26話 道中の出来事 2
26話 道中の出来事 2
「夜が明けてきたな…。」
ミニクエストをクリアーしファスド街へ歩き出して3時間
空が白み始めてきた。
『夜が明けました。制限がかかります。スキル:真祖が封印されました。』
ほほう…こういう風に制限かかるのか…。
いつの間にかメアリーも居なくなっていた。要石に戻ったか。
うん。気持ちの良い朝だ。さて、サングラス外すか。
俺はサングラスをアイテムストレージにしまった。
夜にサングラスをかけて明るくなるとサングラスを外すと言う普通と真逆の行動に苦笑いがこぼれる。
そう言えば、腹が減ってきたな…
ステータスが制限されている日中に空腹でさらにステータス半減という事になったら目も当てられない。
「気が進まないが…。」
獣の血を取り出しふたを開ける。見た目は血の入った牛乳びんだ。
くんくん…別に生臭い匂いはしないな…そこまでリアルにはしないか…
グビグビ…
「トマトジュースかよ…。」
獣の血はトマトジュースの味がした…。
鉄臭いリアル血液よりはマシだけどトマトジュースとはテンプレだなぁ…。
どうやら吸血鬼は、大量に血液を飲まなくても良いらしく獣の血2つで満腹になったのだった。
しかし…全然プレイヤー見かけないなぁ…
ひょっとして俺がファスドの街へ行く最初のプレイヤーか?
そんなことを考えていると…。
ガオオオオオン…
「うわああああああぁぁぁぁ!!!!」
「ニャアアアア!!!」
「きゃああああああああ!」
「ギャアアアア!!!」
森の方から恐竜に追いかけられているパーティーが…
追いかけている恐竜?はかの有名なティラノサウルスのようだ
大きさもそのままだしな。
ただ、ワイバーンやがしゃどくろを見た後では大した大きさではない。
『鑑定』
《チラノサウルス》
種族:ダイナソー
状態:激昂
Lv:20
スキル:
噛みつく
呑み込む
体当たり
踏みつける
ティラノサウルスじゃなくてチラノサウルスかよ!
後、見事に肉弾戦特化だなぁ…
しかしファンタジーの世界で恐竜ってどれくらい強いのかね…?
一方、追いかけられているパーティーは
エルフ
ワーキャット
ドワーフ
リザードマン
と、言う混合パーティーだ。
しかし、リザードマンって初めて見たな…基本種族には無かったから、レア種族か…
「お~い。助けてやろうか?」
見捨てるのも何か後味が悪いので助けることにする。
「危ないぞ!」
「いニャ、ソロでここまで来てるんだし強いニャ!」
「お願いしますううう!!」
「ギャアギャア!」
パーティーはこちらに方向転換してくる。
「そのまますれ違い、後ろへ駆け抜けろ。」
ドタドタ…ドタドタ…ドタドタ…ドタドタ…
「クィック。」
今のうちに強化しておく。
パーティーが横を駆け抜けていく。
グオオオオオオオ…!!!
チラノサウルスが大きな口を開けて迫ってくる。
呑み込む気か。
さて、ティラノサウルスの弱点は何だろうか?
そう小さな前足だ。転けたら起き上がるのに時間かかりそうだろう?
尻尾切断もオススメだ。大きな頭のため尻尾でバランスを取っている。なので尻尾が無くなると立てられなくなるらしい。
だが手間のかかりそうな尻尾切断よりも、ここは手軽に出来る転かす方にするか。
チラノサウルスの呑み込みを躱し左脚の細い部分にトリプルピアッサーを叩き込む。
ズガガガ!!!
『剣術スキル:トリプルピアッサーが発動。チラノサウルスの左脚破壊に成功。チラノサウルスは踏みつけるが使えなくなった。』
ズシャアアアアア…!!!!!
ギエエエエエエエエエエ!!!
チラノサウルスは横倒しになったままジタバタしているが、左脚の膝から下が無いため起き上がれない。
「お~い、終わったぞ。後はこいつを煮るなり焼くなり好きにしてくれ。お前らの獲物を横取りする気も無いしな。」
横殴り横取りはMMOのトラブルの一つだ。
幸いこのゲームではトドメをささない限りは横取りにはならないので問題無い。多少は経験値が減るだろうがそこは諦めてくれ。
「あ、ありがとうございます!」
「助かりましたニャ!」
「お名前を…。」
「ギャアギャア」
うん、名前教えて掲示板に上げられるのはごめんなのでずらかろう…。
「名乗る程のものではない。先を急ぐのでこれで。」
パーティーはなおも何か言っているが気にせず先を急ぐ。
なんか狙ってないのに漫画とかに出て来るクサイ奴になっちゃったなぁ…。
ああ…恥ずかしい。
吸血鬼にトマトジュースはテンプレだと思うのです。




