20話
終戦は23話になりそうですwwww
日米艦隊に対して中国艦隊は一矢報いますが、日米も反撃を開始する。
2027年8月24日、東シナ海
日米合同艦隊は中国軍の放った多数の対艦ミサイルに対して対空ミサイルを放ち、その3/5を撃墜する事に成功したが残った2/5が依然として接近し続けていた。
紀伊戦闘指揮所
「各艦、ESSM発射用意・・・・・・撃てぇえー!」
艦隊全体の戦闘指揮官を兼ねる紀伊の砲雷長がそう叫ぶと自らの乗る紀伊を始めとした各艦から再び多
数の火箭が敵対艦ミサイルに向けて飛翔する。
だが、日米合同艦隊の放ったミサイルの内、命中したのは13発で、残った15発は依然として艦隊に向けて接近を続けていた。
「各艦、主砲による対空戦闘用意!!」
『こちら扶桑、本艦の副砲も射撃準備完了!』
「そうか・・・・・・各個、射撃開始!!」
扶桑の砲雷長から報告が入ると紀伊の砲雷長は日米両艦隊に所属する艦艇に対して76㎜、12㎝砲による対空射撃を開始する様に命じた。
そして多数の中小口径砲が形成する火箭は確実に対空弾幕を形成し、中国軍の鷹撃82SSMの侵入を阻害する。
確かに、近接信管と強烈な威力を持つ榴弾を組み合わせる事で優れた対空火力を形成し、海面へ叩き落とす事は出来たのであったが、それでも対艦ミサイルは対空弾幕を突破し、艦隊へと迫った。
紀伊FIC
艦隊司令所、FICとはFleet Command Centerを省略したもので、言わば艦隊のCICであり、ここから全作戦の統括を行う。
「レイク・エリーに直撃、同艦の後部SPYレーダー機能停止!!」
日本側の幕僚の1人がそう報告すると日米合同艦隊司令である米海軍のジャック・W・オオムラ少将は蒼ざめた表情をしつつも次の命令を下す。
「レイク・エリーは航行可能なのか?」
すぐにオオムラ少将がそう質問すると米側の幕僚が答える。
「はっ、機関にはまったく異常ありませんが、ヘリ格納庫及びその上にある後部SPYレーダーは全面機能停止の模様です・・・・・・」
「そうか、サミダレを護衛に付けてレイク・エリーを下がらせろ!」
「はっ!!今すぐ五月雨へ報告します!」
次の瞬間だった、更なる衝撃がFICを揺らした。
「大変です、レイク・エリーから電文が入りました、”先程の1発に加え、更に2発の対艦ミサイルが命中、航行は困難”との事です!!」
「応急処置はどうなっている?」
「はっ、既に後部VLS及び主砲弾薬庫には注水命令が下っており、前部主砲弾薬庫及びVLSにも注水準備がなされています・・・・・・」
「そうか・・・・・・報告、ご苦労だった・・・・・・」
司令がそう言うと司令席をゆっくりと立ち上がり、ディスプレーに映された炎上するレイク・エリーの姿を見て溜息をついた。
次の瞬間だった、彼らにも突如物凄い衝撃が襲いかかると、艦長と思しき人物の声が艦内放送で流れる
『ヘリ格納庫被弾、ダメコンチームは消火急げ!!』
5分後、レイク・エリーは鎮火不能とみなされ乗員たちは五月雨に移乗。
他にもA・バーク級駆逐艦C・ウィルバーも対艦ミサイルの命中で、後部煙突直後にある後部射撃指揮装置が破壊され、戦闘能力が低下した。
だが、バーク級はタイコンデロガ級と比較して応急対処能力が向上していた事もあり、これ以上大きな被害を受けずに済み、航行能力を維持していた。
同様に妙高も被弾したが、第3誘導弾管制装置と20㎜近接対空砲及び航空管制室が破壊されただけに留まり、第2誘導弾管制装置は何とか機能を維持し、第2煙突も全く問題なく機能していた。
しかし妙高もC・ウィルバーも速力が低下しており、それぞれ秋月と高波が護衛について2隻は修理の為に長崎へ撤収する事が決まっていた。
だが、1980年代に就役した駆逐艦浜霧はミサイルが命中した事により大きく損傷し、機関の出力低下以外に傾斜の増大等で航行不能に陥った。
浜霧に続いて同様にステルス性に劣る2隻のO・H・P級対艦ミサイルが命中し、その内1隻は機関部まで爆炎が達し、轟沈したのである。
大波もヘリ格納庫被弾で戦線離脱を余儀なくなり、更に紀伊自身もヘリ格納庫が損傷しており、76㎜砲1基が破壊されていた。
だが、扶桑と愛宕を中心とした無傷の艦艇がトマホークやハープーンにSSM-1/3を中国艦隊へ向けて放った。
扶桑CIC
「好き放題やってくれたじゃねーか・・・・・・倍返しにしてやるぜ!」
扶桑の砲雷長で、鷲野京子中佐の双子の弟、鷲野中佐がそう呟くと扶桑をはじめとした各艦から中国艦隊へ向けて多数のミサイルが放たれた。




