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見習い冒険者キャロと魔法銃のエヴァ  作者: ノア(断頭台)
16/22

敗北の後

腰が抜けて動けないままに修業が終わってしまいました。そして、そのまま、お姉さんにおんぶされています。


「キャロ。どうだった?」


「はへ?」


「……初めて、魔物に殺されかけて」


・・・・・そうです。

私は、殺されかけたんでした。


「え、っと、キャロ?大丈夫?」


「あ、は、はい!」


実際のところ・・・・・。


「……お姉さんの魔法に驚いて、怖くは、なかったです」


驚いた、というのも、正しくない。

目を奪われた。


「すごく、綺麗な魔法でした」


一瞬だけ、白い光みたいなものが見えました。

たぶん、あれ自体には、破壊とか、そういう力はありません。


「……あれはね、私の魔法の特性を最大まで引き出したものなんだよ」


魔法の特性・・・・・。

お姉さんは、たしか、基本属性の魔法を使えない、って、いってて。


「空間魔法。他の大勢の人が使える魔法が、私の魔法だよ。けれど、他の大勢の人には私の魔法は使えない」


「お姉さま?いいのですか?」


なにか心配なのか、そう、お姉さんを見上げながら、アリスちゃんは問います。


「大丈夫。どうせ修行のうちに教えるつもりだったしね?さて、空間魔法。っていうのは、前に教えたよね?こういうの」


そういうと、何もない空間から、水筒を取り出すお姉さん。

たしか、はじめのころに言っていた……。


「うん。一人前の冒険者ならみんな使えるっていう。空間魔法の一つ、収納。これは誰でも覚えられる。でも、普通は、他に空間魔法は覚えられない。空間魔法は、他の魔法と違うからね」


「さっきの、魔法は?」


「あれは、応用なんだ、本当は、別の地点と別の地点をつなげる魔法。それを利用して魔力を加速させて、銃弾の速度を高めて。こっちが本当のほうでね?弾丸に乗せられたのが、空間ごと周囲を捩じ切る。だから、消えたようにみえたんだ。圧縮、って言ってもいいかもね」


「……もしかして、其れかなり危ない魔法なんじゃないですか?」


「危ないですわよ。実際。基本的に防御ができない魔法ですから。魔物であれ、人であれ、当たれば即死を地でいきますわ」


当たれば即死・・・・・。


「もっとも、コントロールが難しくて、大変だけどね」


あ、やっぱりそうなんですね。


「勘違いしてはいけませんはキャロお姉さま。この、コントロールが難しいは、高い方向ですから。

無駄な殺傷力を落として、必要なだけな火力にするのが難しいというだけですわ」


「・・・・・どれだけ、なんですか?」


ちょっと興味がわきます。


「お姉さまが、冒険に出たころ。魔力を思いっきりこめて銃を撃った結果、この国にあった、一番高い山の名前が変わりました」


「……?」


「つまり、山一つが消し飛んだせいで、順位が変動しました。・・・・・二番目に高い山も消し飛んでしまったので、3番目が一番高い山になりましたが」


「や、山ですか……?」


「あの頃は、……教えてくれた人が思いっきりこめてみろって言ったからね。まぁ、それ以降は制御に苦心したけれど」


……なんだか知らない話を楽し気にされると、……。寂しくなります。


「……どうしたの?」


「あ、え?えっと、な、何でもないですよ?」


「うで、力入ってたよ?寂しかった?」


……ばれてました。


「……そうだね。仲間外れはよくないよね・・・・・うん、今日は一緒に寝ようか」


「な、なんでそうなるんですか!」


「独りぼっちは寂しいだろうからね、・・・・・だから、今日はゆっくり話そう?明日は修行はお休みにして、ね?」


優しい声で、お姉さんはそういってくれます。


「あ、アリスはダメだよ?」


「そ、そんな!」


「だって、胸揉んでくるでしょ?今日は一人で寝なさい」


……私もたまに触っているので深く突っ込めません。


「キャロはもっと、甘えなさい。小さな子供なんだから大人を頼ればいいからね?」


そう、ゆっくりと頭を撫でられます。

……今日の夜が、楽しみになってしまいました。


・・・・・怖さは、もう、なくなっていました。

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