Locus 9
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本当にありがとうございます。
まだまだ至らぬ所が多々ありますが、作者は豆腐メンタルです。
暖かい目でご覧ください。よろしくお願いします。
ログインしました。時刻は、午後9時半を少し回ったところです。
晩御飯の後、どうせなら寝る支度全て終わらせとけば、後が楽だと思い実行したらこんな時間に。
でも、その分たくさん遊べるしいいよね。
再開した場所は、草原の一角にあるセーフティエリアで、ディパートの街(通称:始まりの街)と森との中間地点といった所だ。
夜の草原は薄暗く、月と星々の明かりで辛うじて、大まかなものの位置が分かる位だ。
このセーフティーエリアでは、焚火が焚かれているため、仄かな明るさが保たれているが、少し遠くを眺めて見ると、不安を掻き立てる様な薄闇のヴェールに包まれていた。
これは移動もままならないかなっと思って、意識的に周囲を見回すと、突然周囲がよく見通せるようになった。
何故いきなりっと考えていると、梟の目の暗視効果を思い出した。
俺はメニューを開き、スキル欄の梟の目の説明を見た。
〔PS〕パッシブスキル:〔梟の目Lv7〕
5+(SLv)分DEXにプラス補正。
SLv上昇と共に、昼夜問わずより遠くを見通せるようになる。 MAXSLv50
なるほど、だから今俺の目には昼間の様に見通せているのか。
昼間の時よりも見通せる距離は短いが、行動するには十分だと考え、予定通り狩りに出かけることにした。
結果は楽勝だった。
夜の草原では昼間の時と違い、ステップバードとワイルドドッグが出ない代わりに、ステップバットとナイトドッグというのが出現した。
ステップバットは、黒い毛並みをした現実の鳩位の大きさの蝙蝠で、空からの奇襲が得意みたいだったが、気配察知で位置が丸分かり、近づいてきたところをカウンターで打ち落とし、止めを刺す簡単なお仕事? となった。
ナイトドッグは、昼に出るワイルドドッグの強化版といったところだ。
毛色がワイルドドッグは茶色であるのに対し、ナイトドッグは暗い紫色をしていた。
識別した結果はこうだった。
ステップバット:Lv4・影属性・耐性-
ナイトドッグ:Lv4・影属性・耐性:魔法
一度に遭遇する頭数は昼に比べ若干多いが、十分対処できる数だった。
ナイトドックどうし連携して、必ず2体以上が飛び掛って来たので、レイスラッシュで返り討ちにし、ひるんだところで仕留めるという流れで、次々と狩っていった。
1時間程でいったん草原のセーフティエリアに戻り、手に入れたドロップアイテムを鑑定した。
鑑定結果はこちら。
素材アイテム 草原蝙蝠の翼:ステップバットの羽。薬の材料になる。
素材アイテム 草原蝙蝠の毛皮:ステップバットの毛皮。柔らかく、黒く艶やかな毛皮で女性に人気の一品。
素材アイテム 夜犬の牙:ナイトドッグの牙。ワイルドドッグのものより大きいため加工がしやすい。武器や装飾品の材料になる。
素材アイテム 夜犬の毛皮:ナイトドッグの毛皮。ゴワゴワした手触りだが暗紫色の毛並みが美しい。
一般的な革製品の材料になる。
食材アイテム 夜犬の肉:ナイトドッグの肉。くせの少ない、普通の肉。一般での食卓で出される肉。
強化素材は、影錬石と風錬石が、ステップバットから、影錬石と光錬石が、ナイトドッグから、それぞれ出たドロップアイテムだ。
アイテムの鑑定が終わったところで、夜食がてら串焼きを虚空庫から取り出して食べた。
時間は午後11時少し前といったところだ。
普段はすぐに寝るところだが、今は夏休み。
明日も特にこれといった予定はないので、このまま狩りの続きに勤しもうと思う。
今度は森に行ってみようかな。
森は、西の森と東の森とがあるが、この場所からなら東の森の方が近いので、東の森に行くことにした。
東の森に行く道中採取ポイントを見つけたので採取しておいた。
草原にも採取ポイントってあったんだなぁ。
森に入ると、草原よりも暗かった。
上を見上げて見ると、木々の枝葉に遮られ、月と星々の明かりが十分に届いてないのが原因のようだ。
俺は木々の根に足を取られない様に注意しつつ、森の中へと移動して行った。
移動していく途中に、採取ポイントを見つけたので採取していく。
少し歩くと、気配察知に引っかかるものがあり、辺りを見回すと紫を基調に、黄色の斑模様がある毒々しい色合いをした蛇を見つけた。
全長はおよそ1m程、太さは大人の腕程もある。
俺は即座に、識別を使ってみた。
ポイズンスネーク:Lv4・属性-・耐性:毒
