15.ファーストコンタクト
キリが良いので短いです!
カルステンはもう一つの魔物被害について語り始めた。
港町アザレはイワーナ国の最大貿易港として存在する。海運による貿易を行う為比較的大型の船舶が出入りする海の港であると同時に、陸運にシフトチェンジするターミナル港だ。
海を隔てた東の国々との貿易船はかなりの量で、魔物による損失はかなりの額に登っていた。
最大のクラーケンを四人が退治したのでこれからはかなり改善は見られるだろうが、出来ればセイレーンの被害もどうにかしたい所だ。
カルステンはシードラゴンに守られたセイレーンについて話すと、四人は一斉に蒼を見た。
「ドラゴンで反応しないでくれ。シードラゴンは私の配下にはない」
四人が言わんとする事を察した蒼はキッパリと言い放った。
龍神たる蒼は確かに龍種の頂点ではあるが、全ての龍種が蒼に従っているわけではなかったのだ。
「そうなんだ。私、てっきり眷属なのかと…」
「自分もそう思いました」
「俺も」
「妾もじゃ」
キョトンとみんながみんな、蒼を見つめ呟くのを聞き、少しげんなりした様子を見せた。
「しかし、神出鬼没を退治しろとは面倒だな」
コホンと一つ咳払いをし、蒼は話を進める。
「申し訳ございません。私どもでは手に余る故、皆様では如何なものかと…」
さすがにカルステンも言い淀んだ。せめてセイレーンの住処でも見つけていれば話が早いのもわかるのだが、そうではなかった。
「もし宜しければユング殿もお連れ下さって大丈夫ですので…」
「道案内出来るのか?」
蒼の問いにユングは被りを振る。
「ただ今まで被害に遭った地点は限られて居ますので…」
そう言ってユングはテーブルに赤いバツマークが書かれた海図を広げた。
「この辺りを重点的に調べてみてはどうかと思いますが…」
「わかった」
蒼の返事にカルステンとユングは大きく胸を撫で下ろし、息を吐いた。
「もちろん船は手配しますので」
口元を綻ばせながら言うと今まで静かに話を聞いていた煌が口を挟んだ。
「やった!船旅?」
「そうなるな」
くりっとした丸い目をキラキラさせる煌に蒼は静かに告げた。
「話は以上かな?」
「あの、差し出がましいようですが、もし宜しければ我が家に滞在なさいませんか?」
今まで黙っていたクヌートが恵美を見つめながら口を挟んできた。
「そうですね。出発まで我が家で滞在されませんか?船の準備などに少し時間をいただきたいですし…。皆さんのご予定などは如何ですか?」
カルステンに聞かれて蒼は恵美の方を伺うように見つめる。
「友人を街に案内したいのもありますが、準備にどれくらいかかりますか?」
「三日程いただければ」
「では三日後で大丈夫ですよ。それまでに友人と観光をしておきます」
たおやかに微笑む恵美にカルステンも口元を綻ばせ、クヌートは破顔した。
こうして最初の会談はどうにか穏便に済ます事が出来た恵美達は船の準備が整うまでの間、翠羅と共に観光をやり直し、恵美は力を抑えながら使う術を学んだ。




