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先輩の足には、桜色の蝶が飛んでいる。
スカートの裾から見え隠れするそれは、私の目を惹くのだ。
初めて先輩を見たときに追いかけてしまったのも、先輩の蝶を見つけたから。
あの蝶を、捕まえられたらいいのに。
魅力的で、
官能的で、
あの蝶に、触れたい。
こんな気持ちは桜に知られたくない。
でも、ずっと私しか知らない蝶を手に入れたかった。
地味で、学園の羨望の的になるような、アイドル的な先輩ではない。
誰も興味がなくて、知らなくて、私だけが大好きな先輩。
私だけの先輩になったらいいのに。