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幻想世界オンライン~廃人の徒然VRMMO録~  作者: あるばとろす
1章
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17話 ミッション その1

 17話 ミッション その1



鉱山から出て装備を元に戻した俺は、レベル上げの狩り場の事を考えていた。

どう考えてもこの周辺の適正レベルは超えている気がするのだ。

あの馬鹿共もこの周辺の適正レベルを超えたからバンシーに挑もうとしたんだろうしな。


MMOの面倒くさい所は新しい地方や街に行くにはただ移動すれば行けると言う物でもない。

エリアボスを倒すか、その街のミッションを受けてミッションクリアーしその力を街の元締め等に認めさせないと行けないのだ。

このゲームは、後者のタイプだ。

せずに行こうとすると、大抵関所や次の街の入り口で門前払い食らうのがオチだ。


あ、外はまだ日中なのでメアリーは要石に戻ったぞ。


面倒くさいが冒険者ギルドでミッションを受けるか…。




«こちら、戦、僧、魔剣、です!黒さん募集!ギルド前»


«アイテム格安販売してます。!噴水前»


歩いていると、プレイヤー達のシャウトが響き渡る。


このゲームまだプレイヤーサーチが出来ないんだよなぁ…。

運営だよりでは、一ヶ月以内に実装するらしいが。

あの馬鹿共が俺の事を晒したら成敗するのは一ヶ月後になるな…。

まあ、あのレベルならこの周辺から遠くには行けないはずだし探せばすぐにみつかりそうだが。



全く…俺はこのゲームをまったりとやりたいんだよ…昔みたいに寝食削ってボトラーまでしてする気は無いし晒し晒されギスギス

そんな事はもうまっぴらだ。

効率よくレベリングして徹夜はせずに毎日落ちて無理しない程度に毎日ログインする。そんな生活がしたいんだよ。


そうこうしている内に、冒険者ギルドについてしまった。

もう、プレイヤー達の列は無くなっておりスムーズに中に入れるのだった。




「ようこそ冒険者ギルドへ。御用件をお伺いします。」


俺は、身分証明書を提示しながら受付嬢に訪ねた。


「次の街に行きたい。行くためのミッションを提示してくれないか?」


受付嬢は一瞬考える仕草をした後しゃべり始めた。


「この街の領主様が何かお困りご様子。よろしければご紹介いたしますが?」



『ミッション:巨大な影の正体を受けますか?このミッションはPT推奨ですがソロで受けますか?』



「はい。」


システムメッセージさんも俺のことが解ってきたみたいじゃないか。


「それではこれが紹介状でございます。」


受付嬢が手紙を手渡してきた。


『領主への紹介状を手に入れた!』


「領主様のお屋敷はこの街一番の大きいお屋敷、ここからでもわかるとおもいますよ。」


まあ、そうだろうな。


冒険者ギルドを出てぐるっと周りを見渡すと噴水の近くの小高い高台に大きい豪奢な建物が見えた。


「あそこか…。」


俺はその建物に向かって歩き始めるのだった。







屋敷の前まで来た俺は、門番に紹介状を渡した。

門番は紹介状に目を通すと中に入って行った。


門番が門留守にしていいのか?



すると、10秒もしない内に門番が戻ってきた。

早いなおい。


「ご主人様がお会いなさるそうだ。中に入ってくれ。」


門番に促されて中に入ると執事のような爺さんが立っていた。


「ようこそおいでくださいました、冒険者様。こちらでございます。」


爺さんに付いてくるように言われた俺は、爺さんについて行った。



二階に上がり突き当たりの大きな扉の前に来ると爺さんは、くるりとこちらに向き直った。


「ささ、冒険者様、ご主人様がお待ちでございます。中へお入り下さい。」


爺さんが扉に手を掛け扉を開けてくれる。


部屋は執務室のようで机には痩せたおっさんが座っていた。


こいつが領主かな?


「よく来た。冒険者よ。中に入ってくれ。」


俺が中に入るとバタンと扉が閉まった。



「実は、困っている事があってな。毎晩ワシの管轄する果樹園に謎の巨大な影が飛来し、食べ頃の果物を根こそぎ食っていくのだ。しかも、熟れていない果物は食べ無い選り好みぶり。このままでは、大公様に献上する果物が無くなってしまう。どうかこの謎の影の正体を突き止め、出来れば退治してくれないか?」



「はい。」



『ミッションが進みました。果樹園に行きましょう。』



「果樹園はこの街を出て道すがら西に行けば見えるだろう。ファーマートロールと言うモンスターが果樹園ににいると思うが奴らは果樹園を管理している良いモンスターだ。くれぐれも手出し無用で頼むぞ。」



モンスターに管理させてるのかよ…。



俺は一礼し、屋敷を後にするのだった。





屋敷の外に出ると日は傾き夕方になっていた。

夜までどう時間を潰そうか考えていたが、これなら果樹園につく頃には夜になってそうだ。



街の入り口にいる衛兵に、身分証明書を見せ外に出る。


そういえば今日初日結構な時間やっているが、外に出るのは初めてか。



外の草原ではソロのプレイヤー達がウサギやトカゲを相手にレベリングをしている。

あ~、トカゲの石化睨みを受けて石化してるプレイヤーもいる。


石化睨みは視線外して避けないと…。まあ、結構シビアだし初心者には厳しいかな…。


初心者のドタバタバトルを見つつ果樹園に向け歩くのだった。









「ブモ~…。」


果樹園らしき場所に着いた時には日も沈み夜になっていた。

淡く光る巨大な釣鐘草に照らされながらファーマートロール達は草むしりや水やりをし続けている。



「これがファーマートロールか…。」


見た目は完全に巨大なオランウータンだ。頭頂部に草花が生い茂っており、頭お花畑を体現しているようだ…。


確かにこれはおとなしそうだ…モンスターが果樹園荒らしても守れそうにないな…。



『夜間になりました。制限が解除されました。スキル:真祖が発動します。』


あ、夜間になってしまった…。

管理人に怖がられないかな?後、管理人魅了したら目も当てられないぞ…。お~い、システムメッセージさん…。


『目を閉じたまま辺りを脳裏に映し出すスキル、心眼をSP:2P使って習得しますか?他にも、魔眼をシャットアウト出来る封印のサングラスもオススメです。』



ああ、あったなSP…。

封印のサングラスってアクセサリーもあるのか…。

でも、いちいち街に戻るのも面倒くさいしどこに売ってるのかも知らないし…心眼覚えるか…。


『ダークは心眼を習得しました!目を閉じてください…。同期中…。完了しました。』


目を閉じると最初は何も見えなかったが段々と靄が晴れるように辺りの景色が映り始めた…。



しかし、違和感半端ないな…。出来ればあまり使いたくないスキルだ。

早いところ封印のサングラスを買いたいな…。


俺は目を閉じたまま、果樹園の詰め所らしき建物に向かって歩き始めるのだった。


システムメッセージさんが賢すぎる件は後々掲示板回で説明いたします。


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