7話 チュートリアルクエスト
7話 チュートリアルクエスト
掲示板を一通り冷やかした後、昼飯を腹いっぱい食い溜めをして
いざログイン!
吸血鬼が普通の食事が出来ないと掲示板で知った俺はせめてもの抵抗にリアル昼飯を食い溜めしたのだった うっぷ…。
ログインして目に飛び込んで来たのはとても巨大な噴水だった。
「あれ?ここでログアウトしたっけなぁ…?」
確か街の案内板の地図のある場所でログアウトしたはずなのだが…。
そうしているうちにも次々とプレイヤーたちが噴水の廻りに現れる。
「なるほど、噴水がログインホームポイントだったのか…。」
ホームポイントとはログインしたときや敵にやられて死に戻りした場合に復活地点となる場所のことだ。
新しい街についたら必ずその場所でセーブしておくのはMMOでは当たり前の事だ。
確認の為噴水に手を伸ばすと『この街は既にホームポイントとしてセーブしてあります。』と頭の中で声が響いた。
むぅ…あの声はシステムメッセージの声だったのか…
いわゆるレベルアップしました。とか返事がない…ただの屍のようだ。とか普通のゲームではログに出るメッセージがこのゲームでは頭に直接響いて来るらしい。
親切と言えば親切だが少しうるさい気がする。
こういう時は設定…設定と…。
頭の中で考えていると目の前に透明なボードが現れる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・ステータス
・アイテム
・フレンド
・設定変更
・困った時には?
・ログアウト
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
よし設定変更→音声→ボリューム少→決定 っと…。
俺は手早くボードを操作し音声を下げるのだった。
さてと…。まずはチュートリアルクエストを受けないとな。
俺、今は無一文。金なしだ。
このままではレベリングしようにもアイテム買う金すらない。
まあ防具はガラポンで手に入れたダーク装備一式が有るにはあるが…。
周りには初心者装備一式を着たプレイヤーであふれていた。
ここでダーク装備装備したら悪目立ちするよなあ…下手するとさらされるかもしれん…。
そんなのはゴメンなのでさっさとチュートリアルクエストをして金とボーナスアイテムを手に入れようと思う。
チュートリアルクエストと侮るなかれチュートリアルクエストには初心者がゲームになれる手伝いするという一面もあるのだ。
チュートリアルクエストである一連のクエストをコンプリートすればこの街の周辺に居るモンスターに負けない位の力と知識が付くのだ。これもMMORPGのお約束だ。
「さて、チュートリアルクエストのキャラクターはと…。」
辺りを見渡すとある一角にプレイヤーが並ぶ長蛇の列を見つけた。
「げっ…。マジか…」
列の長さに尻込みするが尻込みしたって始まらない。
俺は頭をかきながら列の一番後ろに並ぶのだった。
……どれぐらいの時間が過ぎただろう。
クエストを受けるのはすぐ済むらしく列はじりじり前進し続けているが、とにかく人が多く未だチュートリアルクエストのキャラクターは見えない。
「いつまでかかるんでしょうねぇ…。」
後ろから声をかけられ振り返るとそこには、黄色いネズミ?のようなライカンスロープの男性がいた。
しかしどう見てもピ○チュ○を擬人化したような見た目にたじろいでしまう。
「あ、わかります?僕あのゲーム好きなんですよね。」
一体いくつなのだろうか…。
あのゲームは俺が生まれるはるか前からリリースされ続け今では20作を超える超ロングセラーゲームだ。
しかしあのネズミはかなり昔に別のモンスターに看板の座を譲り渡したはずだが…。
「まあ、初日だしね。どんなゲームでも初日は人でごった返すもんだよ。」
俺は肩をすくめながら言った。
まあこのゲームは人多すぎだが…。
掲示板によると一説には約10万人がこのゲームをやっているらしい
ソースはないので眉唾ものだが。
そしてログインする度に4つあるサーバの空いている所に振り分けられるらしい。ちなみにフレンドになった場合フレンド同士同じサーバに振り分ける親切仕様だ。
「ですよね~。早く順番こないかなぁ。」
ネズミ君が耳をピコピコさせながらつぶやく。
ライカンスロープにはあんな機能もあるのか…。
まあ確かに動物は耳や尻尾なので感情表現するが……
そうこうしているうちにも列は進んでいきチュートリアルクエストキャラクターの姿が見えてきたのだった。
そして遂に俺の番がやってくる。
「良く来たな。旅人よ。ここは、始まりの街ゼロズの街だ。
どうやら君は身分証明書を持っていないみたいだね。
それではこの街では不便だろう。冒険者ギルドに行くと良い。きっと君の力になってくれるはずだ。」
プレイヤー達に一字一句全く同じ台詞をしゃべり続けた兵士はやはり俺に対しても同じ台詞をしゃべりかけてくる。
そう、いくら技術が進歩しようともゲームNPCはNPC簡単な受け答えが出来る程度のAIしか持っていないのだ。
まあ、限定イベントや重要イベントにはいわゆる中の人と言う開発スタッフが動かしている特別なキャラクターが居るらしいが
ノーマルなキャラクターは所詮この程度なのだ。
『チュートリアルクエストを開始しますよろしいですか?』
頭の中にシステムメッセージが響く。
「はい。」
俺はクエストを受ける為承諾の返事をする。
ごたごたご託を並べて長台詞を言っても承諾と認められるらしいが、俺はそう言うのは趣味じゃないしまだまだ列は長蛇だサクサク進めよう。
「それならこれを持って行くと良い。」
兵士が手紙を手渡してくる。
『紹介状を手に入れた』
システムメッセージはこんなことまで仕事するのか…。
俺はあきれながら兵士が指さした建物に歩いていく。
まあ、教えてもらわなくても分かるんだがな。
何せそちらにも長蛇の列は続いているのだから。
注訳:何も装備していない状態でも一応Tシャツ短パンの姿です。
なお真っ裸になる方法もありますが基礎的に他人の目にさらされる場所では真っ裸にはなれません。
論理コードと言う奴ですね。




