6-2
「…で?」
「え、えっと…」
エーファの言葉にユラは、しどろもどろになりうまく言葉を出せず、どうしようかと思いながらエーファを見つめる。
「あ~、さっきは悪かったよ。
別に、ユラの事を責めてる訳じゃ無く、ただ推論が私の範疇を超えていたから、その…声を上げてしまったのよ。
…ごめん」
「本当?」
「本当だから、さっさと先に進みなさいな」
「うん…」
エーファの言葉に少し胸をなでおろし、一呼吸おいて口を開き始めた。
「みんなはさ、エーヴェルハルトの事どう思ってる?」
話始めると思ったら、逆に質問で返してきたユラの言葉に、少し肩透かしを食らった感じで4人とも見つめながら、エーファ、ヴァーシャ、コルネリア、ユミハはそれぞれ一言口を開く。
「教科書に出てくる人物」
「常勝の戦術家」
「偉大なる革命の導き手」
「貴族主義の腐敗を正した革命家」
「そうよね。みんなそう思うよね~」
「あのなユラ、何が言いたんだ?」
エーファは、ユラに詰め寄ろうとするが、それを抑えて、言葉の続きを聞く事にした。
「いやね、こうやって答えてもらってもいろんな一面を見せてくれている話じゃない。
エーファのは兎も角…」
「なんでよ」
「まぁまぁ」
自分だけ除外された事憤慨するエーファに、ヴァーシャは肩w叩いて落ち着かせる。
「でもそれは、授業や報道などで受けた印象じゃないかな。
人によって、受ける印象は味方によって違う訳だし、かれの成果や結果は、私達はそれ以上の事知り様が無いわけだしね」
「そこなのよ。
人によって印象が変わる。どんな状況でも必ず成果と結果を出すという。
それって、どうなのかな~て」
「だ~から、それが何だっていうの?」
「ユラ先輩、それってエーヴェルハルトが出来すぎているって言いたいのですか?」
エーファの言葉を遮る形でユミハは、ユラの言いたげな言葉を訳する形で口にした。
だがそれは、ある意味エーヴェルハルトの功績を否定する形と捉えかねない発言なのかもしれない。
それでも、ユミハはユラの信条に同調したいと考えての言葉だった。
「そう、出来すぎなのよ。
だってエーヴェルハルトは、軍人で艦隊指揮を行う戦術家であって、戦略的思考もった政治家でも経済学者でもない。
なのに、どの分野でも功績を残し、民衆から指示をされているわ」
「でもそれって、どんな分野でも卒なくこなす事の出来る、まぁいわゆる天才肌ってやつじゃないの?
歴史の転換期には、そう言った凡人には計り知れない人物て出てくるものだし」
ユラの言葉にヴァーシャは、何時の時代にも出てくるだろう、歴史的人物を引き合いに出して疑問を投げ出す。
「そうかもしれないし、そうでないかもしれない。
ただ、どんな人物にも利点があれば欠点があっても不思議じゃないじゃない。
それが人格までが、まるでこちらが切望した英雄の姿に近づいているし」
「理想を求めて曲解される。
よくある英雄談の脚色じゃないんですか」
ユミハは、言葉に興味を引きながら疑問を投げつける。
「じゃ、誰が脚色したの?
エーヴェルハルトを描いた著書は、みな似たようで、彼をたたえる物ばかり。
54年前出来事なのですから、何処からしか科の功績に対し、疑問を投げる人がいても不思議じゃないのに、それもない…
生い立ちに至って、まるで英湯になるのが初めから運命づけられてい感じだし…」
「そういう見方をすれば、生い立ちも不自然すぎますよね」
ユラとユミハの二人のやり取りに、半ば飽きてきた感じであくびしていたエーファだったが、一応話は聞いていたらしい。
「まぁ、育った環境や劇的な繁華が起きない限り、人ってそうそう変わらんしね。
それぞれの分野で、それぞれのエーヴェルハルトが活躍したって事になるのか?」
「興味がないふりて、話は聞いていたのね」
エーファの言葉に、何だかんだ言いながらも話に加わりたいという雰囲気を感じ取ったヴァーシャは、クスッと笑いが込み上げた。
「なんだよ…」
「なんでもない。
…そう推測するなら、ヴェッテルさんが見せた映像の顔の人達は、表のエーヴェルハルトと裏のエーヴェルハルトがいたという事になるわね。
ヴァーシャの言葉に、ユラとユミハは頷いて、ヴェッテルが見せた画像の意味に納得する感じていた。
「影武者ではなく多人数説…。
でも、何でもわざわざ…
ううん、それだけの人数が居たら戦後の青写真だって描いていたエーヴェルハルトが居てもおかしくないわ。
もしそうなら、まるで誰かが描いた筋書きに民衆はその上を歩かされている感じね…」
ヴァーシャの言葉に、自分達が選んでいた道が、誰かが描いた筋書きかと考えたら4人の背中に悪寒が走った。




