47話 騎獣屋
龍の子の名前をクリーム→アルフィンに変更。
作者も龍にクリームは無いと思っていました……
47話 騎獣屋
まばゆい光が収まると俺達は冒険者ギルドの前の巨大な水晶の前に居た。
「ふう、無事に帰って来れたか。」
初めて転移系アイテム使う時はいつもドキドキする。
あり得ないけど次元の狭間に飛ばされたりしないかと思ってしまう。
「何を当たり前の事を言うとるんじゃ……」
アルビダにツッコまれてしまった……。
「さて、こいつの餌とかその他諸々を買わないといけないな。」
いまだにアルフィンは、スヤスヤと眠っている
一応、騎獣の卵から産まれたんだし騎獣屋かな?
ペットショップもあったけどどう見てもアルフィンに合うアイテム無かったからなぁ。
アルフィンが成長したら背中に乗れるのかね?
それとも某クエストみたく子供のままでも巨大化出来るスキルを覚えてくれるのかな?
「よし、騎獣屋探すか。」
ここっぽいな。
街の一角にある建物には柵があり柵の中にはダチョウのような鳥が数羽居た。
卵を手に入れられなかったプレイヤーが最後の手段として飼うのがこの鳥なのだ。
まあ、どんなゲームでもリアルラックが無い人というのはいるものだ。
ちなみに鳥の名前はクエトリマ。
ダチョウと言うよりは大昔に絶滅したとされるディアトリマの小型な種類といった感じだ。
簡単に言うとチョ○ボの頭を鷹にしたような見た目だ。
グエッ!グエッ!
グエッ!グエッ!
クエトリマが柵の中から威嚇してくる。
見た目通り凶暴な性格のようだ。
外れ騎獣と言われる所以だろうなぁ……
こんな暴れ鳥をしつけないといけないなんて卵を手に入れられなかったプレイヤーは大変だなぁ……。
「ピギ~!」
あ~あ、あんまりうるさいからアルフィンも起きちゃったよ。
子供を起こされた親の気持ちになりクエトリマを睨もうと柵の方を見ると
クエトリマはガタガタ震えながら頭を垂れて居た。
えっ?俺はまだ何もして無いぞ?もちろんアルビダもな?
アルビダの方を見るとアルビダは感心したように頷いて居た。
おいおい……ひとりで感心してないで俺にも分かるように教えてくれよ。
「ん?不思議そうな顔をしておるが、アルフィンは龍じゃぞ?何も不思議な事はあるまい。龍とは四獣の王と呼ばれる神獣じゃからな」
あ~なんか聞いたことがあるな。
龍とは獣の頭(一説には駱駝の頭に鹿の角)蛇の体(爬虫類)に鷹の足(鳥)そして魚の鱗を持ち合わせたキメラのような存在らしい。
この要素を持つため獣、爬虫類、鳥、魚は龍には逆らえないんだとか。
おそらくアルフィンは、うるさいとかなんとか言ったのだろう。
で、言われたクエトリマがなんだこらやんのかこらとアルフィンを見て龍だと気づいてやべっ!やっちまったよどうしよう……って怯えているって所か
「襲われた訳じゃないし許してやれよ。」
クエトリマのあまりの怯えように少しかわいそうになりアルフィンに言ってみる。
「ピギ~……」
アルフィンは、なにそれ?眠いんだから起こさないでよね……みたいなそぶりでまた寝てしまった。
なんだ、完全に眼中に無い感じか。王者の余裕か風格か将来大物になる、そんな図太さだな。
「お~い。おまえら気にもされてないみたいだぞよかったな。」
クエトリマに伝えると伝わったのかどうなのか奴らは一目散に奥の鳥舎にすっ飛んでいった。
余談だが、それ以降この騎獣屋のクエトリマは他のクエトリマと違い、恐ろしくおとなしいクエトリマがいると評判になったと掲示板で見たのだった。
騎獣屋の中に入ると、何人かのプレイヤーが買い物中だった。
若干女子率が高いようにも思える。
喋ってる内容的に猫っぽい騎獣が卵から孵ったとか馬っぽい騎獣が卵から孵ったとか言ってるな。
どうやら獣モンスターの卵からはかなりバリエーションに富んだ騎獣が生まれるようだ。
運さえあればはじまりの街周辺の雑魚のウサギからもドロップするらしいしな。
本当にこういう面ではユーザーフレンドリーだよな……ここの運営。
他のプレイヤーの買い物が終わるのをボケ~っと待っていると(アルビダは、陳列されたアイテムを見ているようだ。)
俺の首にだらしなく巻き付いて眠っているアルフィンを見てしまった女子プレイヤーが話しかけてきた……
「きゃ~かわいい!この子が貴男の騎獣なんですか?」
うん、まあ騎獣には見えないよな……頭は白いダックスフンドみたいな見た目だし……胴はスゲ~胴の長いフェレットみたいだし……
足は……足は?小さすぎて見えないのかまだ生えてないのか見えないな?
「ああ………一応騎獣の卵から孵ったから騎獣だと思うんだがいまいち確信が持てなくてな……こうして騎獣屋に来たと言うわけだ。」
「ああ~、確かにこのわんちゃん騎獣ぽく無いですもんね~犬型っぽい騎獣だとフェンリルとかが有名ですけどフェンリルは狼型ですし犬型騎獣は聞いたことありませんもん」
犬前提で話してるけど龍だからな?
まあ、バレたら鬱陶しいし犬で通すけど。
「ピギ…?」
ああ……騒がしいから起きちゃったよ……ごめんな。
「きゃ~~~~~かわいい!でもピギって犬っぽくないですね……」
「まあ、モンスターの子供だしな。現実の犬とは違うだろうさ」
適当に誤魔化しておこう。
「ピギ~ピギ~」
アルフィンはヒナ鳥のように口を開け……
これ、餌を催促してるのか?
まあ、街の中だと獲物狩ろうにも獲物いないしなあ……
「わんちゃんお腹空いてるのかな?これ食べる?」
女子プレイヤーが差し出した手にはドッグフードのような固形物が乗っていた。
「これが……?」
「ええ、これが肉食騎獣の基本フードですね。」
アルフィンは、基本フードに鼻を近づけくんくん嗅いでいる。
あ、スゲ~嫌そうな顔をした!
犬とか猫とか飼っている人ならわかると思うが、動物がこの手の顔をしたら絶対食べないんだよな……
「ピギ…」
アルフィンは顔を背け俺の懐に顔を突っ込んでしまった。
「あらら……匂いが気に入らなかったのかな?」
女子プレイヤーが的外れな感想を言った。
まあ、龍だしな……普通のフードは食わないわな……
そうこうしているうちに俺の番が来たようだ。
俺は店主の前に行きアルフィンを見せた。
アルフィンは空腹で不機嫌そうだ。
「おお、こいつは珍しい奴を手に入れなさったな!こいつは普通のフードは食わんよ。腹が減っているみたいだしすぐに用意してやろう」
店主は一目見ただけでアルフィンの正体を見破ったようだ。
その上後ろにいる他のプレイヤーにバレないように正体を言わずに餌を用意してくれるとか!この店主中の人入りだな……
「ほれ、こいつだ。」
ドン!
「ピギ~~~~~~~~~~~~!!」
アルフィンは一目散に飛びつきむさぼり食っている。
でも、これってあの有名な……
「漫画肉………」
誰かが呟いた言葉に異を唱える者は誰もいなかった。
現実世界でも漫画肉は食べられるらしいですね
まあ、骨に肉を巻きつけた似ても似つかぬモノらしいですが。




