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見習い冒険者キャロと魔法銃のエヴァ  作者: ノア(断頭台)
17/22

吐露

帰ってきて、まず、服を脱がされました。


・・・・・いえ、変な意味ではないのです。

改めて、怪我をしていないかの確認をしてもらっただけです。


一応、あの時はお姉さんの介入があって、攻撃事態はふれていなかったので、怪我はしていませんでした。

そして、そのまま、ひょいと、抱え上げられ、お風呂の中に連れ去られてしまいました・・・・・。


流石に今回は、お姉さんに先に、浴室に放り込まれました。

……えぇ、まぁ、前回。じーっと見てしまったのがいけないのです。


でも、仕方ないと思います……。

あんなの反則なのです・・・・・。


「キャロ?」


えぇ、反則なのです。


「お姉さんはなんでそんなに大きいんですか」


「え?なんで?」


「……だって、私、15歳なのに、全然大きくならないし・・・・・」


「……?ん?」


少し不思議そうな顔をする、お姉さん。

やっぱり、全然大きくならないのが、おかしいのでしょうか?


「……成人してたの?」


「は、はい」


あれ?言っていませんでしたか……。

と思い、考えてみれば、えぇ。

言っていませんでした。


年齢が話題に上がったのも、……冒険者ギルドの時でしたが、その時はお姉さんは、別室で待機していましたし。


「・・・・・あぁ‥‥うん。いや、なんでも、ないんだよ?」


そういいながらも、撫でる手は少し普段とは違います。


こう、なんというか、よそよそしく。


「……。お姉さん?嘘はダメです!何が……」


「私より、年上なんだよ……。キャロ」


……。


空気が凍りました。

えぇ、いや、物理的ではないですが。


「・・・・・え、えっと、お姉さん?何歳ですか?」


「・・・・・12だよ」


「じゅう・・・・に・・・?ですか?」


……


「6歳から冒険者として、魔力の特性。で、まぁ、戦闘自体は問題なかったから、寧ろ、世渡りのほうが大変だったね。・・・・・まぁ、9歳くらいにはもう、かなりおっきくなってたから、そんなに不審がられなかったけれど」


数字、だけは問題はないです。

旅に出た年齢がおかしいということを除いて。


納得がいくことも少しあります。


登録の際に、受付のおねえさんがわらってたのはお姉さんが年下だって知ってたからですね・・・・!


「うぅ・・・・・許すまじです、イザベルさん。・・・・・教えてくれてもよかったのに‥‥!」


「えっと、たぶん、互いに、こう、ならないように配慮してくれたんだと思うよ?」


「そう、ですけどぉ……」


今迄、年下の子に、色々、よくしてもらっていた。

お姉さんといって甘え切っていた。


そう思うと、ものすっごく恥ずかしい。


「・・・・・まぁいいか」


「ふぇ!?ちょ、ちょっと!?」


ぽすり、っと、前にされたように、椅子に腰かけさせられ、軽くお湯をかけられる。

そして、以前のように、泡立てられたシャンプーで髪を洗われる。


うぅ、前の時は、素直に、年上のお姉さんに、優しくしてもらっている。

と、素直に思えていたのに今はどうでしょうか。


年下の、女の子に、優しく接されて、頭まで洗ってもらってるお姉さんです。


ものすごく、こう、情けないのではないでしょうか。


「まぁ、どっちにしても、私の弟子。甘えなさいな」


「あぅ……」


えぇ、そうでした。

そもそも、最初から、お姉さんの、師匠の善意でここにいるのです。

なら、それが情けない、なんて言ったら、お姉さんに失礼ですよね。


……


「エヴァ、さん」


「なぁに?キャロ」


「……これからも、私は、お姉さん、って、呼んでいいんでしょうか。お姉ちゃんみたいに、思っていいのでしょうか」


少し不安です。

今迄は、年下、ということで、きっと、見てもらっていました。

子どもだから、これはもう、言い訳に出来ません。


相手は私よりも、年齢的には小さな女の子のはずです。

それに甘える、なんて。


「何言ってるのさ。断るわけなんてないでしょう?私は師匠で、アリスとキャロ。二人のお姉ちゃん。キャロはいや?」


しかし、エヴァお姉さんから……。

お姉ちゃんから帰ってきた言葉は、肯定。


断るどころか、むしろ、受け入れてくれると。

ずっと、結果的にだましていた私を。


「うぅ・・・・・」


ぽろぽろ、と、涙が伝います。


「大丈夫。ここは、あまえても、大丈夫なところ。キャロを傷つけるなんて、誰も望んでないから」


……優しすぎるお姉さん。

年下の、まだ。12歳の女の子であるはずなのに、私よりもずっと、お姉さんで。

お姉ちゃんです。


なら、私は。


「……これからも、よろしくお願いします。お姉ちゃん」


素直に、言葉を吐き出せました。

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