Locus 8
ギルドから出ると、午後4時半を少し回ったところだ。
まだ時間はあるので、狩りに出かけることにした。
街を出て、草原に来た。
まだまだ街周辺には、他の人が多くいたので、草原を移動しつつ気配察知でモンスターを探す。
少しするとモンスターが気配察知の効果範囲に引っかかったので、そちらに向かう。
モンスターはモノコーンラビットが2体と、ワイルドドッグが1体の合計3体だ。
俺は素早く、識別を使った。
モノコーンラビットA、B:Lv3・属性-・耐性-
ワイルドドッグ:Lv4・属性-・耐性:魔法
弱点が表示されないのは、識別のSLvが低いからだろう。
向こうもこちらに気づき、襲い掛かって来る。
駆けて来る速さは、モノコーンラビットAが最初でほとんど同じくらいでモノコーンラビットB、少し遅れてワイルドドッグといった感じだ。
俺はノービスソードを抜剣し、迎撃の体制をとる。
最初に飛び掛って来たモノコーンラビットAを避け様に、剣の腹で押し込むようにして、モノコーンラビットAの体に当て、弾く。
「ギャウ!」
弾かれたモノコーンラビットAは、背中から地面に落ち動きを鈍くする。
そのことを横目で確認しつつ、モノコーンラビットBを仕留めにかかる。
モノコーンラビットBが角を突き出し飛び掛って来た所を避けつつ、咽笛目掛けて剣を振り上げる。
「スラッシュ!」
剣が吸い込まれるように、モノコーンラビットBの咽を切り裂き、モノコーンラビットBのHPバーが砕け散り、光の粒子へと変わる。
その間に、遅れて来たワイルドドッグが到着し、そのまま俺に突っ込んで来る。
それに合わせる様に、さっき弾いたモノコーンラビットAも俺に飛び掛って来る。
挟み撃ちされる直前に、体ごと左横にずれ、その場で半回転。
回転により生み出される遠心力の乗った剣でモノコーンラビットAの背中(尻?)を剣の腹で打った。
モノコーンラビットAの勢いは増し、剣の腹で打ってすぐ、ワイルドドッグの腹に角が刺さる。
「「ギャン!」」
モノコーンラビットAが刺さり身動きが取れないワイルドドッグに近づき、脳天目掛けて剣を振り下ろす。
「スマッシュ!」
「ギャゥン!」
ワイルドドッグのHPバーの横に、星が回っている様なアイコンが出ていた。
気絶している様だ。
アイコンの右下には10と数字がついていて、刻々と数字が減っていっている。
おそらく、あの数字が0になると気絶から回復するのだろう。
ワイルドドッグのHPバーを見ると、残りは3割を切っていた。
ワイルドドッグが気絶中に、角が刺さってまだ取れなていないモノコーンラビットAの首筋目掛けて、剣を振り下ろした。
「スラッシュ!」
「キューーー!」
モノコーンラビットAは断末魔と共に、光の粒子へと変わっていった。
そして、まだ気絶中のワイルドドッグのやや中央よりの左胸目掛けて、剣を突き刺した。
「ピアース!」
ワイルドドッグは、HPバーを砕かせながら光の粒子に変化していく。
「よし!結構自分が思った通りに動けたな。この調子でどんどん狩るぞ!」
その後1時間位狩りを続けると、種族LvとクラスLvが上がり、スキルとアーツを習得した。
まず、スキルLvが上がったことで習得したアーツはこれ。
□ レイスラッシュ:剣の範囲アーツ。最大200°の薙ぎ払い斬りが可能になる技。
消費MP:5 リキャストタイム:10秒
剣スキル初の範囲アーツだ!これで複数相手でも安心して相手ができる。期待が増していきますね。
次に習得したスキルだ。
〔AS〕アクティブスキル:〔暗殺Lv0〕
5+(SLv)分STRとAGIにプラス補正。
ウィークポイントに攻撃を当てた時、与ダメージ増加。 MAXSLv30
暗殺……何故、暗殺? スキル説明を見る限りだと、鍵はウィークポイントに攻撃を当てることの様だと推測できる。
だって、ウィークポイントに攻撃を当てると効率が良いんですよ。
狙うしかないじゃないですか。
そして、他に習得したアーツは暗殺のアーツのようだ。
それがこちら。
□ ネックハント:首狩り。
首のある相手に対し、部位:首にこのアーツが当たった時、与ダメージ2倍プラス確率で出血付与。
消費MP:5 リキャストタイム:10秒
□ ヘッドクラッシュ:兜割り。
頭のある相手に対し、部位:頭にこのアーツが当たった時、与ダメージ2倍プラス確率で気絶付与。
消費MP:8 リキャストタイム:15秒
□ ストライクハート:急所突き。
心臓又は、核のある相手に対し、部位:急所にこのアーツが当たった時、与ダメージ3倍プラス低確率で即死付与。
消費MP:10 リキャストタイム:18秒
説明を読む限りだと、限定的な場所に対してかなり凶悪な効果であると思う。
それでも、かなり有用なのは分かる、使われる方には溜まったものではないけどね。
実戦の中で試しつつ、使いごこちを確認していきたいと思う。
それと過去ログを見てみると、ネックハント、ヘッドクラッシュ、ストライクハートを習得してから、〔暗殺〕を習得したみたいなのです。
これが、〔暗殺〕の習得条件なのかな?
俺は草原のセーフティエリアでに到着すると、さっそくメニューを開き素早く、装備スキルを入れ替え、アーツを有効化していった。
そしてステータスポイントを割り振っていった。
今の俺のステータスはこんな感じだ。
name:リオン
sex:男
age:16
race:人族Lv4
job:自由人 rank-
class:ノービスLv4
HP:186 MP:112
STR:26
VIT:18
AGI:26
INT:16⇒19
MID:18
DEX:34
LUK:14
STP:3⇒0
所持金:980R 虚空庫15/25
種族スキル:〔混血・竜の息吹(光)〕、〔竜言語Lv0〕
装備スキル:〔STR増加Lv4〕、〔AGI増加Lv4〕、〔識別Lv4〕、〔剣Lv5〕、〔料理Lv4〕、〔暗殺Lv0〕、〔気配察知Lv7〕、〔虚空庫 rank1〕、〔梟の目Lv7〕、〔発見Lv4〕
控えスキル:〔鑑定Lv7〕
称号:〔思慮深き物〕、〔戦女神の洗礼〕
ステータスポイントは、一番低いINTに全部割り振った。INT16⇒19
そういえば、まだ種族スキルの〔混血・竜の息吹(光)〕を使ってないな。
早いとこ使って、その効果の程を確認せねば。
そうして、さらに1時間程狩りを続けた。
剣のアーツ、レイスラッシュは予想通り、複数相手に使い勝手のいいアーツだった。
しかし、アーツの効果範囲外に1体でもモンスターがいると、アーツによる技後硬直の時にダメージを受けてしまうデメリットがあることが分かった。
それから、〔暗殺〕のアーツは当たれば、1発でモンスターを倒せるという酷いものだった。
でもすばらしく、効率がいいのです。
なんだか快感を覚えてしまいそうになる位、バッサバッサっと倒せてしまうのです。
これからもどんどん使っていこうと思います。
新しいアーツのおかげで、草原のモンスター相手なら無双できる程になったので、次は夜の草原に出てみようと思う。
このゲームも、夜になるとモンスターが変わり、強さも強くなるようだ。
時間を見ると、午後7時少し前といったところだ。
俺はとりあえず、晩御飯を食べに一度ログアウトすることにした。