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見習い冒険者キャロと魔法銃のエヴァ  作者: ノア(断頭台)
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武器の選択

「身体が動きません・・・・・」


「わたくしも、ですわ……」


「ん、お疲れ様。今日は帰ろっか」


あれから、2時間。なかなか指定のモンスターが見つからずに、うろうろと彷徨って、ようやく見つけたころには日がすっかりとくれていました。


魔物を倒すのには精神を使いますがそれでも時間はかかりませんでした。

慣れればこれも、作業みたいに行えると思います。


……っと、いけません。

たぶん、慣れは恐ろしいことです。


魔物はつよい、油断をしたら、どんなことになるか分からない。


「はーい、じゃあ、荷台に乗ってね?」


というと、取り出したのは、小さな荷車。


「お姉さんが連れて帰ってあげるからのんびり寝ておきなさいな」


馬、ではなく、どうやら、お姉さんが引いてくれる、そうです。


「い、いや?!そ、そんなのできませんよ!?歩けますから!」


「其れでもギリギリでしょ?ほら、乗って乗って。明日も修行あるんだよ?」


うーん、と悩み、アリスちゃんを見ますが、そっちはすでに乗り込んでくーくーと、ちいさく寝息をかいています。

ご丁寧に毛布まで取り出して完熟睡眠モードです。


少し悩みましたが、お姉さんの好意に甘えるほかありません。

意地を張っても仕方ありませんし、体が疲れてるのは事実なのですから。


「……お願いします」


「ん、よろしい」


しかし、がたがたと揺れる荷台ではなかなか眠れません。


「・・・・・・お姉さん、魔法についてもっと、教えてください」


「ん、いいよ。じゃあ、そうだね。実は魔法は、一人一人全く違うものを覚えてるんだ」


違うもの・・・・・?


「習得度、とは別なんですか?」


「うーん。違うのかな?一つ目の魔法が同じなら、同じなんだけどね。例えば、1%火炎の魔法を覚えた人だけならまったくおんなじ魔法になるよ。でもこれは一つだけの時。魔法を体に覚えさせるとき、魔力の通り道に変化が起きるんだけど、複数覚えると、それが組み合わさって、また違う回路ができる。その時に、二つの魔法はそれぞれ影響し合うんだ。だから炎と雷の魔法を1%ずつ覚える人と、炎と水の魔法を1%ずつ覚えた人では元々あった魔法も違う魔法になって、結果的にほとんどの人間が別々の魔法を覚えるってことになる」


それで、魔法を一杯覚えたら、それだけですべての魔法に影響するから、全く別の、魔法になる。

……初級の魔法だけであれだけあるんだから、一杯覚えなくても、そうなるのかな?


「……でも、全部覚えたら、一緒になるんじゃないですか?」


「まぁ、理論上は、でも、覚える順にも影響されるからねぇ……。それに、全ての魔法をっていうのは実際のところほぼ不可能だからね。やっぱり一人一人別の魔法、っていうのが一番かな?」


「となると、4大属性を覚えれる可能性があるってだけじゃあ、足りないん、ですかね?」


「どうだろうね。それは、アリス次第さ。あの子も努力家だし。たゆまぬ鍛錬次第。かな?」


……その前に起こるあの激痛に耐えることまで考えると本当に精神的なところでの問題が大きいかもしれません。


「あ、そうだ。あしたから、ナイフは使わずに別の武器で練習を始めるよ。

魔力の通し方はもう、わかってきたみたいだし、得意な武器を探っていかないとね。アリスはもう弓で決めてるだろうし。そこが終わったら、次の訓練かな」


次の、訓練。

そうでした。

・・・・・魔物を倒せれば、それで一人前、ではありません。

冒険者のギルドでしっかり一人前とされるまでは、まだまだなのですから。


すっかりお休みのアリスちゃんを起こして宿でお風呂に入り、その日はアリスちゃんと就寝です。

わたしには姉妹がいなかったので、お姉さま、と慕ってくれるアリスちゃんは、本当に妹のように感じます。


そうなると、お姉さんとも姉妹になるんでしょうか・・・・・。


「……エヴァお姉ちゃん」


あぁ、だめです、とっても恥ずかしいです……。

こんなの正面からいうのはたえきれません。

もっと甘えん坊になってしまいます。


「……寝ましょう」


そういって、私はアリスちゃんを抱き枕にぐっすり寝ました。

うぅ、ゆっくりと、アリスちゃんに身長が追い付かれている気がします。


もう、成長期何て早いです……。


次の日。

修行の場所に出向くと、お姉さんが取り出したのは、大量の武器武器武器でした。


いつも使っているナイフから、私の身の丈よりも長い剣。

槍や槌、銃なんかもある。


「まぁ、基本は多分ナイフになるだろうけれど、それだけじゃアブナイからね」


と、言ってはいますが、それでもこんなに用意する必要はあったのでしょうか。


と、とにかく、魔法を一通り通してみます。

ナイフは、普段やっていますし、剣をもってみます。

雷は通ります。たぶんナイフよりも効果的にですが、少し、振りに、後れを感じます。


次々に、武器を入れ替えます。

まず重たい武器は除外します。

私の体では扱いきれません。

戦闘での一秒の遅れは、命に直結します。


次に、遠距離の武器ですが、……弓を引くのには意外と技量と力が要ります。

それに、照準もうまく合わせられませんでした。


となると、銃なども、向いていません。


「……お姉さん、ショートソードでお願いします」


結果として、ナイフよりも長いけれど、大きな剣でないものが、私の得意武器、となりました。

・・・・・身体さえ出来上がっていればもう一度、挑戦したいことを、伝えたうえで、ですけど。


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