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見習い冒険者キャロと魔法銃のエヴァ  作者: ノア(断頭台)
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魔法とは

「疲れ‥‥ました」


ぐったりと、机の上にへばりついてしまいます。

図書館の本は分厚く、そこに読み書きの訓練までお姉さんがしてくれたので、しっかりと内容は頭に入りはするのですが、初日としては、かなりハードだったのではないでしょうか。


帰りにほかの買い物を終えて、お姉さんは、私をてきぱきとお風呂で洗って、今、料理を作ってくれています。


「そういえば、お風呂」


あったかいお湯をはる。

お湯を作るのも相当の、労力が必要です。だって、人が体を沈めるには、其れこそ、バケツで何度も運ばないといけません。

しかも、この宿にはいくつも、部屋がある上に、全ての部屋に備え付けられています。


「冒険者になるなら、そこに、何故。を考える」


お姉さんが帰り道で教えてくれました。

魔物を倒すにも観察が必要。

なら、今の君はそれを日常で磨くべきと。


まず、水がどこから。


この町には、井戸はあります。

噴水などもあります。でも、『水を直接送ってくる』機能は供えられていません。


しかし、宿の上に、大きな容器がありました。

なら、そこに、水をためておけば、問題ないのでしょうか。


ですが、水がタンクに直接入る仕組みは考えにくいです。そして、もし仕組みがないのだとすると、水をわざわざ屋上に持ち上げる必要があります。しかし従業員の人はおじ様と数人の雇われさんです。

果たしてそんな重労働を、無償で行えるでしょうか。


しかし、たしかなこととして、水はおそらくあの入れ物から流れています。

帰りに歩いているといくつかそういう入れ物がある建物がありました。

全て大型の建物でした。


次に、どうやってお湯になるのか。


容器の中でお湯に変える何かがある?

と考えますが、お湯に直接変えているのであれば、水を用いることができません。

冬はともかくとして、夏は不便に思えます。


「キャロ。ご飯できたよ。ぼーっとしてたけれど、大丈夫?」


「は、はい!えっとお姉さん」


さっきまでの考えを話してみます。

すると、納得したようにうなずいて、お姉さんは答え合わせをしてくれます


「ん、キャロ。まず、水に関して。あれはタンクっていうんだけど、キャロの言うように、水を入れる容器みたいなもの。ここはまず正解」


お姉さんが、紙に私が考えていたことを纏めて、一つずつ解説してくれる。


「次に、水を入れる方法。これは、冒険してないキャロにはわからなかったよね。」


「えっと。じゃあ・・・・・、魔法なんですか?」


「そう、正解だよ。私たちがお風呂とかでつかう水は全部おじさんの作った水。

水を出すだけなら初級の冒険者でも、というよりも、水を確保する為に、一番最初に覚えたりする子は多いね。まぁ、作り手が、おじさんだから、水が流れてるところに近くなくても、問題ないってこと」


なるほどです。

魔法はいろいろあるって教わりましたけれど……。


「じゃあ、お湯にはどうやって変えてるんですか?」


「そっちはアイテムだね。それ自体はかなり高額なんだけど、水の温度を変える魔法石が水の出るところに埋め込まれてあるんだよ。

これも、やっぱり冒険都市以外だと出回りはしても高いから、あんまり村とかでは見られないかな」


「……知らないこと、ばっかりですね」


「さっきも言ったけどそれは当然。冒険者以外は、魔法自体はしってても、それを体感するっていうのは難しいからね」


「……少し、疑問なんですけれど、ほとんど、だれでも使えるんですよね?なんで、皆さん覚えないんですか?村で魔法を使える人なんて、いませんでした」


魔法はほとんどだれでも使える。

と、お姉さんは言っていました。


お姉さんが言うことを聞いている限り、魔法を習得すること自体は誰でもできる。

其れなのに。どうして広まらないのかが、私にはわかりません。


「んー。そうだね。じゃあ、魔法はどうやって覚えるか、わかる?」


問いかけられます、が、どうでしょう。

魔法を覚えるために勉強を、ということは、知識が、いえ、文字を読める必要がある・・・・・?


「えっと、本とかを読む?ですか?」


「うん正解。本を読めなきゃいけないんだ」


それだけなら、簡単。

なように思えます。


「まぁ、前提条件だけれどね?でも、キャロちゃんは本を読めなかったでしょ?」


「う……、そうですね」


一人で学ぶのは難しいですし、それに、村にも学校はありませんでした。


「うん。どこの村もそう。普通の村って、農家とかが基本だからあんまり、文字を使わないからね。せいぜい、村長さんとかが、読めるくらいかな?だから、文字を読める人は都市部じゃないといない。だから、ここで、まず、第一ハードルとして、文字が読めることが必要になる」


「でも、それなら、村長さんくらいなら、魔法を使えるんじゃないですか?

その方が、どの村も豊かになれますし」


少なくとも、水の魔法があれば、井戸の設置を考えるのも簡単になります。

代々、伝わってもおかしくないと思います。


「それはね?魔法を覚えるための本は、複製が極めて難しい。魔力も込めなきゃいけないし、其れ専門の魔法を使える人が必要だからね。一つの魔法だけでも、50ページくらいを、魔力を込めながらってやると、それだけで、数か月かかったりすることもあるんだ」


「そ、そんなにですか!?」


こくり、とお姉さんがうなずきます。


「そう、だから、その金額も思ってるより、すっごく高いの。それこそ、それだけで豪邸が10軒買えるレベル。だから、図書館でも魔法の本に関しては持ち出し禁止、高ランクの冒険者の指導の下でしか見せれないし、盗難対策の魔法もかけられてるんだ。手に取ることは簡単でも、持ち出すとなったらそれこそ、国の王様でも難しいくらいさ。だから、これも、冒険者の先輩がいないと、冒険者になるのが大変って理由」


そう考えるとこれから魔法の本を触るのが怖くなります。

もしも、破れたり汚したりしたら……。


「まぁ、本自体に、不変の魔法がかけられてるからそこは大丈夫。ページをめくる以外、どうやったって変化は起きないさ。何なら、ギルドが燃え尽きても本だけは無傷なくらいにね。ってことで、これが二つ目のハードル。要するに冒険者とのコネがなかったら、魔法を習得すること自体が難しいんだ」


そして言い切ると、お姉さんは手をぱんぱんとたたいて笑います。


「ほら、ご飯が冷めちゃうよ。だからはやくたべよ?」


「は、はい!」


私はそう返事すると、おいしいご飯に、手を付け始めました。


口の中には、優しい暖かさが広がりました。

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