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断罪された悪役令嬢は押しかけ女房~第二の王都と呼ばれる辺境領地で、彼女の夢を応援してたら第二の国になりました~  作者: 寿明結未(旧・うどん五段)
悪役令嬢は愛妻なんです!

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第32話 おちおち休んでもいられませんのよ?

ブックマーク、評価、感想、誤字脱字報告ありがとうございます。

此処から昼12時頃と夕方6時頃の更新になります。

 リコネル商会の花屋開店。

 その滑り出しは、最初こそ順調ではありませんでしたが、数日もすれば質の良い花を購入できる事や、店員の気持ちよさから評判になって行きました。

 特に噂雀を使ったわけでも無いのに、口コミで「リコネル様は孤児院の子供達の仕事先まで考えていらっしゃる」や「園の噂を聞いたか?」等など、色々と広がっているようです。


 リコネル商会で働くことでのプラスな部分、特に給料のボーナスや、女性雇用に力を入れている事も広まると、リコネル商会で働きたい人たちが続出しました。

 しかし、厳密な面接を超えた先にある就職と言う事で「リコネル商会に勤める事は狭き門」とまで言われ始めた頃、園も開園にこぎつけることが出来ました。


 園に入る子供達の入園式は簡略化され、私の挨拶及びリコネルの挨拶が手短く行われた事と、一部で問題が起きた事、そしてそれをリコネルは跳ね除ける事態も起きました。

 園を纏め上げる【園長】と言う役職に付いたサーザリンと言う女性が子供を預ける大人達に園の決まりごと等を説明し、各親に園の説明が書かれた書類を手渡し、目を通した親達からは驚きの声も上がったものの、洗濯物が週1でも片付くのはありがたいと言う事で受け入れられました。


 その事もあり、リコネルへの悪評は少しずつ落ち着きつつあるようです。


 全体的に良い滑り出しをし、リコネルも商会運営が落ち着きホッとした頃、気が付けば結婚して半年が過ぎていることに気が付きました。

 半年後には小説、絵本、挿絵や絵のコンテスト結果が出されます。


 本屋兼カフェで働く元々王都でリコネル商会で働いていた5人は、日々投稿されてくる本の選考と絵の選考も同時に進めております。

 リコネルの「お願い」により第一次選考、第二次選考、第三次選考まであり、第三次選考が終わった時点で小説家としてリコネル商会で働ける切符を手にして絵や挿絵でも同じで切符を手に入れることが出来るようになるようです。


 また、落選した場合、簡単な注意点や感想、直したら良いポイント等も多少なりと評価として戻ってくるらしく、それで次のやる気へ昇華してもらえればと考えているようですね。


 さて、肝心の避難民達はどうなったかと言うと……。



「何時まで経っても王都に戻った大人達からの連絡が無い」



 と言うレゴラスからの依頼により、エリオ率いる偵察部隊に王都へと向かい、王都へと戻った大人達がどうなっているのか調べてもらったところ、既に王都にいないことがわかりました。


 ――ならば何処に行ったのか?


 調べると、一部は辺境領へと戻ったようですが、家族を捨ててまで別の領に向かった者も多く、またその後を追跡したところ、村を起こした住民として斬首刑になった者たちも多くいたことが判明しました。


 家族を捨ててと言う事は、残された家族はどうなるのか……大事な働き手であった男性が亡くなると、一気に生活が苦しくなります。

 特に大家族で移動していたりすると、その生活は特に厳しいものになるのです。

 その為の保護制度もありますが、それを家族に伝えるのは領民になってからでも遅くは無いでしょう。



「ふぅ……」

「まぁ、どうなさいましたの?」

「いえ、この所立て続けに仕事が続いたので久々に疲れただけですよ」

「まぁ! ご自愛なさって?」

「そうですね、久しぶりにゆっくり休む時間を作りたいところですが、肝心要の私の愛する妻が休まないので困ってしまいますね」

「この書類が終わったら、わたくしも一休みしますわ」



 そう言って苦笑いを浮かべるリコネルですが、最近お互いに仕事疲れで目元にクマが出来てしまっていますね。



「フフ、お揃いのクマが出来ていますね」

「本当に、改革には時間も労力も使いますものね。でもおかげで領民が働きやすい、生活しやすいように改革を進めたつもりですわ」

「ええ、ええ。リコネルは本当に頑張っていらっしゃいます」



 とは言っても、避難民へ対する啖呵は領民の間でも有名になってしまい、一部では心無い言葉が口に出されているのも事実です。

 特に園の入園式の際、心無い親達から糾弾するような言葉を浴びせられましたが――。


『悪役でも悪魔とでも好きにお呼びなさいませ。わたくしは死ぬまで領民とジュリアス様の為に働きますわ』


 そう言ってのけたリコネルは、気高く美しい聖母にすら見えました。

 グッと言葉を詰まらせた親達。

 そして、そんな様子を冷静に見つめ纏め上げたサーザリン園長。

 今思うと、濃厚な時間を過ごしたものだなと、少しだけ小さな溜息が出てしまいました。



「……さて、この問題もどうしたものか」

「どの問題ですの?」

「王都へ行った領民問題と、現在の王都の現状です。そろそろ危ういと言われていますね」

「あぁ……」



 王都が機能しなくなって久しく、調べてみると国王が心労で倒れてしまっているのだと言うのです。

 そんな中、王子は好き勝手やらかしているようで、他の領からも不満が爆発しそうになっているが現状……。我が領には、通常納めるはずの税金がリコネルを渡すまでは10倍だと言うアホな内容で届いており、このまま辺境領を王国から切り離し、1つの国にしてしまおうかと悩んでしまう事も。


 現状、どうする事もできない状態ではありますが、王都はもう長くない。

 クリスタルの怒りは既に爆発寸前でしょう……。

 そうなった時、どうなってしまうのか。

 それまでは流石の私でも予想が出来ません。



「取り敢えず、避難所へ行き、今回の調査結果を伝えなくてはなりませんね。そして領民になるか、王都に戻るかも決めてもわらなくては……」

「わたくしも着いて行きますわ」

「でも他のお仕事が」

「着いて行きますわ」

「……はい」



 こうして、私達は避難民の方々のいる避難所まで、コレが本当に最後の通達と言う意味合いも含め、報告書を手に向かったのでした。


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