル:〔専化影装〕


 そして現在俺は、冒険者ギルドのDランク昇格試験を受け、北の丘へと向かっている。


 なんでも、酔いどれオーガを倒し、酒を納品するクエストは人気が無く、その分貢献ポイントが高く設定されていたそうだ。

 この1週間、材料である清酒を集めるために、大量にクリアしたことで、昇格試験を受けられるだけの貢献ポイントが溜まったらしい。

 丁度、お金のほとんどを虚空庫にしまい、死に戻りによるデスドロップで、大金の半分を失うリスクが無くなり、種族レベルも上がり辛くなっていたから、新しいエリアを冒険する良い機会と思い、昇格試験を受けることにしたのだ。


 因みに、受けた昇格試験の詳細は以下のようになっている。


『Dランク昇格試験:高級机の材料集め


試験内容:

Dランク相当の能力があるか試験を実施。

ディパートの北にある丘陵地帯で、指定された素材を日付が変わるまでに集め、冒険者ギルドの受付に納品する。


指定素材一覧:


黒檀(こくたん)樹の材木×3

・黒檀樹の枝木×20

紫檀(したん)樹の材木×3

・紫檀樹の枝木×20

・スティッキーゼライスの粘液×20

(すべ)り草×20

・ガードゴーレムの核片×15


合格条件:自力で集めた指定素材を日付が変わるまでに、冒険者ギルドの受付に納品する。


不合格条件:

①:試験終了まで、他者からアイテムの譲渡(じょうと)及び、買取または、物々交換。

②:日付け変更までに、指定されたアイテムの納品不可。

③:試験進行途中に、死亡。

                                    』



 俺は気配偵知を使いながら、進行方向にいるモンスターをサクッっと倒し、北方にある丘陵地帯を目指し、進んで行く。

 既に遠目ながらも、青々とした草の絨毯(じゅうたん)を敷き詰めた小さな丘が幾つも連なり、なだらかな起伏(きふく)が見てとれる。

 更に近付いていけば、そこかしこに低木が(まば)らに生え、場所によっては小さいながらも林と言っても差し支えがない程に生茂(おいしげ)っている所もある。

 天眼のズームアップ能力を使い、遠方を見てみれば、明らかに人工物と思しき残骸(ざんがい)石垣(いしがき)等の建築跡(けんちくあと)があることから、昔はこの丘陵地帯に何かしらの施設か何かがあったのだろう。


 そうして、周囲や進行方向にモンスターが居ないことを確認しながら歩いて行くと、ようやく草原と丘陵地帯との境界へと辿(たど)り着いた。

 そして、新エリアでの冒険に心を(おど)らせながら、第1歩を()み出すと、聞き慣れない音が鳴り、インフォメーションと共に、ウィンドウが現れた。


『ビビッ! あるプレイヤーが救難信号を発しました。救援要請を受けると、救難信号を発した場所が分かるようになり、パーティに入っていなくても共闘ペナルティが適用されなくなります。但し、救難信号弾を発した一定エリアから出たり、救難信号弾を発してから10時間が経過すると、再び共闘ペナルティが適用されるようになります』


『救援要請を受けますか? Yes/No 』


 俺は咄嗟(とっさ)に、関係無いことだと考え、Noを押そうとするが、もしも知り合いが居たり、丁度進行方向に居たりした場合、少なく無い罪悪感に(さいな)まれる可能性を考え、しばらくウィンドウを放置し、保留の状態で進むことにした。


 さてさて、いったいどうなることやら……。

 

 そう思いつつ、俺はシエルとネロを(ともな)い、Dランク昇格試験をクリアするべく、丘陵地帯の中へと移動して行った。



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