16話 MPKとPVP?
16話 MPKとPVP?
「おいおい!こんな所に吸血鬼がいるぜ!」
「バンシー狩りに来たけどついてるな!」
「しかもただのモンスターじゃなくてレアモンスター種族!」
「さっさと殺ってプラチナ掘りしようぜ!」
お?こいつら殺る気満々だな。しかしこいつらの自信はどこから来るんだ?鑑定してみるか。
《ナロー》
種族:ヒューマン/戦士Lv10
装備:【アイアンソード・アイアンバックラー・レザーヘルム・レザージャケット・レザーズボン・レザーグローブ・レザーブーツ】
スキル:
挑発
パワースラッシュ
《ハヤテ》
種族:ヒューマン/シーフLv10
装備:【アイアンナイフ・レザーヘルム・レザージャケット・レザーズボン・レザーグローブ・レザーブーツ】
スキル:
盗む
真鑑定眼
ポイズンバイト
《トイチ》
種族:ヒューマン/黒魔道士Lv10
装備:【魔道士の杖・コットンハット・コットンローブ・コットンズボン・コットンミトン・コットンゲートル】
魔法:
ファイアーボール
ストーン
ウォーター
スキル:精神集中
《ベンジャミン》
種族:ヒューマン/僧侶Lv10
装備:【アイアンワンド・コットンクローク・コットンズボン・コットンミトン・コットンゲートル】
魔法:
ヒール
キュア
ホーリーライト
スキル:
神の祝福
ほほう…。
バンシーに挑むだけあってなかなかレベルがあるが俺以下じゃないか…普通に魅了通りそうだな…。ただなぁ弱い者イジメは趣味じゃ無いんだよな。
よし。
「おい、おまえらはバンシーを狩りに来たんだろ?何でプレイヤーの俺を狩ろうとする。」
俺がそう聞くと奴ら口々に答えた。
「モンスタープレイヤーはモンスターと一緒だろ(笑)MPKしてもなんのペナルティーも無いんだぜ。」
「むしろ普通のモンスターよりも経験値が美味しいしアイテムも獲れる。狙わないわけ無いっしょ(笑)」
「俺達これまでに何人かMPKしてきたしな。うまみ知ったからやめられないのよ。」
「さっさと経験値になれ!吸血鬼!」
あ~こいつら話し合いの余地なしか…。
しようがない…
「よっと。」
もわわわわ~ん
俺が要石を手に持ち前に掲げるとメアリーが煙と共に現れた。
てか、見た目変わってないか?
メアリーについさっきまでの貞○の面影は無く前に垂れていた髪は後ろに流れ艶やかな光沢を放っている。
顔は…○雪の若い時みたいな顔だな。ちょっと狐っぽい美人だ。
また、薄ら汚れた白いワンピースは真っ赤なロングドレスに変わっていた。
もっともメロンのような乳はそのままだったが…。
「うふふふふふふふ…。(旦那様に害なす虫けらは許さない…。)」
メアリーは、目を細めて笑っているだけだが何故か脳裏に声が聞こえたような気がした。
『召喚獣とマスターは簡単な意思疎通が可能です。また、召喚獣は原始的なAIを持っています。』
怖っ…ヤンデレかよ…。
俺が少し引いているとMPK共はギャーギャー騒ぎ出した。
「なんだよ!それ!何でモンスタープレイヤーがNMを従えてるんだよ!」
「おかしいだろ!チートかよ!」
「ひぇっ…。」
「うわぁぁぁぁ」
真鑑定持ちは鑑定してしまったのだろうか?
腰を抜かしてガクガクしている。
「メアリー、殺さないように手加減して痛めつけてやれ。」
もうこんなことし無いように釘を刺しておかないとな。
「うふふ。(わかりましたわ旦那様)」
メアリーがMPK共に近づいていく…。
「うわぁぁぁぁやめろ!」
「なんだこいつ武器攻撃が全然効かないぞ!」
「うわっ!MPを吸われた!魔法が撃てない!」
「ヒールヒールヒールヒールヒール」
MPK共の攻撃はメアリーにほとんど通じて無いようだった。
メアリー強すぎない?
