49話 アルフィン育成計画始動
49話 アルフィン育成計画始動
「少し取り乱してしまったな。」
不満を吐き出してすっきりしたのか、少し気まずそうに親父が話しかけてきた。
運営の言いたいこともわかるんだよな……
運営がこう遊んで欲しいという希望的ルートがどのゲームにもあるものだ。
しかしプレイヤーは人間、どうしても運営や開発者の思うように遊んでくれない事がある。
その場合どうするか?
ひどい運営や開発者だとその遊び方自体できなくしてしまう
俗に言う裏パッチと言う奴だ。
プレイヤー達は知らせないでこっそりと出来なくする。
うん、最低だ。
次に少しマシになると、したければすれば良いよでもするならそれなりのリスクを負ってもらうぞ!ってやつだ。
このゲームがこれだな。
運営や開発は騎獣を対話でテイムして絆を感じて欲しい。
自分の騎獣の為なら努力してモンスター語を覚えて欲しい。
楽にバトルで力でねじ伏せるなんてもってのほかだ
犬のしつけでもあったよな、体罰はいけませんってやつだな。
まあ、中には男の友情とか少年漫画みたいにバトルで戦って絆を感じたいっていうプレイヤーも居るだろうがそんなの運営には知ったこっちゃ無いだろうな……
ペットを虐待する飼い主とか居るからな……悲しいことに。
だから騎獣屋に来たプレイヤーに警告するんだろう
親離れの儀式で対話によってクリアーするかバトルによってクリアーするか。考えさせるんだろうな
その上でリスクを取るか絆を取るかの違いなんだろう。
いやはや、考えさせる話だ。
で、俗に言う神運営ならどうするか?
それの答えは無いと俺は思う。
掲示板で神運営!と書かれているレスを目にするが
それは、書いた人にとっての神運営であって別の人にとっては神運営では無いかもしれないだろ?
MMOなんてこっちを立てればあっちが立たずあっちを立てればこっちが立たず……ゲームはそんなものだ。
反対にプレイヤーの意見をほいほい聞いてプレイヤーの希望を叶える運営はどうか?
一見良い運営に見えるが……
そんな運営のゲーム長続きするだろうか?
全ての希望が叶えられた大半のプレイヤーは言うだろう
やる事ねぇ……
つまんねぇ……
や~めた。
ゲームとはそういうものだと俺は思う。
「お前さんには色々と迷惑をかけたな…これはワシ個人からのお詫びだと思って受け取ってくれ。」
親父が机に取り出したのは……
全獣語大辞典と書いてある分厚い本
サンタクロースが背負っている袋並みの大きな何かがつまっている袋
タブレット型の透明な板
の、3つだった。
「順番に説明していこう。この辞書だがこの辞書には全てのモンスター語が載っている。これを見て龍語を覚えてくれ。龍語を覚えた後、なんなら全てのモンスター語を極めても良いんだぞ?そのためにこれを用意した。で、この袋だが……」
「ピギ~~ッ!ピギ~~ッ!」
なんか、アルフィンが興奮してるな……
「はは……、そいつの反応を見たらわかるだろうが漫画肉99個入っている袋だ。漫画肉は次の街のそばにある山に棲息するタンパツマンモスのドロップアイテムなんだが、お前さんまだ次の街には行けないだろう?この肉を使い切る迄に行けるようにしておいてくれよ。」
なるほどあの肉か………
早く自力で獲れるようしないとな。
「で、こいつが一番のキモなんだが。まあ、見て居てくれ。」
親父はそう言うとアルフィンの額にその板を押し付けた。
「ピギ~……」
アルフィンはスゲ~イヤそうな顔をしている。
おっ?板が光り始めたぞ?
「よし、できた。」
親父が手渡してきた板を見ると育成ゲームでよく見る多角形のグラフのようなものが浮き出ていた……
これってまさか……
「そう、これこそが騎獣育成に欠かせない成長記録媒体だ!まず上から右回りに、HP、MP、力、素早さ、魔力、防御、スタミナ。と、なる。」
育成ゲームのアレか……まさかこんな形で実現するとはなぁ……
「育成ゲームをやったことがあるならわかると思うがどれかを上げたらどれかが下がるそんな風になっている。上がるのはレベルが上がったときだがそれまでは予測線としてうっすらと表示されるので安心してくれ。で、どうやって伸びる能力を決定するのか……それは、ズバリ餌なんだ。」
えっ?餌?トレーニングとかじゃなくて?
「ちなみにこの漫画肉だがこいつはHPが伸び、MPが下がる。他にも色々あるので是非探してみてくれ。」
うわぁ……あったなあこういう育成ゲーム……
「あ~トレーニングとかじゃだめなのか?」
一応聞いてみる。
「その案もあるにはあったんだが……世界観に合わないって却下されたよ。ファンタジーの世界でトレーニングするモンスターといえば、大昔CDからモンスターを召喚するゲームがあったんだがあの世界観に上が嫌悪感を持っていてな……」
あ~、あのゲームね……。
上が嫌っていたら実装できないわな……。
「以上だな。さあ、遠慮せずに受け取ってくれ!」
タダより怖い物は無いと言うがタダよりうれしい物も無い。
なので、ありがたく受け取ることにした。
「じゃあな~~!無事そいつが騎獣になったら見せに来てくれ。色々とアドバイスするからな~!」
親父に見送られながら俺は騎獣屋を後にするのだった。
あ、ちなみにアルフィンは例のごとく俺の首に狐の襟巻き見たく巻き付いている。
早速冒険者ギルドに向かう道すがらモンスター語辞書の龍語のページを探して開いてみる。
そこには……。
まあ、簡単に言うと英語辞典のような感じで龍語(発音)→意味
見たいな感じでびっしりと書いてあるのだった……。
うわぁ……これは骨が折れそうだぞ……
語学スキルとかあってスキル上がったら即覚えたりできないかな……
『そんな便利な技能はありません。あまえるな。』
ひえっ……
システムメッセージさん……そりゃ無いよ………。
くそうこうなったら意地でもすぐにマスターして見返してやる……
俺は、そう心に決めたのだった。
「さて、アルフィン。お前のスタイルを決めないとな。」
こういう育成計画は最初にスタイルを決めておく事が重要だ。
漫画肉はHPが伸びてMPが下がるらしいが……
うん、何の問題も無いな。MPも欲しいがこういう場合MP延ばしたらHPが下がるようにはなっていないはずなのだ。また別のものが下がるのだろう。
力は……いらないか。攻撃は十分間に合っているし補助して欲しいな。魔力……これは是非高くしないとな!
素早さ……まあ、あるに越したことはないが別にレースに出る気も無いしそんなに要らないだろう。
防御……これは普通に考えて素早さとのシーソーくさいなまあ、あるには越したことはないか。
スタミナ……これは居る!スタミナあると無いとでは大違いのハズだ。これは上げとかないと。
まとめると魔力とスタミナが飛び抜けて高い白龍にする予定……
と、言うことになった。
魔力が増える肉かぁ……魔道タイプのモンスターかな?
早速冒険者ギルドでそんなモンスターが居るか聞いてみよう。
モンスター○ァーム新作出ないかなぁ。




