50話 不思議なダンジョン
50話 不思議なダンジョン
冒険者ギルドに戻ってきた。
さっそく魔道タイプのモンスターがいるか聞いてみよう。
俺は受付嬢のところへ行き聞いてみた。
しかし、受付嬢からの返事は歯切れの悪いものだった。
「魔道タイプのモンスターですか……。ここら辺一帯は恐竜とか古代生物がメインのモンスターです。少し遠出されればコボルトの国に入りますが、コボルト自体も魔法が得意な種族ではありません……う~んこれ言ってもいいのかしら……。」
「何かあるなら隠さずに教えてくれ。」
受付嬢のつぶやきを聞いた俺は受付嬢に教えてくれるように頼んだ。
「少々お待ちください………。はい。はい。ええ…実は……」
これ、ギルドマスターとかに連絡してる奴じゃないか?
「お待たせいたしました。ここではお話できませんのでこちらへ。」
しばらく待っていると話がついたのか別室に連れていかれた。
ここ、インスタンスエリアだから誰に聞かれる訳でも無いのに……
「こちらです。お入りください。」
とある部屋の前でそう言われ部屋の中に通される。
ドアをくぐった瞬間違和感。
どうやらインスタンスエリアから出たようだ。
と、言うことは……。
「良くいらっしゃいましたね。どうぞおかけください。」
その部屋の奥のイスに座っていたのは男なのか女なのかわからない容姿の美しいエルフだった。
「ダークさんですね?初めまして。私は冒険者ギルドのマスターを務めております。トラリオンと言うものです。どうぞお見知りおきを。」
やはり冒険者ギルドマスターだったか……
何エルフか気になるが、俺は良くいる主人公みたいに気軽に鑑定とかしないぞ!相手に失礼だしな。
不思議に思うんだがあいつらって何で気軽に何も考えずに実力者にもほいほい鑑定使うのかね?
バレたときのリスクとか考えないのかな?
ここにいるのは絶対に中の人が居るキャラクターだ。
それなりに礼節を持って接していかないと……
冒険者ギルドは最初から最後までお世話になる施設だからな。
「おや、貴方は鑑定をしてこないんですね。珍しい。大抵、私と会ったプレイヤーの皆さんは鑑定されるのですが。」
プレイヤーとか言っちゃったよ!はい!完全に中の人居るの確定!
「ははは………。いやいや。ギルドマスターに鑑定とか使う気にはなれませんよこれからもお世話になるのに。後が怖い。」
「なるほど、貴方は頭もよろしいようですね。まあ、最も私に鑑定をしたところで嘘の情報しか読み取れませんけどね。真鑑定眼を持ってしてもね。便利ですよ。ぜひ貴方も覚えると良い。貴方も色々苦労しているでしょう?」
良いこと教えて貰った!これ終わったらさっそく覚えよう!
俺は絶対にそのスキルを覚える事を誓ったのだった。
「ところで魔道タイプのモンスターをお探しだとか?理由を聞いてもよろしいですか?」
「この、俺の首で寝ているこいつの餌として魔道タイプモンスターの肉が欲しいんですが……この辺一帯には居ないとか。ほとほと困ってまして。」
マスターは俺の首で寝ているアルフィンをちらりと見て、微笑んだ。
「なるほど事情は理解しました。一番手っ取り早いのはミッションをクリアーして次の街に行くことですが……貴方、ミッション受けるには少々名声が足りていませんよ?おおかた繰り返しクエストもせずに討伐クエストや大型クエストをしたんでしょうが……」
マスターは、耳に痛い事を言ってくる……。
「しかし緊急クエストとか指名クエストは名声上がりが大きいと思ってたんですが……」
普通は、そうだよな?
