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22話

作中の登場する9大巡洋艦とは?

日本の加賀型巡洋艦、加賀、長門、扶桑、紀伊に加えて中国の上海、北京、重慶、上海級の準同型艦で韓国のソウルと加賀の準同型艦で台湾の丹陽、台北の事

中国艦隊が日米合同艦隊のミサイルの迎撃を実施している頃、水中から密かに接近していた潜水艦黒潮が遂に行動を始めたのである。

黒潮指揮所

「魚雷発射・・・・・・ってぇえー!!」

艦長である蟹田中佐がそう命じると黒潮は2発の16式誘導魚雷を中国艦隊に向けて放ったのである。


上海CIC(戦闘指揮所)

「水中から推進音、ぎょ、魚雷です!!」

「各艦へ伝達、対潜ロケット発射用意急げ!」

砲雷長がそう命じたが、次の瞬間だった艦隊の外縁にいたフリゲート雲連港に1発のトマホークが直撃、一瞬にして轟沈したのである。

「雲連港からの通信が途絶、轟沈した模様です・・・・・・」


日米艦隊の仕掛けた罠に嵌った巨大な虎(中国艦隊)は完全に混乱に陥ったのである。


原潜サウスダコタ指揮所

「日本の黒潮が魚雷を発射した模様です!!」

「そうか・・・・・・ようし、我々も後に続け!」

艦長がそう言うとニヤリと笑みを浮かべる。


暫くするとサウスダコタの魚雷発射管から2発のMk-48誘導魚雷が既に魚雷攻撃を受けていて阿鼻叫喚の中国艦隊へ向けて放たれる。


サウスダコタから魚雷が放たれた頃、黒潮の16式誘導魚雷の内、1発は蘭州級防空駆逐艦西安に直撃し、西安の船体を引き裂いたのである。

上海CIC(戦闘指揮所)

「し、西安轟沈します・・・・・・」

そして次の瞬間だった、上海の真横を航行していた鄭州にMk-48とトマホーク巡航ミサイルが同時着弾して一瞬にして轟沈したのである。

「て、鄭州・・・・・・轟沈・・・・・・」

「司令、日美艦隊に節穴はありません、降伏をしましょう・・・・・・」

幕僚の一人がそう提案すると政治将校が間に割って入る。

「ならん!!降伏など絶対にあってはならん、我々誇り高き中国軍人は党の為に、人民の為に・・・・・・」

自分の保身の為には人命などお構いなしの政治士官がそう言うと、もう1人の政治士官が降伏を提案した幕僚に向けて拳銃を構える。

「この裏切り者が!!」

・・・・・・バンっ!!

乾いた発砲音がすると鮮血を流しながら幕僚がCICの床に倒れこんだ。

「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

だが、次の瞬間だった、それを傍らから見ていた砲雷長が政治士官を後頭部から殴打し、気絶させて拳銃を奪い取り政治士官の大尉を撃ち殺した。

「ほ、砲雷長、貴様ぁああああ!!」

かつて政治士官でもあった副長がそう言うと射殺を免れたもう1人の政治士官が砲雷長を射殺し、CICの床が赤く染まる。

砲雷長が撃ち殺された直後、数人の砲術員が一斉に政治士官を羽交い絞めにし、彼が握っていた拳銃で副長を射殺する。

政治士官と副長の息が絶えた直後、中国艦隊に更なる危機が迫っていた、そう日米合同艦隊の第2波対艦ミサイル攻撃である。

第2波対艦誘導弾攻撃の26発はSSM-3と比較して迎撃し易い亜音速のSSM-1やハープーン対艦ミサイルであった。


「て、敵対艦誘導弾複数接近中!!」

その言葉に我に返った砲術員達は冷静になって配置についた。


だが、既に時遅し対艦誘導弾26発が中国艦隊まで数㎞に迫っていた。

暫くすると中国艦隊各艦が搭載する13㎝、10㎝、76㎜の各口径の速射砲や30㎜近接対空砲(CIWS)や37㎜対空機関砲などが一斉に火を噴く。


いやそれだけでは無い、CIWSと複合した対空誘導弾や米国のRAMをコピーしたと言われている近接対空誘導弾も多数放たれ、日米艦隊の放った対艦ミサイルを迎え撃つ。


中国艦隊はこの対空戦闘で7発の撃墜に成功したが、最終的に19発が各艦艇へ命中し、中国艦隊から確実に戦闘能力を剥いでいく。


そして巡洋艦上海も2発が命中して、それによって戦闘能力を喪失した。

経済危機が発生する直前の2016年に竣工し、アジアの9大巡洋艦(ビッグ・ナイン)と称された事のある1万2千tの大型巡洋艦上海は既に浮かぶ廃墟と化していた。

「総員上甲板、船から離れろ・・・・・・」

艦長がそう呟くと乗員たちは一斉に上甲板へ集まり、船を放棄する。

無論、戦闘が終わった事もあって日米合同艦隊は健在かつ降伏した中国艦と協力して放棄された中国艦の乗員を政治士官を含めて皆救助しようとする。


降伏した中国艦は駆逐艦天津とフリゲート常州のみで、他は撃沈されるもしくは混乱に乗じて遁走したが逃亡罪で味方の攻撃で撃沈されたと言う。


ともかく、中国海軍は東シナ海における制海権を喪失したのである。


一方、種子島航空基地では・・・・・・

「中国軍航空機群複数が接近中、これを迎撃せよか・・・・・・」

日韓戦争の撃墜王で種子島を拠点に東シナ海に睨みを利かす305邀撃隊の飛行隊長を務める鷲野中佐が報告書を読むと愛機F-23へ走る。


そしてF-23は力強いGE-130エンジンを轟かせ、空へ上がる。


アジア戦争最後の緊急邀撃(インターセプション)作戦が今、始まった。


2回後に最終回、次回は最後の空戦を描きます。

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