女王の出会い~選ばれし少年~
小さい時から・・・
私はなんでも手に入った。
私の気に食わないものは全部大人が処理してくれた。
何でも手に入った。
何でも削除できた。
何もしても許された。
でも・・・・私にとってこんなもの・・・
なんの幸福でもなかった。
なんの努力もしないで手に入る人生。
どんな壁も他人が壊してくれる人生。
どんな失敗も反省がいらない人生。
あぁ・・・
なんてつまらないのだろう・・・
つまらないというなの苦しみ。
この苦しみは私の性格を闇へといざなった。
私は・・・
鬼畜な鬼畜な女王様。
ガシャンッ!!
「何をやっているの・・・」
そう言って私はメイドを冷徹な瞳で見つめる。
どうやらメイドが紅茶をいれようとしてカップを割ったらしい・・・
「もうしわけございません。」
メイドは急いでカップを拾い始める。
いつもならこんな使えないメイドさっさと削除してる所だけど・・・
「早く片付けなさい。 今日は大事なお客様が来るの。」
今日の私はとても とても気分がいい。
なぜなら・・・
今日は新しいものが手に入るから。
新しいもの・・・それは・・・
汐崎 蓮地。
彼に会ったのは半年ほど前。
いきなり屋敷の警報ベルが鳴った。
何事だと思いベルの鳴るきっかけとなった庭へ出てみると・・・
見たこともない男子がそこには居た。
「・・・・あんた・・・誰?」
執事やメイド達が部屋に戻るよう指示してきたが私は男子との会話を続けた。
「ご・・・ごめんなさい、 僕なんか悪いことしちゃいました?」
まず質問に答えなさいよ・・・
私は心の中でそう思った。
「人の敷地に無断で入ってきたのよ、」
我が家の屋敷はとにかく広かった。
私くらいの子供なら迷い込んできてもおかしくない・・・
それにこんな人数に囲まれて状況が理解できてないのだろう。
「し・・・敷地・・・?」
その男子はキョロキョロと辺りを見回す。
どこの子か知らないがこんな豪邸に迷いこんだことがないのだろう・・・
私の説明を聞いても辺りを見回してもいまいちまだ理解できてない様子・・・
「不法侵入で警察につきだしてやる・・・こい小僧っ!」
執事の一人が男子を捕えようとする。
「下がりなさいっ! 執事のくせに出しゃばるなっ!!!」
私は話の途中で男子を連れていこうとする無能人間を睨みつけた。
「もうしわけございません・・・」
捕まった男子がまた解放された。
「今日中に出ていきなさい。 あんたみたいな人間いらないわ」
私は元執事にこう命じた。
執事は一瞬悪意に満ちた顔をしたが逆らえないと思ったのか無表情でこの場を去った。
「あ・・・あの・・・僕は・・・」
なんだか迷い込んできた怯えるウサギを私が虐めているようだ・・・
男子には何にもしてないのに・・・
「・・・ちょうど暇だったの、私の話相手になりなさい。」
男子は少し考えた後でOKの返事をした。
まぁ私の誘いを断るなんて許さないケド・・・
それからしばらくその男子と話した。
男子の名は蓮地と言って、見かけと違って男らしい名前だった。
最初はあまり気が付かなかったが、なかなか綺麗な顔をしていた。
背も高い・・・顔もまぁいい・・・・性格も頼りないが優しそうだ・・・
私の傍にいてふさわしい男・・・そう思った。
そして私は彼を手に入れることにした。
はいっ!
新しい少女出てまいりましたぁ~☆
女王様かぁ~www
なりたいけどなったら人生つまらないだろうなぁ~(-_-;)?