酔った勢いで10年来の親友をお持ち帰りしたら逆に押し倒された件
久しぶりの投稿
百合は…いいぞ
「ぷっっはー!!!!」
なみなみとジョッキに注がれていたビールがみるみるうちに減っていく。
「恵梨ったらおっさんみたいじゃない?」
「いいのいいの!いまさら佳苗に気ぃつかうことなんてないでしょ?」
そう言うと、佳苗はお通しを口に運びながら笑みをこぼした。
「最近仕事どう?」
「それがさぁ、あのクソ課長まーたセクハラしてきて!」
ん?なんか一瞬佳苗がすごい顔してたような…気のせいかな?
「それ大変じゃない?恵梨はすごくかわいいんだから、自分を大事にしなくちゃダメだよ…?」
「こうして佳苗と飲めてるうちは大丈夫だよ。あ、生おかわりー!」
「もう、またそういうこと言って…」
「あれ、顔赤くない?もう酔っちゃった?」
「知らない!私も生くださーい!」
~4時間後~
「ちょっと佳苗?歩ける?」
「んー…」
「まったく、世話が焼けるんだから…」
もう営業時間は終わりのようで、店を出るように促された。
とりあえず私の家が近いからそこまで連れて行こうと思い、佳苗をおぶって支払いをする。
店を出るともうすっかり夜も更けて、風が心地いい。
「恵梨…」
「佳苗起きた?」
「好きだよ…」
ドキッとする。
「私も…佳苗?…寝言かぁ」
家に着く頃には佳苗も起きていた。
「ねえ、いつまで乗ってるの?」
「えりのせなかおちつくんだよぉ…」
…これは酔ってるな。
「ほら、水飲んで」
「ありがと…」
私も水を口に含む。
「…ねぇ、、、」
「ん?どうしたの?」
呼びかけられて振り向くと、目の前に佳苗がいて―――
抱き着かれた。
押し倒された。
「ちょ、ちょっとどうしたの?」
「もう我慢できない」
「え、え?」
「ずっとこうしたかったんだ」
「佳苗?まだ酔ってる?」
「そんなことない!恵梨がセクハラされてるって聞いてすごく胸が苦しかった!」
「私……ずっと、高校生の頃からずっと、」
「佳苗…」
私は佳苗の目元を拭って、そっとおでこにキスした。
「私もね?ずっと好きだったんだ」
「でも女の子同士だし、こんなこと言ったら迷惑かなって…」
「恵梨…」
どちらからともなく目をつむる。
初めてのキスはお酒の味で、でもなんだか甘酸っぱい気がした。
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これからも自分のペースで書き続けます。