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アンドロイドの君へ  作者: 阿賀野基晴
第1章 アンドロイド
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第14話:一人きりの君


「それじゃあ行ってくるよ。」


昨晩の小さな宴会から一夜明け、新しい朝がやってきていた。

麗奈はと言うと、爆睡してはいたものの夜遅くなる前には翔君が家に連れて帰ってくれていた。

今日ちゃんと起きれたかどうかの心配はいらないだろう。

翔君もいるし、壮太の送迎だってある。

そんなことを心配されるような娘ではない。


俺はと言うと、皆が帰った後は次の日、つまり今日に備えてそうそうに寝支度を済ませた。

アンドロイドはと言うと『就寝などは必要ないのですが、情報整理などをするつもりですので、他の動作は制限されると思います。』と言っていた。

確かに、俺がお風呂を出た後アンドロイドは椅子に座ったまま目を瞑り、固まっていた。

朝俺が起きた頃には動作していたが。


まぁ、色々あったが、今日から俺は久しぶりの出勤になるわけだ。

そして今、玄関にて出発点の準備が完璧にととなった。


「修二さん行ってらっしゃいです。」


「あぁ。…さっき言ったこと、ちゃんと頼むよ。」


「はい!」


俺は昨日のようなことがあってはと少し不安もあり、朝食を食べながらアンドロイドに『家に誰が来ても出なくていいからな。もちろん電話とかもだ。それでも何かあったらすぐ俺に連絡してくれ。』と言っておいた。

これで何かあることは間ぁないだろう。


ピロン


メッセージが届く。


「ん?麗奈からだ。」


『やばい。さっき起きた。E-00に私が仕事して遅くなったっていうように言っておいて。』


「…。」


「どうかしました?」


「いや、行ってくる。」


「行ってらっしゃいです!」


俺は何も見なかったことにして家を出た。


*********************


「先生お久しぶりです。体調はどうですか?」


俺の研究室の学生が声をかけてくれる。


「あぁ、長いことすまなかったな。いない間に何か困ったことはあったか?」


学生には、体調不良と言うことで話が通ってあった。

学校側にはちゃんとした理由を言っていたが。

しかし、数日間休んではいたものの、学生から何か急な問い合わせなどはなかった。

それもこれも、普段はちゃんと研究をしているおかげだろう。


「特に困ったことはなかったですよ。」


「そうか。じゃあ研究室にいるからまた何かあったら言ってくれ。ミーティングは明日の午後で。」


そう言って俺は自分の研究室へと行き、鍵をかけた。

さて、今から研究…と言うわけではない。

もちろんそんなことをしている余裕なんてない。

今はとにかく


アンドロイドが心配なのだ。


だが直接アンドロイドに無事を確認するのもなんだか照れ臭い。

いや、意識することもないんだけど。

とにかく、無事かどうかを確認するには、麗奈に連絡すればいい。


プルルルル…プルルルル…


「…出ないな。」


そう言えば朝何か社会人としてどうしようもないことを言っていたな。

昼時で休憩中のはずだが、休憩は無くなっていてもおかしくないだろう。

それかもう少し遅く休憩をとるのか。

まぁ、電話に出ないのならメッセージを送っておこう。


「『E-00は今どんな感じだ?』…と。」


後は連絡を待つだけだな。


***********************


「…昨日掃除もしましたし、何もすることがないと困りますね。」


独り言をつぶやくアンドロイド。


「宅配もないし、電話もありませんし、本当にすることがありません。麗奈も…どうやら忙しそうですしね。」


そう言いながらアンドロイドは目を閉じて言う。

目を閉じてネットワークでつながっている麗奈の社内端末を見ているのだ。

端末の動きが活発だから、きっと仕事で忙しいと判断した。


「はぁ~。やるこ…っっ!?!?」


視界情報は遮られ、そのまま床に倒れこむ。

それから、アンドロイドはピクリとも動かなくなった。

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