「ええ……確かにそうですね。でも、緊急クエストや指名クエストは1回だけのクエストです。上がりは大きいですが、繰り返しクエストを10回やるのと緊急、指名クエストを1回づつやるのとではやはり繰り返しクエストの方に軍配があがります。これからは面倒くさがらず繰り返しクエストもやってくださいね。お願いします。」
にっこりと釘を刺された。
「あ……ああ。気を付けます……。」
俺は、そう言うしか無かった。
「で、本題ですが。魔道タイプモンスターと戦える場所は有るにはあります。しかし貴方のギルドランクでは本来許可するわけには行かないのですが……この子の事は完全にこちら側の落ち度です。なので、一度だけですがその場所に入ることを許可しましょう。」
チャリ。
マスターから小さな鍵を渡された。
鍵の持つところには杖のマークが刻まれている。
「では、この者が案内します。ついて行ってください。またお会いする日を楽しみにしていますよ……。」
いつの間にか、俺の後ろにギルド職員らしき男が立っていた。
「あ、ああ……色々ありがとうございました。」
俺はマスターに礼を言い男について部屋を出たのだった。
男について行くとギルドの地下に降りる階段の前についた。
「ここの下でございます。暗くなっておりますのでお気をつけ下さい。」
男はそう言うと階段を下りていく。
俺も続いて下りていった。
地下はごつごつした岩肌の小部屋になっており突き当たりに木でできた扉がある。
「ここでございます。それでは説明させていただきます。よろしいでしょうか?」
「ああ。」
男が話し始める。
「この扉は不思議な扉と申しまして、不思議なダンジョンに通じております。不思議なダンジョンはギルドランク10から冒険者様に開放される、貴方様だけのプライベートダンジョンです。ダンジョンには種類がありそれは鍵により決定されます。ダンジョンには基本、冒険者様お一人で潜っていただきます。一緒に入れるのは騎獣、ペット、召喚獣、使役獣のみです。冒険者様がパーティーで入る事はできませんのでご了承下さい。貴方様は今回、特別にランク10ではありませんが入ることを許されました。次回からはランク10になってからのご利用になります。ここまでで何か質問はございますか?」
不思議なダンジョンと言えばこれは聞いとかないと。
「ダンジョンの内部構造は同じ鍵を使えば同じ構造なのか?」
男は首を振った。
「残念ながら内部構造は入るたびに変化し一度として同じ構造になったことはございません。それゆえこのダンジョンは別名、生きたダンジョンとも呼ばれております。」
なるほど……完全に取る猫とか試練のやつか……。
「では、続けさせていただきます。ダンジョンに入るとレベルや装備はそのまま使えますが、ダンジョン内で装備やアイテムを落として損失した場合二度と、手元に戻ってくる事はございませんのでご注意下さい。また、ダンジョンで死亡した場合、ここに転送され自動的に復活されますのでご安心下さい。もっとも鍵は使った時点で消滅いたしますので同じダンジョンに再挑戦する事はできませんが。」
なるほど……ものすごく経験値のうまいダンジョンが当たって調子に乗ったあげく死んでしまってダンジョンから出されたら、その経験値のうまいダンジョンには二度と行けないって事か。
似たようなダンジョンには入れるかもしれないが。
「ここまでで何か質問はございますか?」
「鍵の種類なんだが他にはどんな種類があるんだ?これは杖のマークが刻まれているが。」
「申し訳ございません。それに関しましてはトップシークレットでございまして、貴方様ご自身の力で探して下さいませ。一説には100種類以上があると聞き及んでおります。」
やっぱり教えてくれないか……まあ、当たり前と言えば当たり前だが。
「じゃあ、鍵の入手方法は?」
「申し訳ございません。それもお答えする事はできません。ただ一つだけ申し上げますとランク10になればおのずと分かる……と申し上げておきます。」
まあ、ランク足りてないし手に入れれる訳は無いか。
「分かった。質問は以上だ。」
「承知いたしました。それでは御武運を。」
男は一礼をし階段を上っていった。
よし、考えてても仕方ない!さっさと入ろう!
俺は鍵穴に鍵をさし……
ガチャリ。
扉を開いたのだった。
ちなみにマスターはエルフではありません。
笹型耳の美形だとエルフだと勘違いするのはテンプレですよね。




