18話
E-767AWACSのコールサイン、スノークラウドですが、1章の日韓戦争編で出て来たE-767と同一ですが、オペレーターは変わってます。
アジア各地へ中国の侵攻が開始されてから1か月がたった8月の終わり、敗色が濃い中国海空軍は決戦戦力といえる多数の戦力が集結させた。
旗艦は練習空母として戦争が始まっても尚、青島に留まり続けていた遼寧であり、1987年完成の42年の船歴を押して出撃する事になった。
最も、中国で完全に完成したのは2014年だが、船体自体は1985年に完成していて、ソ連崩壊の余波で完全に完成しなかったと言う事も大きい。
そして中国海軍の決戦艦隊は遼寧を旗艦に、巡洋艦上海、防空駆逐艦である西安、蘭州、天津、済南、鄭州を中心に輪形陣を組み、その周囲を駆逐艦哈爾浜、青島、武漢、フリゲート煙台、洛陽、雲連港、綿陽、三亜、常州、玉林、徐州、運城が固めていた。
そして上空には完全国産ステルス機であるJ-20とJ-37やJ-15にSu-35、Su-27、そしてまたまた国産であるJ-10がフライパスし、乗員達の士気を鼓舞する。
入道雲と青空が広がる東シナ海を背に中国艦隊は死地への出撃をすべく、多数の艦艇を選出し、出撃させたのだ。
無論、彼らは負けたら後が無い、背水の陣である事は承知している。
一方、空母瑞鶴を中心とした日本国防海軍水上打撃艦隊はスサノオ巡洋艦紀伊と扶桑にを筆頭にイージス巡洋艦金剛、妙高、愛宕、衣笠、汎用巡洋艦青葉、白根、秋月、冬月に高波、大波、巻波、村雨、夕立、五月雨とあと1年で現役を退く予定だった練習艦浜霧と海霧で構成されており、それらに加えて米第7艦隊の空母G・フォードと共に同空母打撃群を構成する第15駆逐隊のイージス巡洋艦サンジャシント、同駆逐艦C・ウィルバー、フィッツジェラルド、マスティン、C・F・アダムス、ノックスに旧式化しているとは言え、まだ使い道のあるO・H・P級が3隻が合流しており、日米合同空母打撃艦隊というのに相応しい陣容である。
そして彼らの上空にはF-35C/CJ戦闘機とF/A-18E/F戦闘攻撃機が飛翔し、乗員達の士気を鼓舞する。
更に暫くすると日米両空軍に所属するF-22やF-3、F-15C+2・J改/D+2・DJ改等が、万全の艦隊防衛を示すかのように種子島方面から高高度を飛翔し、飛び去る。
空母瑞鶴艦上
「射出準備完了、発艦!!」
射出機士官がそう叫ぶと派手な塗装を纏った第254戦闘飛行隊隊長の搭乗するF-35C陣風Ⅱが瑞鶴の艦上から空へと飛び立つ。
瑞鶴から飛び立った24機のF-35は中国艦隊から防空の傘を奪い去る任務を実施すべく120機の日米混成航空隊に合流し、中国航空隊を迎撃すべく沖縄本島の上空へ向かう。
無論、中国軍航空隊も日米混成航空隊と交戦すべく沖縄本島へと向かう。
『スノークラウドより日米混成航空隊、我、敵を探知、これより情報を転送する、情報を受け取ったら即座に攻撃許可する!』
「イーブン1了解!」「ハンター1了解!」「レインボー1了解!」
各大隊長12人が一斉に了解と答えると情報が次々に彼らの愛機のディスプレーに表示され、ヘルメット内臓式照準装置や照準装置と武器管制用ディスプレーに射撃情報が表示され、射撃準備に入る。
「イーブン1、フォックス1!」
最初に攻撃を開始したのはF-22を装備する米空軍のイーブン隊だ。
「フェニックス1、フォックス1!」
続いてF-3を装備している日本のフェニックス隊が攻撃を開始した。
因みにフェニックス隊の隊長は日韓戦争において21機の撃墜記録を残した北見中佐と言う事もあり、再び相応の活躍を見せる事になる。
無論、中国軍も一方的にやられている訳では無い。
「反撃を開始する、第1大隊、R-77発射!!」
第1大隊を率いる林宋明大佐がそう叫ぶと彼の愛機、J-37の胴体下ウェポンベイから2発のR-77が放たれる。
そして両陣営から多数のAAM-6もしくはAMRAAM及びR-77のノズルから排出される白い煙は見事なまでの数となっていた。
兎も角、アジア戦争最後の大規模海空戦である沖縄沖の決戦の幕が遂に切って落とされたのである。




