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好きな作家さんやオススメの本。
いつも通り大人しいのだけれど、好きなものの話に興奮してほんのりとピンクに染まった頬。
こんなに話す先輩は初めてみた。
一番の収穫。
「唯ちゃん、って呼んで大丈夫ですか?」
とても嬉しかった。
私のことも、聞いてもらえた。
図書館に来て、この部活を知ったこと。
先輩をみて、自分も本を読もうと思った、と。
先輩を見て図書館に来ました!とはさすがに言えなかったが、本に興味を持ってくれて嬉しい!と喜んでいた。
「この部室、部室といっても書庫だから、埃っぽいし、薄暗いし、あまりみんなここへは来ないの。
でも、静かで、一人で考え事をしたり本を読むのにはとてもいいの。最近は唯ちゃんもいるけど、誰か他に人がいるっていうのも、ちょっとだけ…新鮮かもしれない」
口角を少しだけあげながら桜が話した。
「先輩の読書の邪魔になってないなら、幸いです…」
少しだけ、近づけた。
そんな気がした。