21話 スケルトンと侍
21話 スケルトンと侍
黒鉄鉱を手に入れた俺はメアリーと共にフライングアイを探していた。
しかし探せど探せどフライングアイらしきモンスターは見当たらなかった。
「これは、ひょっとして隠し部屋かエリアにいるのか?」
だとしたらものすごく骨が折れるぞ…。
俺が考えていると。
ドタドタ バタバタ ドタバタドタバタ
ん?何かが走ってくる?
「カカカッ!カカカッ!(俺は悪いスケルトンじゃないっスよ!見逃してくれっス!)」
ドタバタドタバタ
「待つでござる!拙者と勝負するでござる!」
ドタドタ
侍に追われているスケルトンだった…
ん?スケルトン何か喋ってたな…。ひょっとして…
『鑑定』
《ボロン》
種族:スケルトン
状態:通常
Lv:10/50
HP:210/500
MP:50/100
装備:【ボロボロのショートソード】
スキル:
ブラッドソード
ダークミスト
おお…。モンスター種族だとより詳しくステータスがわかるのか。
相手が基本種族だとPVPで有利にならないように制限されてるのかな?
「お~い!そこのスケルトン!こっちこっち!」
俺はスケルトンに向かって手を振って呼んだ。
「カカカッ?(えっ?なんなんスか?)」
「助けてやるからこっちにこい。」
「カカカッ?カカ!(マジッスか?助かるッス!)」
スケルトンはドタドタとこちらに向かって走ってくる。
当然追いかけている侍も…
「災難だったな。俺があの侍に話をつけてやるから待っていろ。」
スケルトンは俺の後ろに隠れてへたり込んでいる。
「カカカッ!カカカ?(いや~助かったッス!って、俺の言葉分かるんスか?)」
やはり普通は通じないみたいだな。
「ああ。分かるぞ。俺が吸血鬼だからか、同じモンスター種族だからか理由は不明だが。」
「カ?(えっ?)」
スケルトンはポカ~ンとしたように口を大きく開けて固まっている。
「お主!そのスケルトンを寄越すでござる!それは拙者の獲物でござる!」
追いかけていた侍が詰め寄ってくる。
「お前MPKなのか?このスケルトンはモンスタープレイヤーだぞ。MPKなら俺が相手になるぞ。」
俺が言うと侍は俺とスケルトンを交互に見て刀を納めた。
「そこのスケルトン!プレイヤーなのでござるか?」
スケルトンはコクコクと頭を縦に振っている。
「で、お主もモンスタープレイヤーなのでござるか?とてもそうには見えないのでござる。面妖な…。」
侍は腕を組みむむむと唸っている。
「俺は吸血鬼だからな。しかも喋れないモンスタープレイヤーの言葉も分かるらしい。」
「拙者はMPKでは無いのでござる。フレンドに鬼もいるでな、モンスタープレイヤーは普通に喋れるものだと思っていたでござる。まさか、喋れない者やヒューマンにしか見えない者がいるとは思わなかったでござる。スケルトン殿済まなかったでござる!」
スケルトンは手をブンブン振って頭を掻いている。
「カカカッカ。カカッカカ!(いやいや、分かって貰えればいいッスよ。いや~助かったッス!)」
呑気な奴だなあ…。
「お前、喋れないならホワイトボードか何かに書いたりして意思疎通する努力しろよ…。」
スケルトンは首をブンブン振りながら言い訳してきた。
「カカカッカカカカカカッ!?カカカカカカ?!カカカッ(いやいや、スケルトンが街に入れる訳無いッスからね!?どうやってホワイトボード手に入れるんスか?!俺ここから出たこと無いッス)」
スケルトンに色々聞いたところ様々な事が分かった。
どうやら、このスケルトンこの鉱山がホームタウンらしく
キャラを作ったらこの鉱山の隠し部屋の一角にログインしたらしい。
そこにはスケルトンの親玉のような大きなスケルトンがいて色々便宜を図ってくれているのだとか。
目玉の化け物がいるかと聞いたら隠し部屋の近くで見たことがあるらしい。案内を頼んだら承諾してくれた。
「カカカッ!(命の恩人ッスからね!)」とのこと。
侍はどうするのか聞こうと侍の方を向くと侍がフライング土下座してきた…。
「吸血鬼殿!拙者と試合して欲しいでござる!」
は?
「拙者、強者に会うため修行中の身でござる!見るところ吸血鬼殿はなかなかの手練のご様子。是非とも拙者と試合して欲しいでござる!」
ふうむ…。バトルジャンキーか…
まともな部類ではあるようだが…。
侍が言っている試合とは、おそらくデュエルの事だろう…
デュエルならば負けても死なないので後腐れ無く気軽に楽しめるのだが…。
『鑑定』
《義久》
種族:ヒューマン/侍Lv15
装備:【野刀・鉢金・鎖帷子・皮の小手・皮の袴・鉄脚半】
スキル:
月光
明鏡止水
見切り
居合い
なかなかに強い。
というか、このゲームで始めてこのレベルのプレイヤーにあったぞ。
初めて本気で戦えそうなプレイヤーだな。
魔眼は封印して戦うか…
「ああ、良いぞ。ここでは狭い、もう少し広い場所に行こう。」
義久はガバッと顔を上げて歓声を上げる
「かたじけのうござる!かたじけのうござる!」
しかし…。このござるがロールプレイなのか素なのかでだいぶ痛さが変わるけどな…。




