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ひよりは、私の家に来てまず電話をかけた。
友達の家でつい盛り上がってしまい、もうすっかり遅くなってしまったので泊まりなさいと言われた。という程で。
私の家が学校から近いこともあり、私の母がひよりのお家の人に挨拶をして、
泊まる事になった。
最初は、お友達くるならもっと早く言いなさいよ!もっといい晩御飯用意したのに!など言っていたが、
喜んで普段は履かないスリッパを用意しせっせとひよりをもてなしていた。
ひよりの目は真っ赤になっていたが何も言わず、可愛いお友達ね!いつでも来てねこんなきったない庶民の家でよかったら!なんて言っていた。
マンモス校で自身がやっている勉強や作業がすごい子達はやはりそれなりのお家の子も多く、別に学費が高いわけでもないのだがやはりあの学校に通っている=お嬢様、の印象があるみたいだ。
もっぱら、母の中では女子校=しとやかなお嬢様らしい。その理想かつ可愛いセーラー服、風校、近さで受験時に猛プッシュしていた。
もう電話先に聞いた事のないような高い声でぺこぺこ挨拶していた。
ひよりは少しはにかみながら階段を上がり私の部屋にきた。
今日この子泊まる!と言った私に、少しは苦言を吐くかとも思ったが、そうね!こんな可愛い子一人で歩いて帰るなんて!と言っていた。
私は部屋にひよりを残し、ご飯の用意と、目を冷やす保冷剤とを持って、また二階へ向かった。




