ガブッ!!
古かったとはいえリードを破壊したゆき、そのパワーはもちろん連れて歩いている時にも遺憾無く発揮されます。
体重をかけてその強烈な力でリードをグイグイ引っ張るので「もしかしたら荷車を引けるんじゃ?」と家族で冗談を言ってみたり。
しかし実際問題ゆきが暴れでもしたら大変な事になります。
まだ時折パニック状態になりますし、若干噛み癖もあるので…子猫時代ならともかく成長したゆきは最悪手が付けられないかも知れません。
そこで、ゆきには首輪の他にもう一つ胴輪を着ける事になりました。ダブルリードと言うのだそうです。
また体への負担になってしまいますが何かあった時にも制し易くなりますし、結果としてそれがゆきの安全にも繋がります。
今でこそ猫用の胴輪がありますが、当時はまだ犬用しかありませんでした。
とりあえずサイズの合う物を2、3本買って来て着けてみましたが…そもそも犬と猫は骨格が違うので肩が引っ掛からずにスポッと抜けてしまいます。
上手くコントロールすれば大丈夫なのですが、これでは無いよりマシといった程度で期待した効果はありませんでした。
この頃、兄と私は週末になると釣りや釣具店巡りと称して県内のあちこちへ出掛けていたので、行った先にペットショップがあれば立ち寄って、何か良い品が無いか探して回っていました。
その結果、とあるメーカーで作られている胴輪がしっかりした生地で猫でも抜け難い形だと判り、以降ずっと愛用する事に。
しかしそれでも“もし本当に暴れてしまったら、これで大丈夫だろうか?”という不安感は拭えません。
懸念は現実になりました。
事務所にまたも新参者の猫が侵入して来てゆきが応戦、たまたま事務所の留守番をしていた兄がそのケンカを止めようとしてゆきに噛み付かれてしまったのです。
事務所では首輪のリードしか繋げていなかったので、胴輪も意味がありません。
ガブッと噛まれてパンパンに腫れ上がった兄の二の腕はまともに動かす事も出来なくなってしまい、治るのに1ヶ月近くかかってしまいました。
噛み付いた時、動物の歯は細胞組織を潰す様にして食い込んでいくので治りも遅くなるのだそうで、傷口から雑菌が入るのも懸念されます。
しかしいくら本気で噛み付いたとはいえ普通ここまで酷くはならない筈なのですが…
私の時には腕の噛まれている部分に骨まで響く様なゴリゴリという感触があり両手で掴んで猫キックで追い打ち、なかなか離そうとしないので腕を持ち上げるとまだぶら下がって付いてきたのでこれはかなり強烈でした。
余りに痛むので、気休めに腫れた箇所に湿布を貼ったら多少治りが早かった記憶があります…
そうです、結局この後家族全員が何かしらの理由でゆきに噛まれてしまいました。




