29話 油断大敵
29話 油断大敵
と、言うわけで森にやって来た。
例のパーティーがチラノから逃げて来た森だ。
森はシダ植物で覆われておりいかにも恐竜映画の世界な感じだ。
ギャー…ギャー…ギャー…
周りからは、恐竜だろうか?鳴き声が至る所から聞こえてくる。
「よし、沢山居そうだな。」
ガサガサ……ガサガサ…
シダ植物をかき分けて進む。
すると、体高がシェパード程の恐竜がこちらを見ていた。
体長は尻尾が長い為3m程あるが、あまり大きい感じはしない。
『鑑定。』
《ベロキラプター》
種族:ダイナソー
状態:通常
Lv:20
スキル:
噛みつく
飛びかかる
切り裂く
仲間を呼ぶ
こいつがベロキラプターか……。
某パークの見た目とは違い羽毛恐竜!って感じの見た目だ。
全然迫力は無い。前足とか翼みたいになってるし。
ギャッ、ギャッ、ギャッ。
ノンアクなのだろうか?襲ってくる気配はなくこちらを首を傾げて見つめている。時々キョロキョロしながら鳴くだけだ。
ん……。鳴く?
ギャーーーーーーッ!!!
ドカッ!
あいたっ!
後ろから飛びかかられ何度も蹴られる。
くそっ油断した!
人畜無害な雰囲気で油断させ、仲間を呼び後ろからバックアタックするのが常套手段なのだろう。
俺は後ろに張り付いているラプターの首根っこを掴み、力ずくで剥がし近くの木に思い切り叩きつけた。
ギャーッ!
そして速攻でジュワユースを手に取り連続で突きを繰り出して串刺しにしたのだった。
ギュゥ……。 パリーン。
ラプターは力無く、くたっと力尽き消えていった。
さっきの奴は?!
俺は、仲間を呼んだラプターを探したが奴の姿は何処にもおらず、ギャッギャッギャッと言う鳴き声だけがまわりにこだましているだけだった。
くそっ!隠れられたか……。
しかし、奴は俺のことをあきらめた訳では無いらしく何処からともなく鳴き声は聞こえる……。
これが仲間を呼ぶ声だとすると結構な数のラプターが居るはずだ……。
俺を包囲して一斉に攻撃する気か?
「クイック」「ミラージュ」
俺は、クイックとスキルがアップした時に覚えたミラージュをかける。
ちなみにミラージュの効果はこんな感じだ。
ミラージュ MP50
敵の攻撃を一度だけ無効化してかわす。
範囲魔法には効果は無い。
よし、準備は整った。何処からでもかかってこい。
そして、その時が訪れた。
ギャーッ!
ギャーッ!
ギャーッ!
ギャーッ!
ギャーッ!
ギャーッ!
ギャーッ!
ギャーッ!
ギャーッ!
四方八方からラプター達が飛びかかってくる。
だが、ラプター達の攻撃はミラージュの幻影に当たり幻影が霧散するだけだった。
ミラージュの幻影は最初の一匹の攻撃を受けた時点で霧散したはずだが奴らにはそうは見えて無かったのだろう。
混乱して周りをキョロキョロしている。
そして、そんな隙を見せた時点でクイックがかかった俺の敵ではない。
俺は一瞬で、奴らを葬り去るのだった。
ずる賢いかわりにとても紙装甲でHPが低かった……。
『アモンナイト平原の大掃除:ベロキラプター×10達成!』
ギャオオオオオン!!!
戦いの音に釣られたのか、チラノサウルスが木々をなぎ倒しながら走って来ている。
なるほど、この森で戦うとリンクしたり音で別のモンスターを呼び寄せたりするのか……。
本当にこの運営はバトルではプレイヤーをガチで殺しにかかってるな……。
あのパーティーがチラノの追われていた理由がなんとなくわかって、すっきりした。
チラノ?
あの時みたいに足を破壊して安全に狩ったよ!
図体がでかいだけであんまり手強く無いんだよな……。
まだ、ずる賢いラプターの方が手応えあるな。
『アモンナイト平原の大掃除:チラノサウルス×1達成!』
よし、後はデロホサウルスだけか。
確か…毒液飛ばす奴だったか?
俺は映画の知識を思い出し予測した。
まあ、本来はそんなことしないらしいけどな。
デロホ探して森を彷徨う。
途中でラプターに何度か遭遇したが、仲間を呼ばれる前にサクッと始末する。
チラノも見かけたが図体が大きく足音も大きい為回避は余裕だった。
ギヒヒヒ……
ギヒヒヒ……
居た!デロホだ。
草食恐竜?を囲んで襲っている最中だった。
『鑑定。』
《デロホサウルス》
種族:ダイナソー
状態:通常
Lv:20
スキル:
噛みつく
毒液
威嚇
飛びかかる
襲われてる奴は?
《プロットケラトプス》
種族:ダイナソー
状態:猛毒
Lv:15
スキル:
体当たり
頭突き
プロットケラトプスって……。
まあ、隙だらけだしサクッと倒そう。
背後から忍び寄り首元にグサッ
もう一匹も気づかれる前にグサッ
ポカーンとしているプロットケラトプスを置いてその場を立ち去る。
毒ってたし死ぬかもしれないがまあその時はその時だ。
何で倒さないのかって?
死にかけてたし経験値にならないだろ?
しかも弱ってる雑魚を倒すとか面白くないし。
それから森を1時間程彷徨った末なんとかデロホを必要数狩ったのだった。
『アモンナイト平原の大掃除:デロホサウルス×5達成!』
さて、次は亀か……。亀だから水辺かな?
さっさと森を出よう……。
こうして、俺は森の出口に向かうのだった。
モンスター(獣型や恐竜など)のAIは、ハイエナとかライオンとかリアル野生動物を参考にしている感じです。
このゲームは戦闘に重きを置いている為、街のNPCよりも敵のモンスターの思考能力の方が賢い傾向にあります。主人公はチートなので簡単に倒してますが、ラプターにあれだけ仲間を呼ばれた時点で、基本種族適正フルパーティーでは勝てません。




