すしとくもと浮浪
わさびのきいた寿司を食う
味噌汁は
赤だし
寒空の下
鳴いている
声
に
耳を
すまして
聞いている
ここはどこか
わからなくなっている
今どんなことをしているのか
知りたいと思ったことが
この日の天気は
晴れのちくもりのち
知らずしらずのうちに
生えてくる
茶色の
植木鉢の
横の
隅っこ
に
気兼なく
くつろぐ
象
大きな
大きな
象と
一つになった
茶碗のかけら
には
うろこ
残響の
聞こえる音の
中に
きえる
わたしの
かげ
と
つきと
たいようの
うた
世の中のルール
が私のなか
に入っているというなら
まちがいに
きづいたとしても
それは
わたしのせい
ではないのか
という
安心感だけを
胸にして
生きている
人たちだけが
あつまる
世の中には
未来がない