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アンドロイドの君へ  作者: 阿賀野基晴
第1章 アンドロイド
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第17話:君の記憶


「一応、ほんとに大丈夫なのか?」


俺は最終確認をする。

なんて言ったってルールを破るわけだ。

麗奈も怒られるだろうし。


「大丈夫ですよ。ログを書き換えますので。」


「え、そんなことできるの。」


さらっと凄いことをしてるな。

だったら、まぁ


「それでも人がいないところだけ、行くか。」


「はい。」


俺達はこの前の裏路地の方へと歩いていく。

警戒はしているが、それでも堂々と俺は歩いた。


「もう暗くなりましたね。」


「ん?そうだな。今日は星が良く見えそうだ。」


住宅台を抜けて少し奥に入れば街灯もない。

そこまでいけば星が見えそうだな。


「星が見えそうなとこまで行こうか。」


「そうですね。楽しみです。」


俺達はこの前通った紫陽花の道を通る。


「やっぱり、ここは綺麗ですね。」


「麗奈が小さな頃はよく来ていたんだがな。この前久々に行って、懐かしかったなぁ。」


「本当に…綺麗。」


そう言えば―


「綺麗、なんてことはちゃんと理解できるんだな。」


「えぇ。きれいなものは綺麗ですよ。」


「そうか。じゃあ星もきれいだといいな。」


俺達はその道をさらに奥へと進む。


「そう言えばこっちも昔も来たことがあったな。それも麗奈が小さい時だったか、何しに行ったんだっけな。たしか―」


「中学生くらいの時でしたよ。夏休みに行った気がします。」


え。


「な…。」


「ここの景色も…私は見たことがあります。」


始めてくる場所に対して、そうアンドロイドは言う。

そのまま、俺達は目的地へと到着した。

平がる星空の下へ。


「…どうして君が、それを知っているんだ?」


「…分かりません。思い出した…と言うか…。そんなデータがあります。」


麗奈がそう組み込んだのか??


「ほかにわかることはあるのか??」


「えっと…病院…?それから…うぅ…。」


そう言ってアンドロイドは少し表情をしかめる。


「もういい。すまない…。」


苦しそうなアンドロイドを支える。


「…なんで君が…。君は…本当に…。」


『本当に機械なのか』

そんなことを言ってしまいそうになった。


「修二…さん。」


まだ苦しそうな表情をする。


「すまない。もう帰ろうか。」


「…はい。」


俺達は来た道を引き返す。


「修二さん…星、綺麗でしたよ。あの時みたいに。」


そう、アンドロイドは小さくつぶやいた。

苦しそうな表情の中、口元だけでも笑みを浮かべようとしながら、そう言った。

だから、俺には最後の方が上手く聞き取れなかった。

そんな事よりもとにかく今はこのアンドロイドを苦しみから解放させることに必死だった。


「…もう何も考えなくていい。行こう。」


俺はアンドロイドの手を引き、ゆっくりと帰る。

星空をバックに後ろを振り返りながらゆっくり。

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