さすがにちょっとおかしいのでメアリーのステータス詳細を調べて見ることにする。
『ブラッディメアリーのステータス詳細を表示しますか?』
「はい。」
《ブラッディメアリー》
種族:オールドバンシー/召喚獣
状態:激昂
Lv:15/100
HP:2000/2000
MP:3000/3000
STR:35
DEX:30
VIT:40
AGL:29
INT:90
MND:10
総攻撃力:250
総魔法攻撃力:600
総防御力:444
属性耐性:
炎0 水50 土0 風0 氷0 雷0 光-100 闇100
スキル:
霊体(武器攻撃や直接攻撃のダメージ90%カット。日中は存在出来ない。)
怨念(そこに存在するだけで全ての敵のステータス30%ダウン)
重すぎる愛(マスターに敵対行動を取った敵に対して激昂状態になる)
ドレインタッチ(対象のHPを吸い取る。不死族には効かない)
マジックタッチ(対象のMPを吸い取る。不死族には効かない。)
フィアータッチ(対象の攻撃力、魔法攻撃力を50%ダウン)
暗黒魔法Lv10
魔法:
ライフドレイン MP100
マジックドレイン MP1
うわ…。なかなかえぐいスキルを持っているな…。
それにバンシーじゃなくてオールドバンシーか…。
どう見てもバンシーの上位種族ぽいなぁ。
ステータスは高いのか低いのかよくわからんな…
少なくとも俺の昼間のスキルよりは高いな…。
しかし、戦闘中は常時激昂状態になる重すぎる愛はすごいな。
ボスモンスターなどは、HPが少なくなると攻撃が激しくなる事が多い。この状態を激昂状態と言う。
まあ、簡単に暴れるや発狂するとも言うが。
この状態になると強さが体感2倍位に感じられる事もある危険な状態だ。
「うわぁぁぁぁ!また、バンシーわいた!」
「嘘だろ?!」
「何でこんな時に!」
「ヒールヒールヒールヒールヒールヒール」
どうやらノーマルバンシーがリホップしてしまったらしい…。
あと、僧侶!そんなに回復魔法連発してたらヘイト稼いで死ぬぞ…。
「おい、メアリーそれぐらいでいいだろう。それと、そのバンシーにそいつらを襲わないように伝えてくれないか?」
メアリーは不服そうな顔をしたが、バンシーを連れて奥に移動していった。
地面にはMPK共が転がっている…。
「ううう…。」
「ひどい…。」
「許さない。晒してやる…。」
「ぐすっぐすっ…。」
何言ってんだこいつら…。
「おい、おまえら勘違いしてないか?俺は、全く手を出してないぞ?おまえらはバンシーのNMにやられそうになって、リホップしたバンシーに絡まれそうな所を俺に助けて貰ったんじゃないのか?あのままだとバンシーにも絡まれて死に戻りしてたぞ?」
「何で俺たちがこんな目に…。」
「モンスターのクセに…。」
「晒してやる…。絶対に、だ。」
「ぐすっ…ぐすっ…。」
あ、駄目だこいつら本物のクズだ。
「そうか、残念だ。お~い、メアリー!バンシーをここに連れてきてもいいぞ。」
メアリーはバンシーを連れてススス…と戻ってくる。
「メアリー、バンシーに伝えてくれ俺達がここから去ったらこの馬鹿共を好きに料理して良いって。」
「うふふふふふふふ…(わかりましたわ旦那様。)」
メアリーはバンシーに話しかけているようだ。
「おいばかやめろ…。」
「ふざくんな…。」
「晒すさらすサラス…。」
「ぐすっぐすっ…。」
本当にこいつらは…。
俺はイラッとなって初めて自分から本気の魔眼を使うのだった。
『ナローを魅了した!トイチを魅了した!ハヤテを魅了した!ベンジャミンを魅了した!』
「うがががが…」
「う…な…い…」
「さ、さ、さ、さ…」
「う…う…う…」
MPK共は金縛りにあったようにうめき声しか上げられなくなったみたいだ。
「さて、俺はこれで失礼するか。おい、さっきから晒す晒す言ってるお前、晒せるもんなら晒してみろ。お前の心が壊れるまで追いつめて二度とこのゲームが出来なくしてやる。わかったか。」
MPK共はガタガタ震えながら滂沱の涙を流すだけだった。
「さて、帰るぞ。メアリー」
「うふふふふふふふ…」
俺達が背を向け歩き出した瞬間MPK共の断末魔が後ろから響き渡るのだった。
PVP(戦うとは言ってない。)
日間に載りました!ありがとうございます!
10/10 ステータス表記を見やすくしました。