名前からして、毒持ちであるのは明らかだ。
というか、見た目からしても毒々しいが。
まともに戦い毒でももらったら、今のところ回復する手段がない。
少し考えて、俺は足元に落ちていた小石を拾い、ポイズンスネークの居る場所から少し離れた茂みに投げた。
持ち前の高い? DEXと梟の目のおかげか、狙い通りの位置に小石は飛んでいった。
ポイズンスネークが鎌首を擡げ茂みを注視しているのを確認し、俺はポイズンスネークの背後に忍び寄り、アーツを使った。
「ネックハント」
ポイズンスネークは一瞬こちらに頭を向けたが、ネックハントが決まり、HPバーが砕け散り光の粒子へと変わっていった。
「ふーーー」
俺は大きく息を吐きつつ、作戦がうまくいったことに安堵した。
しばらく同じ方法でポイズンスネークを狩っていると、ふいに『ピロン♪』という音が聞こえた。
俺はすぐさまメニューを開き確認したい欲求を振り払いつつ、さらに森の奥へと移動していった。
途中の採取ポイントで採取しつつ進んで行くと、仄かに明るい開けた場所に出た。
辺りをよく見てみると、丸太が焚火を囲むように配置されていた。
どうやら、森のセーフティエリアに到着したようだ。
俺はさっそく丸太に座り、先程の音の確認をするためメニューを開きスキル欄を確認した。
新しく習得したのは、アーツだった。
俺は素早く有効化し、説明を読んだ。
□ ハイドアタック:対象に発見されていない状態で攻撃が命中した時、与ダメージ3倍化し、低確率で出血付与。
但し、発見された場合ただの攻撃となる。
消費MP:10 リキャストタイム:20秒
発見されたらただの攻撃になるのかぁ。
これを使うなら、パーティを組んでる時の方が良さそうだ。
他のパーティメンバーに注意を引き付けてもらって、背後からグサリ。
うん……この方がリスクが格段に減るよな。
一人の時は、チャンスがあれば使う位にしておこう。
さて、ドロップアイテムと採取したものを鑑定してみようか。
そして鑑定していった結果がこちら。
まずはドロップアイテム。
素材アイテム 毒蛇の牙:ポイズンスネークの牙。毒を帯ており、取り扱いには注意が必要。武器や薬の材料になる。
素材アイテム 毒蛇の皮:ポイズンスネークの皮。毒々しい色合いだが、一部の人に人気がある。革製品の材料になる。
食材アイテム 毒蛇の肉:ポイズンスネークの肉。少々生臭いが、料理の腕しだいで美味しく食べられる。
強化素材は、運錬石と穿錬石が入手できた。
次は採取で取れたもの。
消耗アイテム 不思議な茸:チュートリアルフィールドで取れた茸。そのまま食べることができ、食することでステータスの内の1つがランダムで1時間倍化する。
素材アイテム キュアハーブ:ポーションの材料になる一般的な薬草。そのまま食べても効果はあるが、苦い。 効果:HP10回復
素材アイテム 細枝:矢の材料に使われる乾いた細枝。よく乾いており、薪の代わりとしても使える。
素材アイテム 小石:やや小ぶりな石。投げて攻撃することは可能だが、威力は期待できない。ATK1
素材アイテム 中り草:苦痛の効能を含む毒草の一種。服用すると、全身に痛みが走り時間経過により、生命力が低下する。
素材アイテム 痺れ草:麻痺の効能を含む毒草の一種。服用すると、運動神経の麻痺が起こり、数秒~数十秒動けなくなる。
素材アイテム 眠り草:眠りの効能を含む毒草の一種。服用すると、急激な眠気に襲われ、強制的に眠ってしまい、数秒~数十秒眠り続ける。外的刺激を与えることで、眠りから覚めることが可能。
素材アイテム 切れ草:出血の効能を含む毒草の一種。服用すると、血管破壊を起こし、時間経過により生命力が低下する。さらに一定以上の生命力低下に伴い身体能力も低下する。
キュアハーブと細枝と小石は、通常の採取ポイントで取れたもので、中り草・痺れ草・眠り草・切れ草は、発見で見つけた隠された採取ポイントで取れたものだ。
そして、不思議な茸は説明にある通り、チュートリアルフィールドで取れたものだ。
効果がかなり良いものなので、虚空庫にしまっとくことにした。
いつか使う時が来るかもしれないし。
毒草4種は全てぱっと見、キュアハーブとまったく同じで混ざったら鑑定なしでは、見分けがつかなかったが、葉の裏を見れば一目瞭然だった。
中り草は、葉の裏が毒々しい紫色をしていた。
痺れ草は、葉の裏の葉脈がケバケバしい黄色をしていた。
眠り草には、葉の裏に白い斑点があった。
切れ草には、葉の裏に赤い棘があった。
このゲーム変な所が凝っていておもしろいが……気づく人どれくらいいるんだろうか?