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桃の果実を食べさせて  作者: 火垂
柘榴の実
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少し、冷たい態度をとってしまっただろうか。



唯ちゃんが、帰ってこない。



確かに私はいきなり背中を触られびっくりし、しかもインナーが透けていることも指摘され。

恥ずかしさに、極度の緊張を覚え、どううまく返したらいいのか分からなかった。

こういう時のごまかし方は得意じゃなく、どうしたら場をやり過ごせるのか、分からなかった。


でも、突っぱねた物言いになってしまったかもしれない。

愛想もないし、本の事しか話せない、雑談も、気を使うのも得意でない私に話しかけてくれるのは唯ちゃんくらい。

後輩だから気を遣ってくれるのか、一生懸命、にこにこと話しかけてくれる。

本当に良い子だから、大切にしないといけないなと思っていたのに。

申し訳ない態度をとってしまったのかも。


もしかしたら、そんな物言いをした私に気を遣って席を長く外しているのかもしれない。




そう悶々としながらも、手にしていた文庫本は読み終えてしまったのだ…。

幼少期にからかって黒板で頭を殴られた男の子が、大人になって結局その子と結婚していた。



続きの本を借りに行こう…。

まだ唯がいるのに部室を閉めるわけにもいかない…。

それにもし、司書さんのお手伝いなどしているのなら自分も手伝った方がいいと思ったのだ。



そう思い、部室を出て本棚の中を歩き回る。

どうやら司書さんのお手伝いもなさそうだし、

やっぱり気を悪くさせてしまったのかもしれない。

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