プロローグ
初めて投稿しました。多々至らない所はありますが、作者は豆腐メンタルです。
暖かい目でご覧ください。
よろしくお願いします。
Struggle Locus On-line~通称『SLO』
20XX年8月1日午前10時から正式稼動する話題沸騰のVRMMOだ。
『幻想的でリアリティーあふれる世界。自由度が高く、行動しだいでスキルや称号の取得などができ、様々な出会いと物語が君を待っている。数多のスキルを駆使し、君だけの冒険の軌跡を刻み込め!』
という謳い文句でβ版から話題のVRMMORPGなんだとか。
正式版の予約開始から1時間で定員が埋まり切り、オークションでは正式版の専用ヘッドギアの価格が原価の20倍にも及ぶ程だとか。
俺も興味があったが、予約のため1週間も前からゲームショップに並ぶ度胸もなく……というか、よく考えるとこれって営業妨害にならないかなぁ?
っと、内心ため息をつきつつ諦めていた。
そんなある日、俺-佐伯 千早に、転機が訪れる。
それは、父の単身赴任先に母とついていった(連れて行かれた?)妹からの電話があり……。
「ねね、お兄ちゃん。ゲーム一緒にやらない?」
という言葉から始まった。
妹は『SLO』のβテスターで、正式版の専用ヘッドギアを2個持っているそうだ。
そして、現実で俺と会おうとすると日程やお金、移動などといった障害があるので、それらがないゲーム内でなら、いつでも好きなときに会えたり話せたり遊べたりするので、というのが理由の半分なんだそうだ。
もう半分はこの『SLO』の世界を知って、楽しんでもらいたい、この世界が好きだという気持ちに共感してもらいたい、というのが残りの理由だとか。
俺もちょうどそのゲームに興味があったし、久々に妹にも会えるしと思い、その提案に乗った。
その翌々日、専用VRギアと妹からの手紙が送られてきた。
手紙には、早く会って一緒に遊びたいことと、妹のVRギアのIDが書かれていた。
このIDは最初の機械設定時に入力すると、ゲーム開始時にVC登録がされ、フレンド登録をまだしていなくても、互いにリアルでいう、通話のようなことができるようになるとのこと。
又、フレンド登録をすることで、VC登録に上書きされVC機能がなくなるのだそうだ。
まぁ、フレンド登録のほうがVC登録よりも多機能らしいので、別にいいのだけど。
俺は、機械の設定を終わらせた後、正式稼動する日を楽しみにしつつ、
全力でゲームを楽しむために、宿題を終わらせた。
人間やればできるものだと、このとき知った。
そして、正式稼動開始時にベッドに寝転がり、VRギアを被り、独特の催眠誘導を経て、俺は念願の『SLO』にログインした。
もはやただの転勤である