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国道で寝てたら人生終わったと思ったら始まった件 〜黒糖飴を奪い返したら大富豪に拾われた〜第2章  作者: Nao9999


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第11話:選別する者たち

第2章スタートです。


“選ばれる側”から一歩進んだ主人公。


しかしそこは、さらに厳しい世界だった。


今度は、自分が“選ぶ側”になる。

その意味を知ることになる。

「ここからが本番です」


教育係の声。


その言葉の重みは、第1章の時とはまるで違った。


「選ぶ側、か……」


小さく呟く。


正直、実感はまだない。


だが――


「甘くはありません」


即座に言われる。


やっぱりな。


「具体的に何するんだよ」


歩きながら聞く。


向かっているのは、今まで入ったことのないフロア。


静かで、人の気配が少ない。


「人を見ます」


シンプルな答え。


だが、続けて言う。


「そして、“通すか落とすか”を判断する」


足が一瞬止まりそうになる。


「……マジかよ」


思っていたよりも、重い。


「はい」


淡々とした返事。


「あなたも、されてきたことです」


言われて気づく。


確かにそうだ。


俺はずっと、見られてきた。


選ばれてきた。


「今度は、それをやる側です」


ドアの前で止まる。


「覚悟は?」


試すような目。


俺は少しだけ考えて――


うなずいた。


「やるしかないだろ」


本音だ。


ここまで来て、引く気はない。


「では」


ドアが開く。


中に入る。


そこは――


会議室のような空間だった。


だが普通じゃない。


前に並ぶ椅子。


そして、その前に立たされる数人の人間。


緊張した顔。


不安そうな目。


(あいつら……)


すぐに分かる。


“候補者”だ。


昔の俺と同じ。


「今日の対象です」


教育係が小さく言う。


「……多いな」


ざっと見て10人ほど。


年齢もバラバラ。


服装も違う。


だが共通しているのは――


“選ばれたい顔”をしていること。


「あなたは3人担当です」


「3人?」


「はい」


資料を渡される。


名前。

簡単な経歴。


だが――


それだけ。


「これだけか?」


思わず聞く。


「はい」


即答。


「最後は、あなたの判断です」


つまり――


責任は全部こっち。


「……なるほどな」


軽く息を吐く。


逃げられない。


「始まります」


教育係が一歩下がる。


「あなたのやり方で構いません」


その言葉で、完全に任された。


前に出る。


3人の前に立つ。


全員が、こっちを見る。


あの時の俺と同じ目。


(……分かるよ)


その気持ち。


でも――


「名前、いいか?」


一人目に声をかける。


自然と口が動く。


「はい!」


緊張した声。


「なんでここに来た?」


シンプルな質問。


だが、本質。


男は少しだけ戸惑って――


答える。


「成功したくて……」


その言葉を聞いた瞬間。


(違うな)


直感で分かる。


悪くはない。


だが、弱い。


「次」


二人目。


女性。


「あなたは?」


「自分を変えたくて」


その目は真剣だ。


だが――


(まだ足りない)


何かが薄い。


「最後」


三人目。


無口そうな男。


目だけが、やけに強い。


「……理由は」


聞く。


男は少しだけ考えて――


言った。


「見て見ぬふりが嫌いなんで」


その瞬間。


空気が変わった。


(……こいつ)


俺と同じだ。


だが――


違う。


もっと、荒い。


未完成だが、芯がある。


「……」


一瞬、迷う。


この感覚。


分かってしまうからこそ、迷う。


「判断してください」


後ろから教育係の声。


逃げられない。


決めるしかない。


「……一人だけ通す」


口が勝手に動いた。


「三人目」


静かに言う。


一人目と二人目の顔が曇る。


分かる。


その顔。


俺もした。


「理由は?」


教育係の問い。


俺は少しだけ考えて――


答えた。


「軽くないから」


それだけだ。


シンプルな答え。


だが、本質。


「……そうですか」


教育係はうなずく。


「記録します」


淡々と書き込む。


それで終わり。


あまりにもあっさり。


「……これでいいのかよ」


思わず漏れる。


「はい」


変わらない声。


「それが、この世界です」


胸の奥がざわつく。


これが――


選ぶ側。


「……」


選ばれなかった二人が去っていく。


振り返らない。


その背中が、妙に重い。


「慣れますよ」


教育係の声。


「そのうち」


その言葉に、少しだけムカつく。


「慣れたくねぇな」


正直に言う。


女性は少しだけ目を細めた。


だが――否定はしない。


「それでも、やるんですよ」


静かな一言。


分かってる。


分かってるけど――


「……ああ」


うなずくしかない。


俺は、もうこっち側だ。


逃げられない。


だが――


「ちゃんと見る」


小さく呟く。


それだけは、絶対に曲げない。


教育係は、その言葉を聞いて――


ほんの少しだけ、安心したように見えた。


第2章が、静かに動き出した。

第2章を読んでいただきありがとうございます。


主人公はついに“選ぶ側”に立ちました。


しかしその現実は、想像以上に重く、

簡単なものではありません。


ここからは、人を選ぶ責任と、

この世界の本質にさらに迫っていきます。


引き続きよろしくお願いします。

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