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第361話 復讐はまだ終わらないのでした

~~ヘラ~~



「ヘラ様、魔王の紋が戻り――」


「あ~はいはい。見てたから知ってるわよ。そのまま置いといて」


 チッ!チッチッチッチッ!


 あのまま魔神に負けてりゃいいものを。エスカロンのヤツが下手に粘りやがったせいで保険の自爆装置まで作動しねぇしよぉ~お!


 ああ~つまんねぇ!面白くねぇ!


 でもぉ~……ケッケッケッ!あたしにはまだ切札が残ってんだよぉ~ん!


 絶対にあの世界は破滅させて――


「悪い顔しとるのう。ま~だなんぞ企んどるのか」


「……フレイヤ。何の用よ」


 このタイミングであたしのとこに来るってこたぁ……こいつも覗き見してたなぁ。出歯亀女めぇ。


「知っとるようじゃが魔王の紋はお主のとこに戻ったはずじゃ。はよう元の世界に戻して安定させい」


「あ~はいはい。ちゃんと後でやっとく――」


「ダメじゃ。今やれ。わしの眼の前でな」


「――あ?なぁに上から目線で言ってくれてんだ、てめぇ」


 ――チッ。こいつ、なぁにか感付いてやがんのかぁ、


「相変わらずメッキが剥がれるの早いのう。いいから早うせい。それとも何か?なんぞ都合悪い事でもあるのか」


「――チッ。あんたには関係ないでしょ。いいからもう帰んなさいよ。シッシッ」


「……はぁ~~あ。やはり、まだ諦めとらんのじゃな、貴様は」


「……やはりって何よ。何か根拠でもあるのかしら」


「お主、傲慢の魔王はどうした。七つの大罪の魔王の内戻ったのは六つ。傲慢の魔王はあの世界から消えたまま。ああ~他にも消えたものがあったのう。それらをどこにやった。何に使うつもりじゃ、ええ?キリキリ白状せんか」


「チッ!チッチッ!あたしの世界も覗き見しやがったな覗き魔がぁ!」


 だぁがぁ……こうやって問い質すってこたぁ、あたしの作戦まではわかってないなぁ。


「誰が覗き魔じゃ。お前がエロースにちょっかい出しとる事はもう周知の事。わしだけじゃなく他の神々も注視しとるわい。早う吐け」


「――フン。そう急かさなくても直にわかるわよ。てか、自分の担当世界の管理に集中したらぁ?」


「集中したいからサッサと吐いて欲しいんじゃがな。お主、まだあの世界にちょっかいかけるつもりじゃろ。残った手駒で何をどうするのかまではわからんが……ハッキリいってお主の執着は異常じゃ。何故あの世界にそこまで拘る」


「……エロースには何しても良い事になってるじゃない。問題無い筈でしょ」


「たわけ。エロースのやらかしで被害を被った神はエロースに報復するのは問題無し、エロースは全て甘んじて受け入れるべし。それが懲罰委員会が決めた事。じゃがエロースが管理する世界にまで被害を出すのは御法度。ヘラ、お主は既に一線を越えておる。もう懲罰委員会は動き出しておる。これ以上はやめておけ」


「……嫌よ」


 懲罰委員会とか知ったこっちゃねぇなぁ。最後の計画はもう動いてんだよぉ。あたしには引く気は一切ねぇんだよぉ!


「はぁ……どうしてそこまでエロースに復讐したいのじゃ。どうしてそこまであの世界に拘る。いや、わしもお主と同じでヤツに煮え湯を飲まされたのじゃから気持ちはわかる。じゃが、それならヤツ自身に復讐せい。ムチ打ちでも何でもやればええじゃろが。エロースが管理する世界に、あの世界に執着する理由がわからん。何がしたいのじゃ、お主は」


「ムチ打ちなんてやっても喜ぶだけじゃない、あの変態は。『偶にはSMプレイもオツだよね』とか言って」


 他にも肉体的苦痛は全部プレイに変換しちゃうド変態だろがぁ。だぁかぁらぁ……やるなら精神的苦痛なんだよぉ。


「あの世界はエロースが主神でしょう」


「あの世界はエロースがメインとなって創造した世界じゃからな。それが何じゃ」


「つまり、あの世界はエロースの子供のようなモノ。エロースのお気に入りの世界なのよ」


「それは全ての神々にとってそうじゃな。己がメインとなって作った世界とは己の理想が詰まった箱庭。なればこそ愛着も湧くというもの。それはお主も同じじゃろう」


「そうよ。だからこそ、あの世界をメチャメチャにしてやるのよ。エロースが作った世界で最も若い、あの世界を、ね」


 それぐらいしないとぉ……あたしの気は治まらないんだよぉ。


 グッチャグッチャのメッタメタにしてぇ……ゆっくりと滅びゆく世界を眺めるといいんだぁ。


「だから、何故じゃ。何故そこまでエロースに復讐を望む。確かに、あの事件の時にお主も眷族を失っておる。じゃが、お主は自分の眷族に其処まで愛情を持っておらんではないか」


「……」


 確かにぃ、あたしの眷族は仕事さえこなせばいいからぁ、最低限の感情しか持たせてないからなぁ。愛情なんてねぇなぁ。


 あたしは、あたしが一番大事なんだよぉ。


「だからぁ……あたしを傷付けたエロースが……許せねぇんだよぉ!」


「あたしを……傷付けた?」


「あぁ~アイツはぁ男神にも成れるのは知ってるなぁ?」


「ああ、うむ。エロースだけでなく一部の神は性別を自由に変えれるの。それがどうした」


「アイツはぁ……アイツはなぁ!あたしの処女を無理やり奪ったんだぁ!」


「…………………………………………………………は?」


 アイツはぁ!あたしが万年彼氏無しで万年処女だって事を嘆いて愚痴ったらなぁ!じゃあ僕が貰ったげるとか言って押し倒して無理やり奪ったんだぁ!


「だってぇのになぁ!アイツはあたしの彼氏になるのをなぁ!拒みやがったんだぁ!そんなん赦せるはずがぁ!ねぇぇぇだろぉぉぉがぁぁぁ!!!」


「………………」


「なぁんだぁ!そのぉ頭が痛てぇってツラぁ!これ以上ねぇっ理由だろがぁ!」


 本当ならなぁ!エロースをくびり殺したいくれぇなんだぁ!


「つまり、何か?お主らの争いは一言で言えば痴情のもつれじゃと?そういうわけか」


「痴情って言うなぁ!あたしの黒歴史だぁ!この復讐を果たさねぇとなぁ!あたしの記憶から消せねぇんだぁ!!」


「……………………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「なぁんだぁ!そのなげぇ溜息はぁ!」


 あたしはぁ……あたしはなぁ!エロースを絶っっっっっっっっっ対に!赦さねぇつて決めたんだぁぁぁぁ!

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よしもうジュン棒でわからせたれ(゜д゜) 千年くらい
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