サヨナラプラネット
サヨナラ
僕がこの惑星に降り立ち目を覚ました時、そこは既に廃退しきっていた。歩くことすらも容易ではない地面には建物としてもはや機能していない建造物だったものが立ち並んでいた。
僕が知っていたこの惑星はもっとキラキラしていて、少なくともこんなにも静かではなかったはずだ。それが今となってはどうだ。この地面、そして建造物だったものもそうだが僕のお父さんたちも、お父さんたちの家族も、友人も、知らない人だって、みんな今となってはもう誰が誰なのかなんてまったくこれっぽっちも分かりやしない。
きっともうこの惑星には僕しかいないのだろう。そんな気がする。さっきまではみんな楽しく生活していたはずなんだけど、もうみんなここにはいない。
ちょっとだけ僕が生まれてきた時の話を聞いてほしい。
お父さんたちは僕が生まれてきた時、みんな嬉しそうだった。これで幸せになれるってね。
僕の名前は『ハピネス』お父さんたちはみんな『えいちぴーえす』って僕のことを呼んでた。
僕は絶対にハピネスのほうが呼びやすいと思うんだけど何故か一人として僕のことをハピネスと呼んでくれる人はいな無かった。酷い話だよね。息子の名前を一度たりとも呼んでくれないなんて。まぁ、誰とも血は繋がってないけどね。
そうそう、ハピネスって言うのは幸せって意味なんだ。僕はお父さんたちを幸せにするために生まれたんだけど、気がついたら僕以外だれもいなくなっちゃった。お父さんたちもみーんないなくなっちゃった。
あぁあ、なんで僕は生まれてきたんだろう?
もう誰もいないけど