13話 錬金術師ギルド
13話 錬金術師ギルド
「ここが錬金術師ギルドか…。」
冒険者ギルドから裏路地を抜けた先に錬金術師ギルドはあった。
俺は扉を開け中に入る。
「おや?いらっしゃい。用件はなんだい?」
中はこじんまりとしており、カウンターには老婆が座っていた。
「ここで獣の血が買えると言うのは本当か?」
ギルドに所属しなくても買えれば最高なのだが…。
「おや、血をご所望かい。買えるよ?ギルドに所属してくれたら1割引だが、所属しなくても定価で買える。この中から選んでおくれ。」
ほっ…。所属しなくても買えるのか
・獣の血 50G
・獣人の血 80G
・鳥の血 30G
・亜人の血 100G
安いな…。一番高い亜人の血でも100Gしかしない
「各種10個づつくれ。」
「全部で2600Gだよ。」
『獣の血×10、獣人の血×10、鳥の血×10、亜人の血×10。合計額2600Gです。購入しますか?』
「はい。」
チャリ~ン…
『獣の血×10、獣人の血×10、鳥の血×10、亜人の血×10を手に入れた!』
「買ってくれたサービスに耳寄りな事を教えてあげるよ。おまえさんがモンスターから血を直接アイテムとして手に入れたいなら、なるべくバラバラにしないように倒す事だ。まあ、その牙で直接吸うなら何の問題も無いがね…。ヒッヒッヒッ…。」
吸血鬼ってバレてる~!
まあNPCにバレても何の問題も無いか…。
NPCはモンスタープレイヤーだろうと怖がったり差別したりしない
NPC同士だと違うようだが。
「ああ…。ありがとう。」
思わず礼を言ってしまう。NPCにはあまり意味がないのだが
「ああ、そうそう…。血以外の錬金素材アイテムが手に入ったら持っておいで、高く買い取ってあげるよ。」
ギルドマスターは中の人が動かしてるってオチか…?
他のNPCと明らかに違う反応を示す老婆に俺は疑惑を深めるのだった。
さあ、次は採掘ギルドだ。つるはしと例の情報が分かれば良いのだが…。
採掘ギルドは錬金術師ギルドからかなり離れており商店街を抜けないとたどり着け無い場所にあった。
商店街を進んでいると屋台の美味そうな匂いがあちらこちらから漂ってくる。
まあ、俺は吸血鬼だから意味ないんだけどな!
掲示板で見つけたのだが吸血鬼も普通の食事を食べようとすればできるらしい。
しかし食事のステータスアップ効果が得られず
反対に消化不良を起こしてステータスダウンするのだとか。
ひどい話だ。
だか、俺には希望もある【ラーニング】だ。
モンスターの中には悪食な奴や暴食な奴もいるだろう
そういうモンスターが持っている食に関するスキルをラーニング出来れば俺も普通の食事が出来るようになると思うのだ。
そのためにはそのモンスターが食事をしている所を見ないといけないのだが…。
悪食に暴食か…さぞかしトラウマものな食事風景なんだろうな…。
商店街を抜けると開けた場所に出た。
奥の方は小さな鉱山の入り口のようになっており、その近くに有る建物には、プレイヤーが出入りして賑わっていた。
「ここが採掘ギルドか、やはり賑わっているなぁ…。」
面倒な事が起きない事を祈りつつ俺は採掘ギルドに足を進めるのだった。