第73話 後日談編 ジュリアス様との愛しい時間の後に……
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そんなある日――夜の夫婦時間を堪能していると、リコネルは私に頭をスリスリしながら甘えつつ、今夜もこれは励みそうですねと覚悟を決めた時でした。
「ねぇジュリアス様?」
「どうしました?」
「わたくし、今日と――ってもエッチな気分ですの」
「そそそ、それは大変ですね!」
「お風呂に入った後は……タップリと愛してくださる?」
そう甘えた声でおねだりされては、堪えねば男が廃るというものです!
寧ろ、寧ろお風呂に入る前にとリコネルを抱き上げると、夫婦用の寝室に入り、明け方までついつい時間は掛けましたがリコネルが満足するまで愛し合いました。
「んふふ……。今日は徹夜ですわね?」
「ええ、特に大きな仕事が入っていなくて良かったと思いました」
「ごめんなさいね? なんだか凄くエッチな気分でしたの。こんな感じ久しぶりで」
「本当ですね。でもエッチな気分の時の貴女も、素敵でしたよ」
「ああん! ジュリアス様後1回!」
「流石にもう無理ですよ……」
言葉通り、絞りつくされてしまったのですから出るものも出ません……。
それでも欲しがるリコネルを可愛がり、最高に気持ちよくさせ終わってから2人体を軽く清めて湯船に入り、リコネルはウットリした様子で私にしがみ付いて幸せそうにしています。
あんなに激しく求められるなんて久しぶりで、少々腰や腹筋が痛いですね……。
「リコネルは今からゆっくりと休んでくださいね?」
「あら、でも」
「受け身の貴女の方が、負担が大きいですから……ね?」
「ジュリアス様……」
「とても情熱的な夜でした……。第二子が出来そうですよ」
「まぁ、うふふ!」
そう言って微笑む姿は正に天使のように美しいリコネルは頬を染め、私の首に両手を回して擦り寄ってくる姿も愛らしい。
こんな冴えない見た目の男だというのに、リコネルは全ての愛情をもって抱きしめてくださる。
仕事を頑張らねば!
国の為に、リコネルの為に、そして未来を担うシャルの為に!
「うふふ、何を気合入れてますの?」
「この国をさらに良くする為に、そして貴女とシャルの為に頑張らねばと思いまして」
「まぁ……。アルフォルト王国の国民は幸せ者ですわね。優しくも頼もしい国王が守ってますもの」
「そうありたいと願い、行動しているのです」
「ええ……とてもご立派で素敵ですわ……。でもあまり無茶を為さらないで? わたくしが言えた事ではありませんけれども」
「ふふっ! 情熱的な夜だったからいいではありませんか?」
チュッとキスをされて、私からもチュッとキスを贈り返す。
夫婦仲はリコネルが押しかけ女房に来てからも円満で、幸せな時間。
流石に親子ほど年が離れていると喧嘩する事も本当に稀ですが、直ぐにお互い仲直りが出来る関係は、とても有り難く感じます。
「さぁ、そろそろ湯船から上がってベッドで休んでいてください」
「そうさせて貰いますわ」
チュッとキスをしてから一緒に湯船から上がり、身体を拭いてから私は執務用の服に、リコネルは楽な服装に着替えて、ドアの前で抱き合ってから仕事に向かいました。
「おはようございます」
「おはようございます。今日はリコネル王妃はお寝坊の日ですか?」
「ええ、私も出来ればお寝坊の日にしたい所なんですけどね」
「昨夜は随分と楽しまれたんですね」
「ええ、リコネルが離してくれなくて……カティラスが新しく仕入れてくれた精力剤が無ければ、頑張れなかった事でしょう……」
「相当効き目がある薬ですが……それでも足らないくらいでしたか?」
「そうですね、お恥ずかしいながら」
「それはそれは」
『第二子が近いのう!』
ルンルン気分でドアを開けて入ってきたのはクリスタルで、後ろで頬を赤くして入ってきたのはドグでした。
そう言えば、今日から執務室で仕事を教えるんでしたね。
「申し訳ありませんジュリアス国王陛下。そんな日に俺が来てしまい」
「いえいえ、仕事は仕事です。第二子を作るのは仕事ではありませんが、愛しい妻とのそう言う時間があるからこそ、国の為にもっともっと尽くさねばと思うのです」
「そう言う……ものでしょうか?」
「少なくとも私はそうですね。愛しい妻と、愛しい我が子の未来が幸せである為には、国の父となる国王が頑張らねばなりません。それは如何なる時でも大切な事だと理解しております」
「――流石ジュリアス国王陛下です! 若輩者ですが、どうぞご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします」
「気を張り過ぎず、まずは流れを見て覚えていきましょう。解らない事があれば都度質問を」
「はい!」
こうして一日の仕事がスタートし、途中眠気にふらつきながらも、錬金術の作ったという眠気覚ましは苦いものの強力で、眠気を飛ばしつつ執務に励みました。
それから3か月程過ぎた頃には、ドグの成長は目覚ましいものでした。
リコネルとの難しい専門の話にもついていける程に知識を蓄えていて、シャルダン王国の未来はきっと明るい……そう思っていた時、問題が発生したのです。




