25話 道中の出来事 1
25話 道中の出来事 1
「夜は、ソロ狩りプレイヤー少ないな…。」
掲示板によれば、ゼロズ~ファスド間にはゴーストが沸くらしい。
バンシーから分かるように幽霊系のモンスターは通常攻撃が効きにくい為ソロで狩るのは難しい。
魔法が使えない前衛だとドレイン系で吸われてジリ貧だし魔法が使える後衛でも魔法数発で倒せなければMP吸われて終わる。
本当に戦い難い相手なのだ。
と、傍らに召喚したメアリーを見つつそう思う。
結構長旅になりそうだし一人だと間が持たないんだよ…。
「ふふふ…。」
メアリーは静かに微笑んでいる。
キェ~キェ~…
謎の怪鳥が夜の空を飛んでいく。
「ん?」
道はずれの木々が生い茂ってるちょっとした森のような場所から何か聞こえたような?
気になったので近づいてみる。
「許せ…。許せ…。許せ…。許せ…。」
そこには苔むしたしゃれこうべが許しを請うていた。
なんだこれ…。
『ミニクエスト:許されざるモノ。が発生しました。』
本当になんだこれ…。
「私は、許されない事をしてしまった…。死して10年…。未だに奴らは私の事を許してくれない…。しかし、この剣を奴らの墓に返せば許してくれるかも知れない…。旅人よどうかこの剣を森の向こうの墓に返してはくれないだろうか…?」
『ダークは、朽ちた剣を手に入れた!』
面倒くさいクエストに巻き込まれたみたいだ…。
「メアリー、こいつに断る事は出来ないのか?」
一応聞いてみる。
「ふふふ…。ふふふふふふ…。(無理です旦那様。これは残留思念のようなもの意思疎通はできません。)」
やっぱり強制かよ…。
しかし死んでから10年も許されないってこいつ一体何をしたんだ…。
俺はしゃれこうべを見つめるが、しゃれこうべは「許せ…」とつぶやくのみだった。
しょうがないので森の向こうの墓に向かう。
森は不気味なほど静まりかえっていた。
森にいるはずのモンスターの姿も見えない。
「なんか嫌な感じだな…。」
メアリーに目配せする。
「ふふふ…。」
メアリーは全てを悟ったような微笑みを浮かべている。
そして、問題の墓にたどり着いた。
「ここか…。」
墓は6つありほとんどがぼろぼろに朽ちている。
そして真ん中の下段の墓がうっすら発光しているのだった。
「どう見てもここに置けって事だよな…。」
考えても仕方が無いのでその墓に剣を置く。
すると…。
「許さぬ…。許さぬ…。絶対に許さん…。」
全ての墓から黒い煙が出たかと思うと置いた剣に集まっていき…。
真っ黒なゴーストが姿を現したのだった…。
『鑑定。』
《許さざるモノ》
種族:怨霊
状態:激昂
Lv:??
スキル:
粘着
怨念
怒りの一撃
うわ…レベルが分からない奴だ…。
「奴は我から剣を奪った…。」
«許さぬ…許さぬ…。»
「奴は我を侮辱した…。」
«許さぬ…許さぬ…。»
「奴は我から金銭を巻き上げた…。」
«許さぬ…許さぬ…。»
「奴に騙された人間を沢山知っている…。」
«許さぬ…許さぬ…。»
「例え我が身が朽ちるとも…例え我が意思消えようとも…絶対に奴は…許す訳には…いかんのだああああああ!!!」
黒いゴーストが襲いかかってきた!
これ、あっちの方が悪者じゃね?
ふう…後味の悪い戦いだった…。
マジで後味が悪いので詳しくは言いたくない。
ゴーストの最後の台詞
「我が滅ぼうとも…奴の罪は消えぬ…。奴に騙されたモノが我らだけとは思わぬ事だ…。いずれ第二…第三の…」
と、言う台詞がやけに心に残った。
さて、しゃれこうべの所に戻るか…なんとなく展開が読めるけどな…。
「そうか、奴らは消えたか……」
しゃれこうべの元に戻ったとたんしゃれこうべが喋り始めた。
「くくく……ふははは……ひひひひひ……ご苦労だった……褒美をやろう…死という褒美をなあ!」
しゃれこうべの元にどこからともなく骨が集まっていき…
緑色のスケルトンが姿を現した。
『鑑定』
《許されざるモノ》
種族:悪霊
状態:通常
Lv:??
スキル:
黙想
連続攻撃
横からの激しい一撃
こいつは許せないな。(棒読み)
『許されざるモノを倒した!レベルアップ!ダークはレベルが1上がった!ダークはレベル19になった!ダークはスキルレベルが上がった!謎の小箱を手に入れた!ミニクエストクリアー!クリアーボーナス!謎の刀を手に入れた!』
強制クエストだけあってアイテム2つもくれたぞ。
街についたら早速鑑定しよう。
しかし、本当によく分からんクエストだった…
好奇心は猫を殺す。と言うしあまり変な事に巻き込まれないようにしないとな…
街道に戻った俺は一路ファスド目指して進むのだった。




