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21話

小破した紀伊に座乗する日米合同艦隊司令部は被弾で小規模な被害を受けた艦及び戦闘能力を削がれた艦とそれの救護にあたる数隻以外の艦艇を扶桑艦長である吉田大佐の指揮下に託して分離した。

扶桑CIC

「我慢した分は倍にしてお返しだ!目には目を、歯には歯をだ!!」

対艦ミサイルが発射される直前にに吉田艦長がそう言って乗員の指揮を鼓舞すると砲術員達が一斉にその通りだと叫んだ。


尚、扶桑艦長の指揮下に置かれたのは・・・・・・

スサノオ巡扶桑(旗艦、日)

イージス巡洋艦金剛、愛宕、衣笠(日)

イージス駆逐艦フィッツジェラルド、マスティン、C・F・アダムズ(米)

汎用巡洋艦青葉、冬月、夕立、村雨、五月雨、巻波(日)

であり、中国艦隊と比較して隻数は少ないが、これらの艦艇は高い練度を保っており、少数精鋭と言えるレベルの戦力である。

(さて、敵をどれだけ沈められるかが問題だな・・・・・・)

吉田はそう胸に秘めつつも平静を装った。


金剛やフィッツジェラルドはSSM発射筒から対艦(SSM-3と)ミサイル(ハープーン)を放ったのに対して、対艦誘導弾発射筒を装備しないマスティン、C・F・アダムズはVLSから巡航ミサイル、トマホークを放ち、同様に発射筒を有さない扶桑もSSM-3をVLSから放つ。

因みにフィッツジェラルドもトマホークを搭載していたが、今後の台湾支援作戦において重要視される事もあって本作戦では使用していない。


そして発射された対艦誘導弾の数は実に52発、中国側としては日米側に対して実施した飽和攻撃がそのままやり返される形となった。


巡洋艦上海CIC(戦闘指揮所)

日美艦隊(敵艦隊)から対艦ミサイル多数飛来!!」

砲術員の1人がそう報告すると砲雷長が砲術員に質問をした。

「HHQ-21対空誘導弾の発射準備は完了したか?」

「はい、完了しました!!」

そう砲術員の1人がそう言うと砲雷長が発射命令を下した。

「ミサイル発射!!撃て!!」

砲雷長の凱がそう言うと巡洋艦上海の前部VLSから8発のHHQ-21(紅旗21)対空誘導弾が発射され、僚艦からも多数の対空ミサイルが放たれた。


HHQ-21対空誘導弾が日米両艦隊の放った多数のSSM(対艦誘導弾)を迎撃すべく、海面上で出しうる最高速であるマッハ1.3で飛翔する。


だが、日本側の対艦ミサイルは海面上でマッハ1.5を出す事もあって、先行して敵対空誘導弾を減らす囮としての役割も担っていた。

見事に中国軍の対空誘導弾は亜音速のトマホークやハープーンにSSM-1ではなく、超音速であるSSM-3に食い付いたのである。


「敵超音速ミサイル群、2/3を撃墜!!」

「良くやった!!よし第2迎撃ミサイル斉射用意!」

「了解、各艦からも了解との事です!」

砲術員の一人がそう言った次の瞬間だった、亜音速の対艦ミサイルがホップアップをして中国艦隊のレーダーに一斉に映ったのである。

「敵のミサイルが増えただと!?くっ、ミサイル発射数を増やせ!」

砲雷長がそう言った次の瞬間だった、フリゲートの洛陽にSSM-1Cが命中し、同艦は速度低下を引き起こして戦線離脱した。

続いて蘭州型防空駆逐艦(中華イージス艦)蘭州に2発のSSM-3が命中して一瞬にして轟沈、中国艦隊の防空能力が若干低下した。

だが蘭州型は腐っても優秀な防空艦であり、蘭州は撃沈されるまでに僚艦で同型艦の西安や駆逐艦武漢、フリゲート煙台、雲連港などと協力して飛来した対艦ミサイル50発の内、11発の撃墜に成功していた。


だが・・・・・・中国艦隊には二の矢が待っていた。

そう、海中から忍び寄る海の殺し屋である日米の潜水艦である。

潜水艦黒潮指揮所

「洋上から敵艦の爆発音を感知」

「そうか・・・・・・良し、魚雷装填、目標敵輪形陣中央部の大型艦!」

水測員(ソナーマン)の報告を聞いた蟹田艦長が魚雷の装填を命じる。

「・・・・・・了解、16式誘導魚雷装填!!」

水雷長がそう言うと魚雷発射管に最新鋭の16式誘導魚雷が装填される、


「・・・・・・撃て!!」

艦長がそう言うと黒潮の魚雷発射管が開かれ、2発の16式誘導魚雷が中国艦隊に向けて放たれたのである。


いずれにしろ、中国艦隊は破滅へ向けて進撃中であった。

登場兵器について

米海軍イージス駆逐艦『C・F・アダムズ』DDG-123

全長157m、全幅21m、満載排水量1万t、乗員257名

Mk-45型12㎝砲1基、20㎜CIWS1基、57㎜速射砲1基

Mk-41VLS32+64セル(SAM、SLCM、SUM兼用)

短魚雷発射管2基、MH-60Rオーシャンホーク対潜ヘリ2機

4連装ハープーン対艦誘導弾発射管2基、25㎜重機関砲2基


米海軍の誇る新型イージス艦で、排水量は愛宕に匹敵する。

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