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ねこは続くよ~白猫ゆきくん  作者: さむらい
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ゆきは散歩がお好き

聴覚障害のある猫、ゆきくん。

外へ行く時はいつもリードを着けて人間と一緒。

チャコが高齢だとすると、ゆきだってもう中年世代に突入です。かつて子猫や若い頃にあったあの無意味過ぎる熱さもどんどん薄く少なくなりました。

猫のおもちゃを使って追い掛けっこ遊びをすると熱くなり過ぎる青年時代のゆき。いつの間にか前後逆転?追いかけられていた筈の私を追い抜いて、何故か私が猫おもちゃを持ったままゆきを追いかけて家中走り回っていたり。


それが今ではまるで嘘の様。


目の前に来たおもちゃには手を出すけれど、それ以外は「ふーん」と目で追うだけ。お前のあの熱さは一体何処へ?

そんなゆきでも変わらず好きなのが外に出る事でした。

短時間なら留守番も出来る様になりましたが、単純に散歩がしたいらしい。

当然ながら真夏と真冬だけは辛そうに見えましたが、それでも外ヘ出たがります。



真夏の屋外は灼熱地獄。焼けたアスファルトの出来る限り温度が低そうな場所を歩かせて。

マンホール類の金属部分は更に熱せられて、ゆきの行く手を阻みます。

真冬の寒さは極寒地獄。凍える冷たさのアスファルトは風の強さと相まって、あらゆる角度から襲って来ます。


そんな時ゆきはよく、立ち止まると靴の上に足やお尻を乗せてきました。

靴を履いた人間には、猫の環境がよく判りません。それは地面が歩くのに適さない時なのです。


なのでなるべく歩かせずカートに乗せてどんどん進むのですが、それでもやっぱり歩きたがるんですよねぇ…。



猫が居心地の良い場所を知っているというのは本当です。

エアコンの効いているお店は覚えていて、自ら率先して入って行くとレジ前でゴロン。冷たい通路でゴロン。

他のお客の邪魔にならない様にリードを引っ張って、お店の人と苦笑い。もちろん食料品店には入りません。

冷房が気持ち良くってウトウトし、そのまま寝てしまう事もありました。


そこまでしても、ゆきは散歩に出たいんだなぁ。


真冬の場合はお店には入ろうとせず、どんどん歩いて帰ろうとするゆき。足元は暖房が効いていないからでしょうか?これは問題です。

そこで試しに犬用の服を着せてみる事にしました。サイズは小型〜中型犬用のMです。


まずは犬用Tシャツから。

うーん失敗。サイズが合わないのか?ピチTみたいになってしまいました。

それにお腹もぽっこりはみ出して、とても暖かそうには見えません。


次にスカジャン風の物。これはなかなか!やはりお腹が出てしまいますがしっかり着られ暖かそうな感じがします


最期にダウンパーカー風。暖かさでは最強でしょう!

…あっあれ?着る事は出来ましたがやはり犬用、伸縮しない材質なので体型が少し合いません。


ここでまたも問題発生。ゴワつく服だとやはり歩き難いらしく、動こうとしません。

実は昔、チワワのお嬢にも寒かろうと服を着せた事がありましたが、気に入らなかったらしくその場に寝そべって動かなかったという思い出がありました。

なのでゆきにも服を着せて歩くかどうかという懸念があったのですが、とりあえず柔らかな服なら大丈夫な様でした。


最終的にスカジャン風の服が一番フィットするという結論に落ち着き、服選びは決定です。


最後の問題は、ゆきのパワーを抑える為にどうしても必要な胴輪をどうやって着けるのか?でした。

まずは胴輪を着けてから服を着せる?

いや、それだとリードが上手く出せません。

服を加工するのも大変そうだし寒いでしょう。

いやそれより服も胴輪も手早く着せなければゆきの不満が爆発して逃げてしまう…。

これも試行錯誤の末、まず服を着せてから大きく緩めた胴輪をはめるという手段で大成功でした。


その真冬に歩いているフル装備ゆきの姿は、皆から笑わ…いや道行く人を笑顔にさせる程の破壊力を持っていました。


こうしてここに、服を着て首輪と胴輪のダブルリードで商店街を散歩する奇妙な猫…らしき生物?が誕生したのです。


そのかなり後の事ですが、出先で柔らかなダウンパーカー風の犬服を見つけました。

帰宅したらもう夜でしたが試しに着せてみると大成功。ちゃんと歩きます。

これなら暖かいし良かった良かった…いや服を着せられテンション上げたゆきが、外に行けると思って玄関へと歩いて行きました。


も、もう真っ暗だし外には行かないよ!

お読み頂きありがとうございます

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