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14話

次回からマニラ陸海空決戦と行きます。

フィリピン東南沖、日本国防海軍・空母瑞鶴艦上

「射出準備完了!用意・・・・・・射出」

射出機(カタパルト)士官(オフィサー)がそう言うと瑞鶴に搭載されているF-35C陣風Ⅱ戦闘攻撃機が次々に空へ舞いあがる。


瑞鶴は護衛として長門、加賀に率いられた第1国防艦隊と第2国防艦隊を引き連れ、中国軍空母山東を捕捉すべくフィリピン沖へ展開していた。


その頃、セレベス海の上空では空母カールビンソンを中心とした第5艦隊所属の空母機動艦隊を攻撃すべく山東を飛び立ったJ-15(シー・フランカーC)が低空を縫う様に飛行し、米艦隊へと接近していた。

そしてそれを捉えたカールビンソンからはすぐさまF/A-18EとF-35両艦上戦闘機がJ-15を邀撃(インターセプト)すべく飛び立つ。

一方で既に上空では日本国防海軍のF-35Cが中国海軍のJ-15に対してAAMを一斉斉射し、戦闘行動を開始していた。

「シーガル1より各機、これより攻撃態勢に入る!!」

『シーガル2了解!』『シーガル8了解!』『シーガル12了解!』

「シーガル1、フォックス1!!」

隊長がそう叫ぶと彼の愛機の翼下に装備されたAAM-4Cが遥か低空を飛行する中国軍のJ-15に向けて飛翔する。

AAM-4Cは前にも述べた通り、AAM-4シリーズの最終形態で、射程の延伸、ラムジェット化による高速化、命中及び機動性の向上を施した。

それ故に搭載しているレーダーシーカーも世界最高峰のものとなり、次期国産戦闘機のF-3及び日米共同開発のF-23Jに搭載される為に開発されたAAM-6”21式空対空誘導弾”の母体ともなっている。


閑話休題、3分くらいすると低空を飛行していた各J-15のコックピット内ではミサイルの接近を知らせるアラームが鳴り響き、各機チャフを放つのと同時に旋回する事によってAAMの回避を試みようとするが、AAM-4はチャフ(電波妨害用金属片)電子的妨害(ジャミング)に対する耐性が強く、特にジャミング源を捕捉、そこへ向かう事が可能といわれている。


中国軍の電波妨害仕様のJ-15が最初に排除されると、次々に他のJ-15も撃墜され、山東を飛び立った30機の内、翔鶴戦闘隊で11機が撃墜され、米軍イージス艦の放ったSM-6により7機が撃墜され、残った12機の内、6機もESSMやF/A-18とF-35の放ったAIM-120によって撃墜され、対艦ミサイル搭載のJ-10はそうそうと戦線離脱、山東搭載の航空機のうち、実に半分は壊滅した。


だが、数時間すると再び中国軍は戦闘機36機からなる攻撃隊を発艦させ、空母ステニスに対して対艦攻撃に挑んだのである。

「攻撃隊、これより攻撃に移れ!!」

『了解、攻撃隊、これより米艦隊を攻撃する!』

隊長を務める林大佐が命じると攻撃隊の隊員たちはすぐに愛機の翼を翻し、米艦隊に向けて超低空で飛行し、対艦ミサイル発射態勢に入る。


無論、米軍も反撃しない訳ではない。

イージス艦サンプソン戦闘指揮所

「目標、中国軍Su-33戦闘機、SM-6斉射(サルヴォー)!」

艦長のJ・ノナカ中佐がそう叫び、副長兼砲雷長のM・チンがミサイル発射スイッチを押すとサンプソンの前部VLSから6発のSM-6が放たれる。


サンプソンだけでは無い、米海軍の代表的イージス艦であるA・バーク級のJ・P・J、カーティス・ウィルバー、スプルアンス、キッドに加え、船体については陳腐化したとは言え、優れた戦闘能力をいまだ維持し続けるタイコンデロガ級巡洋艦シャイロー、レイクエリーもSM-6を放つ。

そして上空でも・・・・・・

「バスター1!フォックス1!!」

第195戦闘攻撃飛行隊”ダムバスターズ”の飛行隊長、セルゲイ・ウォルソン中佐がそう叫ぶと愛機、F/A-18Eの翼下からAIM-120D先進型AMRAAMが目標へ向けて飛翔する。

そして3分もしない内にSM-6とAMRAAMの前に中国軍攻撃隊は壊滅的な打撃を蒙るが、それでも対艦ミサイルを放とうとする。


中国軍攻撃隊は強力な米軍の防空網を命辛々突破し、対艦ミサイルを遂に放ち、駆逐艦キッドの煙突にその対艦ミサイルが命中し、キッドは中破した。

「やりました、攻撃が成功しました!!」

林大佐がそう言った次の瞬間、彼の目には旋回直後で機体の後方を見せた米軍艦載機F-35Cが目に入ったのである。

(貰った!!ここで撃墜すれば、この戦争で撃墜5機目で撃墜王だ!)

しかし彼の油断は取り返しのつかない事態を生み出す事となったのである。

その頃、そのF-35の操縦室内では・・・・・・

「目標感知!!ダイヤモンド1、フォックス2!」

操縦士のエリック・リチャードソン中佐がそう叫ぶとAIM-9が後方へ向かって飛翔していったのである。


そして林大佐は次の瞬間、回避を試みるために急激な機動を取るが、そこを狙ったかのように他のF-35が放ったAIM-120が彼の愛機に命中、林大佐はJ-15諸共砕け散ったのである。

だが中国海軍航空隊は出撃させた18機のJ-15と12機のJ-10のと引き換えにF-35を3機、F/A-18を2機撃墜し、イージス艦1隻を大破させる被害を与えたが、沈没には至らず。

それ故に米軍が戦術、戦略的に勝利した形となったのである。


そして中国軍はマニラに戦力を終結させ、最終決戦に臨もうとしていた。

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